今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (223)レディ・イヴ/甲斐よしひろ(1996)

11月下旬に入り、今年ももうあと1ヶ月と少し、、と焦りだす「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞/作曲:甲斐よしひろ

発売:1996(平成8)年2月28日 (当時42歳)

売上:不明(オリコンチャート圏外) 

1996(平成8)年2月に発売された、甲斐よしひろさん11枚目のシングル曲です。

 

●アルバム発売後のシングルカット

この年の1月に発売されたアルバム「GUTS」の最初の曲として収録されていたものですが、先行ではなく後行の形でシングルカットされた事もあってか、残念ながらシングルとしてオリコン100位圏外に終わりました。

最初エレキで始まって、ポップでキャッチーないかにもシングル向きの楽曲ながら、セールスに繋がらなくて残念でした。歌い出し前の♪ダン ダン ダダダン というリズムがべたすぎて逆に好きなのですが。

ちなみにアルバムタイトル曲である「GUTS」は、当時メジャーリーグで日本人のパイオニアとして活躍し始めた野茂英雄投手の事を題材としてつくったといわれています。

 

ダウンタウンDX エンディング

この曲は今も続く人気長寿番組ダウンタウンDX」のエンディングテーマに起用されました。個人的に彼の曲がタイアップになるという事で嬉しかったものでしたが、シングルが売れないのが残念でした(また書きますが…)。

甲斐バンドとKAI FIVEでヒットを飛ばしていますが、ソロでだけヒット曲がなく、1曲ぐらい当たってほしい、というのがあったんですよね…。

 

●女性賛歌

歌詞的には、甲斐流の「世の女性への応援歌」です。

愛に目覚めたら「生まれ変われる」のさ、自分磨きして輝こう、そんな感じの言葉に溢れていて、まだ気づいていない自分の魅力に気づいて、「恋せよ乙女」的な曲です。

 

●20世紀最後

サビから始まる曲ですが、Aメロ歌い出しには

♪世紀末だ~からと~

とあり、「20世紀最後」とか「21世紀幕開け」などのフレーズが多数出てきて、世紀末を感じさせる曲ですが、この曲の出たのが1996年、そろそろ「世紀末」というにふさわしい時期になってきたのかな、という頃でもありました。

♪新しい生き方してかなきゃ

と歌われていますが、人間の永遠のテーマという感じですね。

いつからか分かりませんが、古いものに捉われずに、新しい考えでとか新しい目線でとか、他の動物にはない人間だからこそ持つ考えなのかな?そんな事を考えたりしました。

 

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今日の1曲 (222)Tough in the City/世良公則(1988)

11月中旬、急速に寒くなってきた「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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いつもの歌詞サイトに載っていなかったので、音源は割愛します。

 

作詞/作曲:世良公則

発売:1988(昭和63)年4月21日 (当時32歳)

売上:0.2万枚(オリコン最高100位) 

1988(昭和63)年4月に発売された世良公則さん9枚目のシングル曲であり、以前紹介しました「抱きしめてくれ…」の前のシングル曲です。

 

●シングルバージョン

この曲は元々、前年1987(昭和62)年に発売された同名のアルバムでそのタイトル曲としてリリースされたのが最初で、その4ヶ月にシングルカットされた格好になっています。

それもあってかシングルとしてはほとんど売れず、オリコン最高100位ギリギリにランクインし、売上は2千枚という記録が残っています。

アルバム版とはアレンジが違っていて、アルバムではイントロがなくいきなり歌い出しに入っていますが、シングル版は結構長いイントロがあって、そこにシャウトが入っていて…というぐらい気合いの入ったものとなっています。

歌い方でいうと、シングル版の方がラフというか、よりライブっぽい感じがします。

 

カネボウCMソング

当時からカネボウのCMソングだった印象はありましたが、何の商品か分かっていませんでした。ビッグタイムという男性用整髪料との事でした。そうだっけ?ってくらいそこの記憶がないのですが…

