今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (106)さらば相棒/ARB(1982)

気がつけば盆休みが間近な「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:石橋凌・田中一郎/作曲:田中一郎

発売:1982(昭和56)年11月21日(石橋凌:当時26歳)

売上:不明(オリコンチャートインせず)

1982(昭和57)年11月に発売されたARBの8枚目シングル曲です。

●映画主題歌

バンドの中心人物にしてボーカルの石橋凌氏の映画主演作「さらば相棒」に主題歌として起用されました。この映画は宇崎竜童氏の監督作品で、またロック界から内田裕也氏などが助演しながら、「ROCK is S●X」と冠したそちら系の要素も少なからずで、パッケージを子供には見せられないレベルのものでした。

 

ARBについて

ARBをここで取り上げるのが初めてなので、曲の前に少しバンドについて触れます。

ARBは1978(昭和53)年に「野良犬」でデビューし、石橋凌氏をボーカルに据え、数年ごとにギターやベースが変わっては、その時々のサウンドを出していて、また労働者目線の楽曲が多かった事もあり「社会派のロックバンド」とかそれらの曲が「ワークソング」とか言われていました。

ボーカルの石橋凌氏が象徴的な存在ですが、彼は既成のバンドに最後にオーディションでボーカルとして迎え入れられたといいます。ゴダイゴタケカワユキヒデ氏が、寺尾聡氏がミッキー吉野氏に紹介して迎え入れられたのと同じように、ARBはギターの田中一郎氏が、甲斐よしひろ氏に石橋氏を推奨されてバンドが結成されたといいます。

主に80年代のロックシーンを彩り駆け抜けて、石橋氏が松田優作氏に傾倒して1986(昭和61)年から俳優の道へ進み出し、その後優作氏の死去を受けて石橋氏が俳優に専心したい意向から1990(平成2)年に最初の解散をしました。

その後1998(平成10)年にメンバーを変えて再結成し、TVでも取り上げられましたが、2006(平成18)年に活動停止しています。

 

●シングルカット

この曲が世にリリースされたのは1981(昭和56)年の事で4thアルバム「指を鳴らせ!」の最後の曲でした。

その約1年後にシングルカットされましたが、上記の同名映画主題歌の製作も絡んていたのでしょうか。

 

●楽曲について

怒涛のロックで攻めに攻めまくったこの「指を鳴らせ!」というアルバムで唯一純然たるバラード曲でした。

ガキの頃からずっと一緒だった、東京を離れて帰郷する友に優しく別れを告げる曲で、この友は都会で夢破れたか疲弊しきったようで、全てから解放されて帰郷する、そんな惜別のバラードでした。

 

●映画とのリンク

映画のラストで石橋氏の演じるロックスターを夢見る主人公が、内田裕也氏演じる中年男に突然刺されて、倒れるところからこの曲が流れてきて、瀕死の身体で這いつくばりながら友らの待つ東京駅の前まで来て、曲の歌詞通りに「TOKYO STATION」(雨は降ってませんでしたが…)と表記された東京駅が映っていて、ちゃんとリンクしてるなと思って見ていました。

しかしARBが映画の主題歌を歌う映画では大抵、石橋氏が死ぬんだなというのはありました。松田優作氏監督作品の「ア・ホーマンス」もそうでした。

 

社会派ロックの旗頭的存在、ARBが初期に放った秀逸なバラード曲でした。

 

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