今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (55)Tell Me Why/HOUNG DOG(1989)

朝の寒さがまだまだピーク時と変わらず、春を感じられない「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:大友康平松井五郎/作曲:八島順一 

発売:1989年10月25日

売上:7.1万枚(オリコン最高6位)

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1989(平成元)年10月に発売されたHOUND DOG20枚目のシングル曲です。

 

ジャケット見るとなんていうか、良くも悪くも大友さんのワンマンバンドな雰囲気を感じます。ff(フォルティシモ)が売れてから、この頃くらいまでは特にそんな気がします。出す曲出す曲のジャケットが彼の単独アップみたいな。

あくまで個人的イメージで実際はそうではないのでしょうが、当時のコンサートチケットのPR画像も彼の単独アップだった印象が強くて、バンドじゃないみたいな感覚をなんとなく覚えていました。

 

HOUND DOGは1980(昭和55)年に「嵐の金曜日」という曲でデビューし、当初は仙台を拠点に活動していました。

シングルチャートでいうと、最初の4曲はオリコン100位にも入らず、5曲目1982(昭和57)年にリリースした「浮気なパレット・キャット」オリコン最高19位、13.6万枚のヒットを飛ばし、CMソングの起用やメディアにも登場しだして人気が出てきましたが、その後のシングルが不発な中で翌1983(昭和58)年に日本武道館でのライブを成功させています。

更に翌1984(昭和59)年のアルバム「Dreamer」を最後にメンバーの半分が入れ替わる大幅なメンバーチェンジがなされ、これを境に新体制となり、その体制で出した翌1985(昭和60)年の「ff(フォルティシモ)」オリコン最高11位、21.8万枚のヒットを飛ばし、一気にブレイクしました。

初めてTOP10入りしたのは1987(昭和62)年の「SCRAP DREAM」(最高4位。6.7万枚)ですが、翌1988(昭和63)年の「AMBITIOUS」(最高5位。17.4万枚)から安定したシングルヒットを続けていきます。全体にCDがあまり売れなかったのもあり、枚数的には10万枚台が殆どでしたが、1992(平成4)年にリリースした「BRIDGE」は最高2位と自己最高で、68.1万枚の大ヒットとなり、この曲が突出して売れました。

 

記事タイトルの「Tell Me Why」の話をすると、最初聴いた時は正直「AMBITIOUS」と区別がつきませんでした。個人的にHOUND DOGの曲を聴き漁り始めたのもあって、この2曲の区別がつくまで少し時間がかかりました。テンポが全然違うんですけどね。

AMBITOUSはゆったりしたテンポで力強く歌いあげ、Tell Me Whyは16ビートがチキチキ鳴ってる感じで。両曲ともサビの最初が♪Oh~ だから紛らわしいんだと思います。なんなら、♪Oh~テ まで一緒なので(笑)

 

この曲がまさにそうですが、HOUND DOGの曲はこの頃辺りから政治的・社会的なメッセージ色が強くなってきていて、AMBITIOUSは人生賛歌的な曲風ですが、この曲は「戦争」とか「国境」とかグローバルは視点で、今ロシアのウクライナ侵攻がニュースになっていますが、まさにこんな事態にピッタリな曲といえます。

というのも、この曲のモチーフは当時中国で起こっていた天安門事件なのです。民主化を求めて集まった若者たちに中国の軍が制圧にかかり、多くの血が流されたという事件でした。

日本にいた我々は当時学生でしたが、TV越しに激しい映像が流れてきますが、それを消すと何事もない日常に戻ってしまいます。市民を守る軍が市民を武力制圧にかかった、日本にいたらただ見てるだけで何もできない…そんなもどかしさから紡ぎ出されたものと思いますが、平成になったけど、80年代という唯一の年に出た、混沌とした時代のシングル曲でした。