二番のサビの ♪燃えつき~る 激しさでぇええー という語尾の部分がインパクトがあり、商品のCMながらその部分は世良さん自身のライブシーンが映っていて、ここの歌詞を歌い上げていました。すごいパワフルで印象的なのに、世の中には伝わらないのだろうか?とよく思っていました。

当時の彼は俳優として人気がありましたが、ソロ歌手としてはツイスト時代のようなセールスは得られず、これというヒット曲もないままだったので、歌手としての側面をもっと注目されないかな?と度々思ってました。

 

●Vシネ前夜

このシングルが出た時は、「ベイシティ刑事(コップ)」という刑事ドラマが終了した直後で、その後「CFガール」という主演映画に出たり、「スクラップ」という唯一の連続ドラマの主演作に出たり、そしてなんといっても「クライムハンター」シリーズというVシネマ初作となる作品に出ていたり、とにかく俳優活動が盛んでした。

音楽活動は合間にシングルをスポット的にリリースするぐらいで、この曲と同名のアルバムをリリースして以降は、1990(平成2)年4月に「眠れない街」をリリースするまで約2年半アルバム発売がありませんでした。

 

●ハードワークの曲?

この曲の歌詞は、どんなに疲れてもしんどくても、それを楽しむくらいがちょうどいいさ的な、ある種昭和感満載な雰囲気に溢れている気がします。当時はそれが普通って感じで抵抗もなかったのですが、今こんなしんどい生き方する?という感じでした。どんなに痛みがあっても俺たちゃタフに生きてくしかないさ的な…。

この時期ちょうど流行りのCMに「24時間戦えますか?」というフレーズがありました。令和からはちょっと考えられないけど、昭和はこれで突っ走っていったんだな、と感じます。

昭和を社会人としては生きていませんが、高校生まで過ごしていたので雰囲気は感じるし、それが当たり前という感もありました。時代は変わるもんだな、とこの曲の歌詞を眺めていて、改めて感じました。

 

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今日の1曲 (221)ジプシー/西城秀樹(1981)

11月も半ば、今年もあと1ヶ月半の「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:森雪之丞/作曲:鈴木キサブロー

発売:1981(昭和56)年12月20日 (当時26歳)

売上:13.9万枚(オリコン最高15位) 

1981(昭和56)年12月に発売された西城秀樹さん40枚目のシングル曲です。

 

●作家陣

作詞は森雪之丞さんで、70年代からロックからポップス、アイドルまで幅広く作詞を手掛けていましたが、ヒデキのシングル曲ではこれが唯一の作詞となりました。

作曲は鈴木キサブローさんで、当時歌番組でこの曲が流れてきた時、小5だった自分は「作曲者」のテロップを見て「鈴木キサブロー?「キ」が1個多いんじゃないのか?」と思ったものでした。「鈴木サブロー」の間違いじゃないかと思った訳です。だってキサブローって響き的に不自然だし…とか、人の名前に失礼な事を思っていました。表記こそ違いますが、本名も鈴木喜三郎さんであり、この時代のヒットメーカーとして地位を確立しつつある頃でした。

 

●女性目線の曲

ワイルドな男の魅力で売り出していたヒデキが歌う、珍しい女性目線の曲で、この年のシングルはそれまで3作が全部「ガール」を後ろに冠した曲(「リトル・ガール」「セクシー・ガール」「センチメンタル・ガール」)で、遂にこのガール3部作を脱却したところでした。

ヒデキが♪女になりたいから~ と歌うのを当時は特に違和感なく聴いてましたが、大人になるにつけて異色感が自分の中で大きくなっていきました。

 

●発売直後の紅白披露

この曲の発売日は1981年12月20日で、それもリリースされてそんなにヒットしていない(オリコン最高15位)にもかかわらず、発売後わずか11日で大晦日紅白歌合戦で披露されています。

 

