今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (65)GRADUATION/倉田まり子(1979)

気がつけば3月も下旬を迎える「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

petitlyrics.com

作詞:山上路夫/作曲:都倉俊一

発売:1979年1月21日(当時18歳)

売上:5.3万枚(オリコン最高43位)

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1979(昭和54)年1月に発売された倉田まり子さんのデビューシングルです。

 

倉田まり子さんはこの年デビューで、アイドルとしては不作と言われた79年組で、桑江知子さん、井上望さん、能勢慶子さんら大器が多かった割に軒並みレコードセールスに結びつかなかった感がありました。こういうのは本当にタイミングですね。

同年度デビューになる石川ひとみさんと顔が似てるとよく話題になっていました。この写真では割と似てなくて、ハッキリ彼女と分かるものでしたが、時期や角度によってはそっくりなものもありました。

歌唱力には定評があり、3枚目HOW!ワンダフル(最高52位。7.4万枚)で自身最大のヒットを飛ばしましたが、10万枚越えは1曲もなく、また最高順位はあまり上がらず、以後は尻すぼみになっていき「歌のうまいアイドルは売れない」のジンクスがハマってしまった感がありました。

歌手と並行して女優活動も活発になりつつも、1984(昭和59)年まで5年間シングルを発売し続け、末期は「真夏のランナー」などアニメ「ナイン」の主題歌関係を歌い、後の岩崎良美さん「タッチ」(同じ、あだち充さん作)の先駆けの格好になりました。

 

そして1985(昭和60)年、某詐欺事件に巻き込まれる形で、芸能界引退に追い込まれることを余儀なくされ、周囲をがっかりさせました。報道が過熱する中で真相はよく分からないままでしたが、その後を経て彼女は今、社会人のキャリア形成のコンサルタントとして大活躍されていて、You Tubeなどで現在の姿を見る事ができます。

悲しい引き際だっただけに二度とメディアの前には現れないのでは…と勝手に思っていましたが、芸能界にいた事を黒歴史にするわけでもなく、違う世界に身を置き活躍するってなかなかできない事だと思います。

 

さて、またまた曲そのものの話をこんな後からする事になりますが、これは「卒業ソング」です。英語で「GRADUATION」だから、まさにそのもののタイトルですが(笑)

 

この曲が出た当時、それまでに卒業ソングってあっただろうか??とふと考えてしまいます。海援隊の大ヒット曲「贈る言葉」が出たのは、この年の11/1の事で、この曲リリースから9ヶ月以上も後の事ですし、元々これは卒業ソングではなかったといいます。

1975(昭和50)年荒井由実(現:松任谷由実)さんの「卒業写真」が元祖くらいかなと思いますが、後はこの時代のあたりの別れの曲が卒業ソングともみなされて流行った感じでしたが、純然たる卒業の曲というと先述のユーミンの曲や、アイドル曲ではこの「GRADUATION」以前には知らないですね。そういう意味でアイドル卒業ソングの元祖といっても過言ではないと思われ、5万枚は売れたといいますが、もっとこの時期に後世に歌い継がれてもいい曲だと個人的には思います。

いきなり♪ここから誰もが 巣立ってゆくの と直球で来る訳ですが、♪GRADUATION GRADUATIONの後にくる「嬉しくさびしい」とか「楽しくかなしい」というフレーズが、学校の卒業式に対する色々な人の感情を物語っています。人によりそれぞれだという事と、これらの感情を同時持ち合わせるという事と。

 

今年卒業された方々には、いろんな感情が湧き、いろんなこれからの進路に向かっていくと思いますが、この時に抱いた感情の事は時々思い出してみてほしい、なんて事を想ったりしました。