今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (86)エスピオナージ/アリス(1981)

5月最後の週末を迎えた「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞/作曲:谷村新司

発売日:1981年6月5日(谷村新司当時32歳)

売上枚数:11.9万枚(オリコン最高15位

1981(昭和56)年6月に発売された、アリスの20枚目にして活動停止前のラストシングルです。

 

1971(昭和46)年に「走っておいで恋人よ」(オリコン最高85位。0.3万枚)でデビューして走り続けたアリスが10年の節目で遂に活動停止となりました。

谷村新司堀内孝雄という両雄並び立つこのグループは既にこの時、個人としてのヒット曲を持ち、ソロ活動の目立った状態でもありました。

アリスのヒット曲といえば「冬の稲妻」(最高8位。55.4万枚)「ジョニーの子守唄」(最高6位。49.4万枚)「チャンピオン」(最高1位。78.0万枚)など1977(昭和52)~1978(昭和53)年発売曲に集中しているように見られがちですが、これ以降も1979(昭和54)年12月発売の「秋止符」(最高4位。50.5万枚)や1980年7月発売の狂った果実(最高6位。34.5万枚)など、80年代に入っても人気を博し続けていました。

 

ラストシングルになるこの曲は、なんとか10万枚は売りましたが、ソロ活動の方が注目されてバンドとしての売行きに結びつかなかった格好と思いますが、それでも一定の売上はあげたというところでしょうか。決して落ちぶれて解散した訳ではなく、メンバーのソロ活動や方向性の違いなどの発展的解消と思えます。

 

個人的に、アリスの曲で最も好きな曲といっても過言ではなく、アリスといえば「ドラム」が入るやや変則的なフォークバンドですが、「チャンピオン」などのロックを感じさせる曲も(特に後期になるにつれ)少なからずあり、そんな中でこの「エスピオナージ」はアリスのシングルの中で「最もロック」な部分を感じる曲で、ものすごく好きですね。谷村さんの歌唱が「チャンピオン」をより前のめりにしたような感じで、めちゃくちゃ「ドス」を利かせて歌っています。

 

歌いだしの♪FADE AWAY!からして、いきなりドス全開の谷村節ですが、このフレーズで何回もすごんでくるのも印象深い曲です。基本的に♪FADE AWAYから始まる2小節と♪Espionage~ で始まる1小節が2度出てくる、この4小節を延々と繰り返す感じの構成です。

これ以外のサビ的部分として♪Everyday…とか♪Everynight…とか歌われますが、この節回しがいかにも「谷村節」で、英語とは思えない「えぶり でいぃ」って感じで、これはもう聞いていただくしかないのですが、独特なものがあります。ホントの意味の「和製ロック」じゃないか、と思ってしまうのでした。

 

ちなみに「エスピオナージ」とは、諜報、スパイ活動を意味し、スパイとして生きる男の「悲しき運命(さだめ)」を歌い連ねている形で、これはアリスというバンドのハードなツアーと重ねてるのかな?という感じで、♪この街が最後の街だろう というのがバンド活動の終焉を意味しているのだろうか…?と感じました。♪異国の土になる というのは、スパイ活動をして命を狙われ、その地で生きて帰れない という事ですが、ツアーを回ってライブして、その地で死ぬ(死んでも悔いはない)という事の表われと思いましたが、それは勘ぐりすぎでしょうか。

いずれにしても、異例なほどのライブツアーを積み重ねてきたアリスというバンド、1974(昭和49)年、まだこれというヒット曲のなかった状態でも年間303本という驚異的な本数をこなすほどのハードぶりで、いつかはどこか「終着駅」に辿り着く運命にあったように今にしてみれば思いますが、まずこの曲の出た1981年に最初に降りた訳ですね。

 

その後1987(昭和62)年に一時的に再結成され、「BURAI」を出したりしていましたが、その後また各人ソロ活動に戻り、そして今!アリスは再結成され、3人が還暦を迎えた2009(平成21)年に完全再始動となり、今年2022(令和4)年の3月には「告白/キセキフルヨル」というシングル曲を発表するなど、全員70代になった今でも精力的に活動しています。

 

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