●久々のアクション曲

当時26歳になっていて、大人のポップス路線への転換を図っていたようなヒデキのシングル曲だったガール3部作で、割にゆったり路線の曲が続いていました。

このうちの「セクシー・ガール」なんて、当時ロックンロールで一世を風靡していた横浜銀蝿の作詞作曲でありながら、割にゆったりしたポップスで、意外過ぎるほどでしたが、この曲ではその抑圧をブチ破るかのようなハードなサウンドにのって派手なアクションで見せてくれました。

独特の手の振り方をしているパワフルな振りは、音ハメがしっかり効いていてTVの前でカッコつけてよくやったものでした(笑) そこんとこは上のリンクにある動画で見てみてください。

 

●ヒデキ節

小節ごとの語尾に独特のしゃくりが多用される、まさに「ヒデキ節」全開の曲です。

♪嘘をくださ~い とか、♪おんなになりたいか~ら~ とか、ヒデキのマネをする人は大体ここんとこの節回しを押さえてるな、という感じがするのですが、そのしゃくりが分かり易く歌われています。

 

●分からなかった歌詞

一番のラストで

♪罪にゆめと送りがなをふるの~

という部分ですね。

小学生だったので、読みがなとか送りがなとかという事には割と敏感だったのですが、「送り仮名??」となりました。

こういうこと??と(笑)→「罪ゆめ」

「読みがなじゃないの??」とよく思ったものでした。森雪之丞先生一流のセンスなのでしょうか。

 

●後に続いたジプシー

この曲がリリースされたのが1981年12月で、その1ヶ月ちょっと後、1982年2月には太陽にほえろ!三田村邦彦さん演じる「ジプシー刑事」が登場します。偶然かどうか分かりませんが、なのでこの短期間に自分の中でちょっとしたジプシーブームでした。

ちなみにこの言葉、放送禁止ではないようですが、差別用語的な扱いを受け、それこそ「太陽にほえろ!」の全を再放送機会があった時でも、彼の出ていた時期のものはまるまるすっ飛ばされた事もあったようです。

 

●ものすごく個人的な思い出

この曲で個人的に思い出すことがあって、当時日曜の昼だったと思いますが、TVでこの曲見た後に、飼っていたインコが死んでいたのを見つけ、庭に埋めてやりました。この曲を聴く度に、小5の時に知り合い宅から引き取りながら早々に死なせてしまったこのインコの事をいまだに思い出してしまいます。

 

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今日の1曲 (220)夏女ソニア/もんたよしのりwith大橋純子(1983)

11月11日、ポッキーの日が今年もきた「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

いつもは自分のi-Podをシャッフル再生したものを選曲しますが、ここ最近自分が子供の頃に活躍されていた歌手の方が相次いで亡くなられ、なかでも、もんたよしのりさんの訃報に続き、今朝は大橋純子さんの訃報が届き、この曲について書きたいと思い、選曲しました。

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作詞:阿久悠/作曲:芳野藤丸

発売:1983(昭和58)年4月6日 (当時:もんたよしのり32歳、大橋純子32歳)

売上:15.9万枚(オリコン最高16位) ※1983年度 年間82位

1983(昭和58)年4月に発売された、「もんたよしのりwith大橋純子」名義で発売された唯一のシングル曲です。レコードジャケット上はMonta With Junko Ohashiとなっていました。

 

まずは、もんたよしのりさん、大橋純子さん、このお二人が相次いで亡くなられた事が大変衝撃でした。大橋さんは以前から闘病生活をされていましたが、復活されるものと思っていました…ご両名の御冥福を心より申し上げます。

 

●異色デュエットソング

当時「もんた&ブラザーズ」で活躍していたもんたよしのりさんと、前年にシルエット・ロマンスが大ヒットして再び脚光を浴びた大橋純子さんという、同学年になりますが、異色すぎるデュエットソングですが、同じ事務所に所属していたことがキッカケでこの組み合わせが生まれたそうです。

