今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (79)夏八景/麻丘めぐみ(1976)

連休もそろそろ終わり、連休前半の寒さもどこへやらの「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

www.uta-net.com

↓動画はコチラ↓

www.uta-net.com

作詞:阿久悠/作曲:筒美京平

発売日:1976年6月5日(当時20歳)

売上枚数:2.1万枚(オリコン最高64位

1976(昭和51)年6月発売の麻丘めぐみさん16枚目のシングル曲です。

 

麻丘めぐみさんは1972(昭和47)年に「芽ばえ」(オリコン最高3位)でデビューし、いきなり42万枚を売上げる大ヒットを記録し、昭和30年代生まれの女性アイドルとしては初めて全国的な人気を博した存在といえるかと思います。

この「芽ばえ」は曲を聴くと、「こんな曲あったな」という感じですが、売上枚数の割に世間的認知度があるとは言い難く、やはり1973(昭和48)年の5枚目「私の彼は左きき(最高1位。49.5万枚)が断然印象深く、唯一の1位獲得曲にして最高の売上を記録したこの曲が、やはり彼女の代名詞的な曲といえます。

 

これ以外では1973年の4枚目「森を駆ける恋人たち」(最高7位。20.0万枚)や同年の6枚目「アルプスの少女」(最高8位。22.2万枚)などのヒット曲があり、デビューから7作連続オリコンTOP10入りを果たしており、またデビューから11曲連続で10万枚以上を売り上げており、個人的感想ですが、自分の思った以上に商業的な成功をおさめているなというところです。

当時としてはいわゆる「愛くるしい」顔の最たる位置にある存在かと思いますし、今から見てもキラキラ感が満載だと思います。

 

彼女の楽曲は昭和40年代までは10万枚以上を売上げてきましたが、1975(昭和50)年最初のシングルである11枚目「水色のページ」(最高14位。11.0万枚)を最後に10万枚を切るようになり、20歳を迎える昭和50年以降はアイドルとして転換期を迎える事となりました。

この「夏八景」はそんな中に発表された楽曲で、この頃になるとシングルリリースも少しペースダウンしていき、売上的にも2万枚前後、チャート最高も50位にも入らないようになっていきます。

これは楽曲云々よりも、当時の彼女のデビューからの年月もある程度経ってきた事や、時代の波と合わなくなってきた事などあり、大抵のアイドルがぶつかってきた事であり、むしろ一時代を築いてまたそれなりの期間これを維持してきた彼女の存在は偉大といえます。

また彼女の場合は、この翌年1977(昭和52)年に結婚・引退する事となり、この曲の出た頃は結婚前の芸能活動末期という状況でもありました。

その後復帰しても歌手活動は継続しており、全く違った年相応の曲で往年のファンを楽しませていて、80、90、00、20年代と2010年代を除くすべての年代に1曲以上のシングルリリースをしていて、オリコン的には惜しくも100位に少し届かない形となっています。100位台を記録した最後は1991(平成3)年「やさしくしないで」(最高191位)でした。この曲は自身も出演していた「必殺仕事人・激突!」の挿入歌に起用されていました。

ちなみにこれ以降のシングルは100位台にも入れず、最新シングルが2020(令和2)年の「フォーエバー・スマイル」という曲で、もし今後のリリースで100位以内に入れば、結婚前ラス2の1977年「銀世界」(最高77位。1.3万枚)以来となり、今達成したとしても45年ぶりという事になり、1曲100位以内に入るヒット曲が出ないかな?と思っています。CDが売れないこの時代だからこそ。

 

さて、またまた本題であるこの曲の事に触れていませんでしたが、タイトル通り夏らしい曲ながら、全体的な淡々としたメロディーと歌唱であり、一時代を築いた頃の楽曲とは完全に違っている、当時既に20代になっていた事もあってか、年相応のしっとりとしたポップス曲というところでしょうか。

 

サウンド面でいうと個人的に「いかにも1976年の音」という印象です。

1番だと、♪花火がポンとはじけた時~ の後の♪タララタラララ という音が特にその最たるもので、この音は同年の太田裕美さん「茶いろの鞄」にも見られますし、当時の必殺シリーズ必殺からくり人」のBGMにも見られ、個人的にこの手の音が確認できるのがすべて1976年のものなので、勝手に「1976年の音」と呼んでいますが、当時のトレンド的なサウンドだったのかなとも思っています。

 

歌詞的には、♪花火がポンと~ というのが「コン」と聴こえたのですが、ぽんだったのか!と、それで正解なんですが…。あとは「お酒」とてでくるとこなんか、10代で疾走感のある曲を歌っていた頃とは違って、やはり20代を迎えて大人になったことが歌詞にも表れてるな、という事を感じました。

更に歌詞でいうとラストの落ちサビ?の♪いきなり誰か肩を抱いて やさしくささやく色っぽいね って今の時代的には「ヤバいやつ」を感じさせますが、やはりそこは昭和歌謡かなと。見ず知らずの人間がいきなり「色っぽいね」とか囁いてきたらそれはもう…って感じで。この当時はハラスメントなんて言葉も聞いた事がないような頃だったであろう時代で、平成になってからですよね、その辺が変わってくるのは。

変な結びになってしまいましたが、麻丘めぐみさんは年を重ねてからも歌手活動を続けられており、時代の波にのった曲も良いですが、これ以降の曲を聴くのも良いなという事で、この記事の結びと致します。

にほんブログ村 音楽ブログ 思い出の曲へ
にほんブログ村