はや5月も半ば、時の流れの速さしか感じない「今日の1曲」。
今日はこの曲!
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作詞/作曲:甲斐よしひろ
売上枚数:63.7万枚(オリコン最高1位)
1978(昭和53)年12月に発売された、甲斐バンド11枚目のシングル曲です。
甲斐よしひろ氏を筆頭に、大森信和氏、松藤英男氏、長岡和弘氏の4人で活動していた甲斐バンドは、1974(昭和49)年に「バス通り」(最高65位。2.6万枚)でデビューしましたが、翌1975(昭和50)年リリースの2枚目「裏切りの街角」(最高7位。30.4万枚)で大ヒットを飛ばして一躍ブレイクしました。
その後しばらくは売上が伸び悩み、1~2万枚程度、ついにはこの曲の出た1978(昭和53)年のシングルは立て続けに1万枚を割り込み、オリコン100位以内にギリギリ入る状態でした。「裏切りの街角」の一発屋で終わるのか…
そんな時に出たのがこの曲でした!いきなり初の1位を獲得し、最高の売上枚数を誇り、ロックバンドとしての地位をここで確固たるものとしました。
セイコーのCMソングとして有名になりましたが、当初はもっとメジャーな歌手の起用が検討されていましたが、彼らがメジャーすぎるという事で、当時知名度が今一つであった甲斐バンドが起用された経緯があるといいます。
♪HERO ヒーローになる時 アーハー それはいまー、 というこのフレーズは今でも多くの人の心の中に残っているのではないか、と思います。
甲斐氏のこの強い歌唱が確立したのも、この頃からではないでしょうか?それまでは妙に乾いた声が印象強かったり、独特の甘い声も印象強かったり、「陰」の部分のイメージが色濃かったと思いますが、スコーンと突き抜けるロッカーらしい歌唱、というかそれがこの辺りから聴けるようになったと感じます。
それまでもロックな楽曲はありましたが、そんな曲でも「陰」の部分が強かったように感じていました。
サビのフレーズが有名な曲って、AメロBメロなんかがあまり知られてないって事も往々にしてありますが、この曲もこれに当てはまると思います。
♪生きるってことは… から先が歌える方は本当に好きな方に絞られるのでは?とも思います。
♪今が過去になる前に 明日へ走り出そう っていいフレーズですよね。
すべての「今」はもれなくすべて「過去」になる訳ですから、ここで走り出さないと、というものですね。
この曲の甲斐さんの歌唱で最も高まるのは落ちサビの♪海は枯れ果ててぇーの部分を声も枯れ果てんばかりに歌い上げるところですね。その後の♪月が砕け散ってもぉおー、と尻上がりになる部分も何とも高まります。
甲斐バンドというバンドが、甲斐よしひろという歌手が、唯一残したオリコン1位シングルとして、いつまでも記録に残っており、人々の心にも記憶として残っています。当時小2、3くらいでしたが、この曲の歌われたセイコーのCMの後、引き続いて「7時です」のアナウンスで7時の時報がなった時代の事は、おぼろげに記憶はあります。
甲斐バンドはこの曲の出たすぐ後に、長岡氏が脱退し暫くは3人で活動し、末期にARB(石橋凌氏のバンド)のギタリストだった田中一郎氏が加入する事となります。松藤氏は長らく甲斐氏の盟友として関係性を保ちますが、大森氏は残念ながら50代前半で早世してしまった為、オリジナルの甲斐バンドは再結成不可能ですが、時々再結成して話題を振りまいていました。
近年、甲斐氏が65歳の2018年秋にライブを見に行きましたが、まだまだ踊って走れて、全然衰えを感じさせないライブパフォーマンスはさすがでした。昔のイメージを損ねたり、逆に枯れた面を強調したりという事がありがちな中、パワフルなままでのステージングに逆に呆気に取られてしまったぐらいです。
来年70歳を迎えますが、まだまだパワフルなライブパフォーマンスを見せつけてもらいたいなと切に願っています。