この名義ではシングル1枚のみでしたが、実は同じ組み合わせの名義違いでもう1枚シングルがリリースされていました。先の分とは逆の大橋純子withもんたよしのり名義で同じ1983(昭和58)年6月にリリースされた「恋はマジック」という曲がそれです。

 

●化粧品CMソング

この時代は有名化粧品メーカーのCMソングというのが常に存在し、特に夏は活発に展開され、このタイアップを得られるとヒットの早道にもなっていました。

この曲はコーセー化粧品の夏のキャンペーンソングとして起用され、当時脂の乗り切ったこの2人の起用は話題を集めました。オリコン最高は16位止まりでしたが、15.9万枚のヒットを記録し、年間では82位と100位以内に入るヒット曲となりました。当時アニメで「少年ケニヤ」というのがあって、「夏女ケニヤ」などともじっていた記憶があります。

 

●当時の二人

もんたさんは、「もんた&ブラザーズ」の活動を続けていましたが、1981(昭和56)年の「DESIRE」以降は10万枚を越えるヒットがなくなり、ベスト10圏内に入る事もなく、シングル曲は5万枚前後売れるような感じで、この翌年にバンドを解散しています。一方でこの1983年は西城秀樹さんに提供した「ギャランドゥ」を作詞作曲しヒットさせました。

大橋純子さんは「シルエット・ロマンス」がヒットした1982(昭和57)年までシングル曲をリリースしていましたが、1988(昭和63)年に「眠れないダイヤモンド」という曲をリリースするまで5年以上シングルリリースがなく、ソロではシングルを出していない状態でした。

2人の活動の転機的なこれらの状況も、このデュエットを組む流れに繋がったのかもしれませんね。

 

●作家陣

作詞は阿久悠氏で、なんだか意外な感じがしました。「夏女」というタイトルでデュエットソングの作詞がこの方だったとは…という感じで。

作曲は芳野藤丸氏、SHOGUNのメンバーとしても活躍したバリバリのミュージシャンという、これまた異色の組み合わせだったといえます。

このポップな夏ソングに、もんたさんはイメージつきましたが、大橋純子さん?となりました。個人的に「シルエット・ロマンス」の印象か強くて、壮大なバラードを歌い上げる人、な感じだったのでポップすのイメージが全く想像つきませんでした。でも歌のうまい人はなんでもこなすんだな、というのを聴く度に感じました。

 

●歌詞

何にも縛られない、自由な心の女でいたい、と大橋さんのパートで歌われ、

何にも縛られず、ありのままの心でいいんだよ、ともんたさんのパートで歌われています。

化粧品のCMのイメージにピッタリなのでしょうね、自分の思い通りのメイクをして、思い通りの女になる、みたいな。

 

●歌唱

先にも少し触れましたが、この組み合わせでこんなにもソウルフルな歌唱になるのか!って感じでした、

大橋さんのバラードについては触れましたが、もんたさんもパワフルな歌唱はするものの、なにせあのわざと潰したというハスキーボイスは、途中でかすれるどころか消えるような、無声状態を彼の記憶で埋めてるようなそんな感がありました。ヒット曲である「DESIRE」の間奏前に派手なシャウトをしていますが、それも張り上げようとすると声が切れる、それがまた彼の持ち味でもあったんですが、この二人だとそこそこのポップソングかな?と当初は思っていました。

しかしサビになると、特に♪ソーニアーーーー と伸ばす部分のパワフルさとグルーヴ感はヤバいです。「こんなパワフルなの??すごい」ってぐらい、二人の声が響きわたっています。最後に繰り返す♪wow wow wow~ からの部分はそれが最高潮に達しています。

 

 

こんなにもパワフルな曲をうたっていた二人が、ほぼ同時に逝くなんて…と衝撃がおおきいところですが、向こうでも二人でソウルフルな声を響かせていてほしいと思いました。

 

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今日の1曲 (219)くるみ割り人形/石川ひとみ(1978)

とうとう11月に突入し、今年も残りわずか感の出てきた「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:三浦徳子/作曲:馬飼野康二

