今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (9)ドール/太田裕美 (1978)

今日の1曲、またまた2ヶ月ほど開きましたがようやく9回目です。

今回はこの曲!

www.uta-net.com

 

作詞:松本隆/作曲:筒美京平

発売:1978年7月1日

売上:9.2万枚(オリコン最高21位)

 

1978(昭和53)年7月発売の太田裕美さん12枚目のシングル曲です。

太田裕美さんといえば、1975(昭和50)年リリースの「木綿のハンカチーフ」がものすごく売れてしまったので、そのイメージが色濃くついてしまいましたが、1977(昭和52)年の「九月の雨」まで全5曲がオリコンチャートでベスト10入りしています。

 

この曲が出た1978(昭和53)年からはベスト10入りがなく、セールス的には少し落ちてきていた頃で、デビュー以来作詞/作曲が松本隆筒美京平両氏のタッグでしたが、この曲の次の「振り向けばイエスタディ」でこの体制が終わる事となります。それでも枚数的には9.2万枚と健闘しています。

 

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おもちゃのピアノで始まる出だしが印象的ですが、歌詞はストーリー性にあふれ、裕美さんのボーカルでその世界に一気に引き込まれていく感満載です。

 

個人的に一番印象的なのは「♪恋の初めだけみんな優しい あとを悲しみが追いかけてくる」という部分です。自分がそうだったよなと思わされたり、男あるあるじゃないかなと思ったり…。色々反省ですが…。

 

♪おおきくなったらなんになーるー、が歌とメロディー的に印象深いですね。♪ままごーと遊びの日はーかえーらーないー、という切なさもいいんですよね。

 

あとセルロイドって言葉が沢山出てきます。

心がないからセルロイド 頬紅はがれたセルロイド

虚無性というのか、当時なりにあった「虚ろな現代」の描写だったのでしょうか。

 

乗せられたのが「不幸な船」だと気づいて泣いた主人公ですが、最後には「フェリーで青空横切り旅してみよう」と明るく終わるのが救い、と感じました。

 

太田裕美さんの歌唱がサラっと展開されていく中で、とてつもない不幸な歌詞の世界観が後からジワジワっと押し寄せてくる、そんな感じの曲が多くて、ちょっと不幸さを感じるのに「リアタイ」ではなくて、「時間差」で来るんですよね個人的に。

 

この曲が入っているアルバム「ELEGANCE」の中にある「リボン」という曲も、サラッと歌われていくんですが、海で投身自殺した友達の事を綴った曲だったり…。後で歌詞を咀嚼して「えっ!」となったものでした。

 

当初の裕美さんは、ニューミュージックとアイドルを繋ぐ存在のように位置づけられ、ユーミンより少しアイドル寄りで…。

それもそのはずなのか、裕美さんはキャンディーズのメンバーになるかもしれなかったという事で、スクールメイツのオーデに合格し、渡辺プロの音楽学院では伊藤蘭田中好子という面々と同期で、この経歴だけだとバリバリのアイドルじゃないか、となりますが…。

その後、この曲の出た頃にはフォークから少しポップス路線への転換期でもあり、色々かじ取りが難しかったようで、また喉の不調もかなりのようで、それでもこのクオリティを保っていたのは、さすがという感じでした。

 

ちなみにB面の「やあ!カモメ」は同名のテレビドラマ(篠田三郎さん主演)の主題歌で、連ドラ主題歌はこの曲だけじゃなかったかなと思います。ゆったりした歌唱から、テンポアップして流れるようにさわやかに歌われる曲で「それは青春そのもの  だからカモメ」ってそこだけ見るとなんのこっちゃ?となりますが、妙に違和感がないのは、裕美さん歌唱によるものでしょうか。

 

ということで、こんごはできるだけ更新頻度を上げていきたいと思います!