今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (62)微熱かナ/伊藤麻衣子(1983)

花粉が厳しくなってくる「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

petitlyrics.com

作詞:売野雅勇/作曲:来生たかお

発売:1983年2月25日(当時18歳)

売上:3.6万枚(オリコン最高75位)

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1983(昭和58)年2月に発売された伊藤麻衣子(現・いとうまい子)さんのデビュー曲です。

 

いとうまい子さんといえば、歌手というより女優の側面が強く、特に大映テレビ制作の「高校聖夫婦」(1983年)や「不良少女とよばれて」(1984年)など話題作に立て続けに出演(どちらもトップクレジットではないですが、実質的な主人公)して一躍人気者になりました。

楽曲では、意外にも?!1983年から1987(昭和62)年までに14曲ものシングルを出していて、中でも1985(昭和60)年までの3年間で12曲と、コンスタントにアイドル歌手並みの?リリースを重ねていました。

正直、あまり売れた曲はなく、やはり女優の側面が強い印象がありますが、最も売れたのが1985年発売の「見えない翼」(最高14位。11.5万枚)が唯一10万枚以上売上げ、これは主演したドラマ「婦警候補生物語」の主題歌でした。

 

この「微熱かナ」は、ズバリ「卒業ソング」です!

卒業式を控えた高校?の教室を見ながら、クラスメートの事や学校行事の事など、共に過ごした日々を回想しながら、「明日からはみんなこの教室を出て行って離れ離れになる」といった感じの事を綴っています。

そんな色んな事をスローテンポで、しっかりした口調で初々しく歌い上げる、そんな歌唱が印象的でした。女優としての彼女も舌ったらずな感じで「不良少女とよばれて」で悪の部分を演じる事には相当な努力があっただろうなと想像しますが、同時期に同年代で活動した「伊藤さやか」さんとはずいぶん対照的だった感がありました。こちらはすごくハキハキした感じで。

 

いとうまい子さんはアイドルと呼ばれる年齢を過ぎて女優一本でやっていくかのように思えましたが、実はじつにマルチな顔と才覚をもって、いまだに芸能界で活躍を続けるだけでなく、「奇跡」とよばれる若さを保っている事でも有名です。

早くからSNSなどを活用し、新しいIT製品をいち早く活用する、という見た目からは実に意外な活動をしていて、学び直しで早稲田大学に入学したり、博士課程でロボット研究をしたりなど、既に学者的な側面を持ってたりします。

 

再び曲の話に戻りますが、作詞は売野雅勇氏、この後アニメ「タッチ」の楽曲群で人気を博したり、チェッカーズの楽曲を手掛けたりすることになります。

作曲は来生たかお氏、セーラー服と機関銃でおなじみかつ自らも同じ曲で違うタイトルの「夢の途中」をリリースして一躍売れっ子となりました。姉の来生えつこ氏が作詞して、彼が作曲するパターンが多くを占めますが、今回の「微熱かナ」は姉ではない別の相手とのコンビで楽曲がなされています。

 

卒業曲ってどうしても「別れ」が先に立つので、しんみりしたものが多いですが、これもそんな楽曲のひとつで、ちょっぴりたどたどしさを感じる歌唱に、少女のあどけなさが感じられる、もっと再評価されて良い曲、と感じます。