発売:1978(昭和53)年9月5日 (当時18歳)

売上:6.2万枚(オリコン最高42位) 

 

1978(昭和53)年9月に発売された石川ひとみさんの2ndシングルです。

 

●2枚目シングル

石川ひとみさんは1978年5月に「右向け右」でデビューし… というのは以前、「まちぶせ」の記事の時に書いた訳ですが、その10枚目シングル「まちぶせ」でブレイクする以前では、2枚目にして最も売れていた曲でした。

売れなかったといっても一定の露出がありTV番組では人気アイドルでしたし、この曲もオリコン42位止まりでしたが、6万枚は売れているので、そんなに売れてないという感じはしないですね。

 

くるみ割り人形

タイトルにもなっているこの名前、元は19世紀末ロシアのチャイコフスキー作曲のバレエ音楽であり、その曲が使われた作品をも指しますが、クリスマスイブに、くるみ割り人形を送られた少年が、その人形と共に夢の世界を旅する物語として描かれていました。

くるみ割り人形はドイツの伝統工芸品であり、固いくるみを割る道具として作らられたものに、人形の形をつけたものです。

そういえば、個人的な話で昔ゲームセンターにあったクイズゲームで、この「くるみ割り人形」に関する問題が出て、自分の友人たちはこのバレエ作品の事を常識として知っていましたが、自分だけ知らず石川ひとみさんの曲」としてしか知らなかったため、話が嚙み合わなかった事を思い出しました(笑) 

その時は最初「なんでこいつら、石川ひとみさんのこの隠れた名曲を知ってるんだろ?」と思いましたが、相手方からしたら「こいつ何訳の分からん事言ってんだろ?」って感じだったのでしょう、恥ずかしすぎでした。

 

●作家陣

作詞は三浦徳子(よしこ)さん、作曲は馬飼野康二さんです。

三浦さんは1977(昭和52)年作詞家デビューしているとの事で、この曲はその翌年のものでまだキャリアが浅い頃でしたが、ひとみさんのデビュー曲「右向け右」も彼女の作詞であり、デビューから連続で作詞を手掛ける事となりました。

ちなみにこの曲と同じ日に発売された、八神純子さんへの提供曲「みずいろの雨」が大ヒットし、これが出世作となりました。

馬飼野さんは、ひとみさんの楽曲はこれが初作曲でしたが、この後も数曲作曲を担当し、再び三浦さんとのコンビで作詞作曲しているのが1980(昭和55)年に発売された「オリーブの栞」でした。

 

●詞と歌唱

赤い靴のフレーズが複数回出てきますが、主人公はシンデレラでしょうか?

ヒロインを夢見た赤い靴の少女ですが、「あなた」と手を取って踊れると思っていたら、そのパートナーは他の誰かであり、「あなた」は消えてしまって、私が一人取り残されただけ…というちょっともの悲しいストーリーです。最後は、くるみになぞらえて、「夢は昨夜"割れた"」というバッドエンドでした。

歌唱ですが、やはり実力派!デビュー曲「右向け右」でも見せていましたが、音の伸び方が素晴らしいです。伸びやかな歌唱ですね。

Aメロの最後で

♪あなーたが消えーたーーーー の音伸びも素晴らしいし、

Bメロ最後の

♪わたしひーとりだけーよーーーーー の音伸びはサビに向かっての盛り上がりでまた一段と素晴らしく、演歌歌手でもやっていけるな(笑)という感じでした。

当時同世代で、よく間違われたと思われる石川さゆりさんがいましたが、演歌で鳴らし下積みも長かったさゆりさんがブレイクしたのはこの前年津軽海峡冬景色」でした。

しかしひとみさんもなかなか、デビュー曲からその歌唱は高く評価されていたようで、、しかし歌唱=人気やレコードセールスに繋がらないのが、この世界の難しいところでもあります。

