ようやく寒さがピークアウト、2月末の「今日の1曲」。
今日はこの曲!
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作詞:松本 隆/作曲:筒美京平
発売:1980年6月1日
売上:11.7万枚(オリコン最高22位)
1980(昭和55)年6月に発売された榊原郁恵さん17枚目のシングル曲です。
榊原郁恵さんは、1977(昭和52)年に「私の先生」という曲でデビューし、以後アイドル歌手として大人気を集め、80年代に入ってからは女優に、番組の司会にとマルチタレントぶりを発揮し、後の「バラドル」の先駆的存在として、また長年「ピーターパン」のミュージカルでも人気を博し、1987(昭和62)年に渡辺徹さんと結婚し、子育てを経た今でも芸能界の第一線で活躍されています。
この曲の出た翌年1981(昭和56)年には「ザ・トップテン」というランキング歌番組で堺正章さんとのコンビで人気を博し「トントン」の愛称で親しまれ、また当時彼女がリリースしていたシングル曲がTOP10にランクイン間近という現象まで起こりました。残念ながら実現しませんでしたが、司会者と出場歌手の両方を務める姿が見たかったものでした。
「ドラえもん」のジャイアンが、単行本で「郁恵ちゃんのファン」というほど、トップアイドルとして大活躍していた彼女ですが、楽曲のヒットは石野真子さん同様、オリコンでTOP10にランクインした曲が1曲もありませんでした。アイドルとして全盛期にピンクレディーや山口百恵さんと被り、ニューミュージックが強かったという時期の悪さも不運でした。
代名詞的なヒット曲「夏のお嬢さん」は唯一の20万枚越え(20.1万枚)で、オリコン最高11位と彼女の中では最高位にランクインしました。ホントに「あと一歩」で届きませんでした。
10万枚越えの曲は「夏のお嬢さん」やこの「ROBOT」含め計7曲もありますが、こんなに10万枚越えの曲がありながら(紅白に6年連続出ていながら)、TOP10に一度も入っていない歌手、というのはかなり稀ではないでしょうか。
この「ROBOT」ですが、この時期流行した「テクノポップ」の典型的なサウンドで、作詞作曲は、松本隆さん・筒美京平さんというゴールデンコンビで、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」を手掛けたコンビです。そのコンビとテクノサウンドの融合という、これまた当時新鮮な組み合わせでした。
郁恵さんといえばテレビで見せる元気キャラの生きた曲が耳に残りますが、この曲はサウンドこそポップですが、曲名通りロボットのような感情を殺したような歌唱が逆に印象的でした。
♪この心も手足も 思うままに動くわ お気に召すまま そうよ私ロボット
という歌詞、大人の視点で捉えるとちょっとやらしいというのか、いろんなことを想像させられると思いますが、当時のお年頃の方々はどう思って聴いたのでしょうか。と考えてしまいます。彼女は当時21歳、そろそろ脱アイドルで大人への転換というところでこの曲があたったのでしょうか。ともあれ、アイドル歌謡でこのようなサウンドの曲って、当時としては斬新で、もっと再評価されても良いように思いました。