今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (28)ファンキー・モンキー・ベイビー/キャロル(1973)

1月も終わり、2月はもっと更新できたらいいなと思っている「今日の1曲」。

 

今日はこの曲。

 

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作詞:大倉洋一/作曲:矢沢永吉 

発売:1973年6月25日

売上:8.3万枚(オリコン最高57位)

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1973(昭和48)年6月に発売されたキャロルの7枚目のシングル曲です。

キャロルといえば、矢沢永吉さんがいて、故ジョニー大倉さんがいたという「伝説すぎる」伝説のロックバンドです。日本のロック界に革命をもたらし、本格的な「日本語のロック」を確立させたバンドでもありました。

 

1972(昭和47)年にデビューし、1975(昭和50)年4月13日に日比谷の野音で伝説的な解散コンサートを行うまで、活動期間はわずか2年半ほどでしたが、大倉洋一としているジョニー大倉氏の繊細かつ、日本語と英語をうまくMixさせた詩(作詞)と、日本語を英語っぽく巻き舌で歌う矢沢氏のメロディーメイク(作曲)のコンビネーションの妙が見事でした。後に彼らは絶縁状態になったといいますが、この時期は一緒に活動していた訳で、それすらも後から見れば「奇跡」な訳です。

 

後に「ファンキーモンキーベイビーズ」というバンドが生まれるぐらいに、日本のオールドロックを知る人なら、知らない人はいないといっても過言ではない「日本ロックの入門」的なナンバーとして、あまりに有名な曲にも関わらず、オリコン最高は実に57位、レコードセールス的にはとても世を席捲したとは思えない売れ行きでした。売上枚数は8.3万枚で、Wikipediaを見ると売上30万枚と書かれていますが、その出自がよく分かりませんでした。何度も再発をされているので、その累計かもしれませんが…。ただ昔の曲はオリコン最高位が低くても、結構売れた曲やよく知られた曲もあったものでした。

 

彼らの日本語詞をロックのリズムに乗せて歌う見事な楽曲はデビュー曲である「ルイジアンナ」から既に完成の域にあり、この「ファンキー・モンキー・ベイビー」もその流れに乗ったロックナンバーです。

「BABY」というのをそれまでの日本の曲はだいたい「ベイビー」(「神様お願い」/ザ・テンプターズ  など)と歌っていましたが、キャロルは「ベイベー」な訳です。

♪君はFunky Monkey Baby~ というのを「キミはファンケェモンケェベイベェー」ってな感じです。これが当時とてつもなく斬新だったのでしょうね。

間奏に入る時に矢沢氏が「A---w!」とシャウトするのもルイジアンナ同様でしたが、「アゥ!」とシャウトする日本人歌手って矢沢氏が最初だと思っていますがどうなのでしょう??「ギャー」とか「アー」とかいうのはGSでよく見られましたが、それらとはまた違うんですよね。

 

キャロルといえばリーゼントはもちろん「革ジャン」に「革ズボン」でしたが、このジャケットではデニムシャツにジーンズで、比較的ソフトな印象でした。リーゼントに革ジャンはジョニー氏の考案といわれていますが、バンドの活動方針的な部分はリーダーである矢沢氏の意向によるところが殆どといわれています。以前記事にしたクールスの舘ひろし=ボスみたいなものではないですが、実質そうなっていたという感じで。

 

ジャケットの左端がジョニー氏、右から2番目が矢沢氏、共に20代前半の若き姿でした。

そもそも永ちゃん」がベース抱えて歌ってるというのが凄すぎます。

こうねんソロのコンサートで昔のナンバーをギター弾き語り風にアレンジして披露していますが、当時「ベースギター」と呼ばれていたベースを担いで、バンドの中で演奏している矢沢永吉…って、当時を知らない人からすると、すごく逆に新鮮かもしれないなと感じました。

 

ちなみに右端はドラムのユウ岡崎氏、あまり表舞台での目立った活動は見られず、左から2番目は内海利勝氏、1990年頃にジョニー氏と、後に虎舞竜になる高橋ジョージ氏らと「THE PLEASE」というバンドで数年間活動したり、これ以外ではレゲエに傾倒し独自の活動をしていました。前述のようにジョニー氏と組んだり、矢沢氏のライブにゲスト出演したり、解散後決して接点を持つことがなかった、矢沢×ジョニー間を取り持った存在、という事もできると思います。

 

キャロルではだいたい矢沢氏かジョニー氏がボーカルを取っていましたが、わずかに内海氏がボーカルを務める曲があり、ロックバンドメンバーらしからぬきれいな声が返って印象的でした。

こう言っては何ですが、リズム重視カッコよさ重視という感じで、個人的に詩は正直どうでもいいなと思っている楽曲です。ただ「君はFunky Monkey Baby」みたいな日本語と英語をうまく融合させ、かつこれを順日本語っぼく歌わず、英語っぽく歌い、そのようなメロディーラインに乗せる、そんなすごい曲である事には変わりないと思います。

1970年代前半というまだ「ロックは日本語でできるのか?」とか「ロックは英語でないとダメだ」という論争があった時代に、ダイレクトに一石を投じて、軽々と日本語ロックを成立させてしまったのがキャロルであり、その代表的な楽曲がこの曲、といえると思います。