Bメロでいうと、

♪取り残された の部分、普通に歌うんじゃなくて、♪とりのこーーーされーたー と、の部分に若干の「タメ」をつくっていて、オッ!となりました。ちょっとそこに情感のようなものが感じられました。これは本人じゃなくてディレクター、あるいは作曲家の意向かもしれませんが、そこをうまくこなすか?は歌い手にかかっていますよね、そこがやはりうまいと感じます。

サビの♪くるみ割りーーー  の輪唱っぽい部分も、曲のメインフレーズとしてとても印象的です。

 

 

石川ひとみさんはその後、B型肝炎に罹患し闘病をしながら、現在も歌手活動を続け、コンサートに新曲リリースにまだまだ精力的な活動を続けているのは往年のファンからしてもとてもうれしい事ですね。

 

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今日の1曲 (218)シングル・ガール/太田裕美(1979)

10月もあと1週間で終わってしまう「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童

発売:1979(昭和54)年7月21日 (当時24歳)

売上:2.6万枚(オリコン最高53位) 

1979(昭和54)年7月に発売された太田裕美さん15枚目のシングル曲です。

 

オリコン53位

太田裕美さんのシングル曲は1975~77年あたりが、TOP10ヒットを連発してして、レコードセールス的なピークだったと思いますが、1978(昭和53)年あたりからシングルチャートは下降し始め、この時期はだいたいオリコン最高50位台を記録するような状態でした。

という事でオリコン最高53位、2.6万枚の売上に終わりましたが、この曲で1979年の紅白歌合戦に出場しています。

 

●意外な作家陣

いわゆる「売れ線」の曲でオリコン上位に入るヒット曲を出していた頃は、作詞が松本隆さん、作曲が筒美京平さんで、これが彼女の楽曲にとっての「ゴールデンコンビ」ともいえる組合わせでした。

前年1978年から作家陣が変わるようになってから、呼応するかのようにレコードセールスも下降していきましたが、クオリティは上がりバリエーションは増えたと思います。

そしてこの曲は、そのゴールデンコンビからは想像もできないような組み合わせで、阿木燿子さんと宇崎竜童さん夫妻による作詞作曲…。

このコンビで思い浮かべるのは…宇崎さんがやっていたバンド「ダウン・タウン・ブバウギ・バンド」の楽曲や、当時大ヒットしていた山口百恵さん「プレイバックPART2」のようなアイドルでもハード系の楽曲…そんなところだと思います。

このコンビと太田裕美さんの融合…、で、できた曲がこれでした。

そんなアウトローな曲でもないし、裕美さんの曲の割にはシリアス路線のシングルというところでしょうか。

 

●歌詞

阿木燿子さんの歌詞ですが、一人の女性(まさしくシングル・ガール)が二人の男性のはざまで揺れる気持ち…そんなところですね。

ある男性と吐息がかかるくらいの距離でダンスを踊ってるけど、その向こうでは「彼」が心配してる…というシチュエーションから始まります。

結局は浮気相手の?優しい人とはサヨナラして「シングルガール」になるという事で、「彼」とも別れてしまう訳ですね。

 

サウンド

宇崎竜童さんの作曲で、ムードがありますね。

出だしはちょっとアンニュイな雰囲気で、サビにかけてガラっと上げ調子になっていきます。終わってみれば「こんなにポップな曲だったの?」という感じで、サビ前にギアがグッと上がってそっから知らぬ間にもっとテンポが上がっていくような…。

それから、サビの♪ルルル ルルル ルルル~ の舌っ足らず感丸出しな裕美さんの歌唱がとてつもなくハマります。早すぎるんじゃなくて、遅すぎて逆に真似できないだろ、ぐらいの感じなのです(笑)

まったくの最初は、♪シーングルガール といきなりタイトルを歌い出すところから始まり、エコーのかかったBGMなし、の状態です。

そしてBGMの出だしは、チャイナっぽい感じの音?で、この曲独特のものですね。この部分さえ聞けば、曲が特定できるという感じの。なんならこの曲で一番好きな音はこの部分です。

Aメロで流れているカラランッって音も妙にハマります。

 

 

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今日の1曲 (217)抱きしめてくれ…/世良公則(1988)

近所の秋祭りも終わり街が一段落した「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

歌詞がいつものサイトに載っていなかったので、こちらの手持ちCDシングルにある歌詞カードを写真でお送りします。

 

作詞/作曲:世良公則

発売:1988(昭和63)年9月21日 (当時32歳)

売上:0.4万枚(オリコン最高76位) 

1988(昭和63)年9月に発売された世良公則さん10枚目のシングル曲です。

 

●映画主題歌

歌詞カードの冒頭に載っていますが、自身が主演した「CFガール」という松竹映画の主題歌に起用されています。

世良さんが映画(Vシネマを除いて)に主演しているのも珍しいですが、映画で主題歌を歌うのも珍しく、知る限りこの曲だけだと思います。

映画ではCFディレクターの役で、タイトルの「CFガール」は当時デビューしたばかりの高岡早紀さんが演じています。ちなみに高岡さんは、ここで当時共演した岡田真澄さんとマドラスのCMで共演しており、個人的にこのCMで高岡さんの存在を知りました。

 

●重厚なバラード

1981(昭和56)年末に自身のバンド「ツイスト」を解散し、1982(昭和57)年にソロデビューした世良さんは当初「脱ツイスト」といわんばかりのロックから離れた位置での楽曲や歌唱を続けていましたが、1985(昭和60)年から今度はロック解禁といわんばかりにツイストの路線に回帰し、ロック色をゴリゴリにしていきます。

また更に俳優としての立ち位置も変わってきて、それまでの正統派の役柄からちょっとアウトロー路線にシフトしつつある頃で、服装にもそれが表れている感がありました。

そんなロック歌唱に回帰してすっかり経った頃の作品でしたが、がなり歌唱からの重厚でゆったりしたバラードが全体的に展開されています。

サビの♪抱きしっめてーくれ~ の「だ」の部分のがなり具合が安定の世良節を感じさせてくれますし、ラストの部分の♪いいなら~~~~ のがなりながらの長伸ばしは、さすがの世良歌唱だなと感じます。

世良さんはある時「あなたの歌には感動がない」といわれ、かなり衝撃だったといいますが、それはどの時期に言われたのか?この時期より後なのか?と気になるところです。

それまででも「バラードが聴こえる」などの名作を自身の手により作っていますが、ボーカルの我が強すぎて壮大で優しい曲もそう聴こえなくなってるのか?とか個人的にも感じていました、ある時期までは。

1990年代に入ってから、彼の歌唱や曲の世界観の幅広さのようなものが如実に感じられたような気がして、この時期はまだその過渡期だったのかな、と思ったりします。

 

●プレVシネマ

このシングルの衣装は当時出演していた「ベイシティ刑事(コップ)」の時のものと思われますが、このドラマに出ていた頃や、このドラマでの世良さんのアクションが注目されて同じスタッフを集結させて制作されたといわれるVシネマ「クライムハンター」シリーズなどで、こんな感じの恰好をしていました。この作品がリリースされたのは、そのちょうど間にあたる時期でした。

オールバックの髪型で、黒のフライトジャケットにワッペンをベタベタ貼りつけて、青々としたジーンズと、この時期の世良さんの象徴的ともいえる服装でした。

なのでこの当時の世良さんというと「ガンアクションやってる俳優」の面が強かったと感じます。

 

●レコードとCD

1988年という時期的な面で、レコードと8㎝シングルCDの両方で発売されています。

上の写真のジャケットでバーコードのついてる分がレコード盤で、下の写真はシングルCDの裏面(半分に折ってあるので正方形になっています)です。

 

●C/W

「雨上がりのブルー・スウェード・シューズ」という曲です。

こちらは重厚な歌唱と軽快なサウンドが融合し、またドラムもかなり目立ったロックの佳曲です。

 

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