今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (148)AGAIN-アゲイン-/渡辺徹(1983)

12月に入り、今年も遂にあと1か月を切った「今日の1曲」。

今日はこの曲!

 

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↓音源はコチラ↓

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作詞:康珍化/作曲:鈴木キサブロー

発売:1983(昭和58)年9月21日 (当時22歳)

売上:8.6万枚(オリコン最高21位)

1983(昭和58)年9月発売の渡辺徹さん5枚目のシングルです。

 

まず・・・・・

 

本日、渡辺徹さんの訃報を聞きました。61歳没。まだまだ早すぎます、あまりに突然で…

 

という事で、自分のi-Podの中の曲をいつもはランダムでピックアップしてますが、今回はその中にある曲で、徹さんの曲を特に取り上げる事としました。個人的に彼の曲でいちばん好きな楽曲でもあります。

 

渡辺徹というひと

今回訃報を聞いてしまい、また彼の楽曲を取り上げるのも初につき、簡単に振り返りをという事で綴りたいと思います。

まず、1981(昭和56)年9月太陽にほえろ!「ラガー刑事」役として颯爽と登場し、山下真司さんの演じた「スニーカー刑事」の後任として一躍世に躍り出ました。

当時この番組は「ボス」を演じていた主演の石原裕次郎さんが生きるか死ぬかの大手術を乗り越えて生還した事が話題になった頃で、番組は主役不在のまま継続され、そんな中での新人刑事役としての登場でした。

後のイメージと全く異なり、痩せていて颯爽とした動きに、久々にイキのいい新人の登場と称賛され、自分はこの時小5でしたが、彼が番組中で走りまくる姿がとても印象的でした。当時の小学生はやはり、新人刑事が好きな傾向が強かったので。

それから半年ほどで歌手としてデビューし、しかも立て続けにシングルリリースした上、同番組出演俳優では異例レベルのベストテンヒットになり、俳優以外にも歌手としても取り上げられたことで、アイドル的な人気を得る事になり、この曲のリリース時はその延長上にいた頃、という事ができると思います。

 

●楽曲タイトル

AGAINって名前の楽曲は数知れないほどありますが、そういうありふれたタイトルで、徹さんのシングル曲は割とそういうスタンダードなタイトルが多いですね。

1982(昭和57)年に発売された「彼(ライバル)」(1982.4.21発売)とか。読み方は独特ですが、各言葉はきわめてシンプルです。次の大ヒットした「約束」(1982.8.25発売。最高2位。54.0万枚)や、これもヒットした「愛の中へ」(1982.12.10発売。最高6位。21.0万枚)も割に他にもありそうな楽曲タイトルですね。

次の「灼けつくメモリー(1983.5.21発売。最高27位。3.5万枚)は他にはなさそうなタイトルが初めて出たなという感じでした。

という事で、久々に前作を上回る売上となった本作はオリコン最高21位、8.6万枚のスマッシュヒットを記録しました。当時時々ラジオで流れていたのを偶々聴いて「ラジカセ」の録音ボタンを即座に押して、録音に成功したのを覚えています(昭和…)

 

●CMソング

当時彼がアイドル的に活躍していた象徴的なCMとして「グリコ・アーモンドチョコ」があり、これに出演およびCMソングにも大ヒットした「約束」から立て続けに起用されており、本作もそのCMソングでした。CMの相手役が小泉今日子さんという事で、当時のトップアイドル競演といっても過言ではないレベルでの純粋な青春の象徴的CMでした。

同CMソングとしてはこれが最後だったと記憶していますが、この翌年にはかなり太り出してきていたので、この時期ぐらいまでが「アイドル的な」という意味では限界だったかもしれません。とにかく爽やかな青春を描き切ったCMの楽曲でした。

 

●映画主題歌

この曲はCMソングであっただけでなく、映画主題歌でもありました。

渡辺徹映画第一回主演作品」として公開された映画「夜明けのランナー」の主題歌としても起用されました。

太陽にほえろ!」出演中に掛け持ちの形で制作/公開された映画で「走れメロス」の現代版ともいうべき、約束の地まで走るというものでしたが、チンピラにカツアゲされて無銭になったから、元カノと約束した地へ走って行くというだけの内容で、それでここまで膨らませたのか、という感じでした。

それはともかく、この映画の小説本を買って持っていました。中一か中二になる頃ぐらいでしたが、この曲がらみでそんな思い出もありました。

それからこの「夜明けのランナー」の公開前メイキングのような特番がテレビで放送された事がありました。当時のトップアイドル的な青春スターの映画初主演という事もあってか、日本テレビで特に取り上げたようです。

その特番の記録はネットでもなかなか探し出せず、自分の頭の中にしかもはやメモリーはありませんが、映画のメイキングみたいな内容と、はっきり覚えてるのが当時「太陽にほえろ!」で演じていたラガー刑事の「仮想殉職シーン」が流れた事です。

ビルの屋上で、より高いビルから背中を撃たれ、振り向いたらまた反対方向の犯人に背中を撃たれ殉職…というシーンがありました。結局、妄想的な殉職シーンで「僕らのラガーはまだまだ死なない」的なナレーションのもとコーナーは終わりました。

徹さんがラガーを演じたのが約4年間で、この当時はちょうど半分の2年を経過する頃でした。結局この2年後の1985(昭和60)年8月に「太陽-」を殉職降板する事となりますが、やはりビルの屋上で、より高いビルから犯人に狙撃されるというシチュエーションは同じものでした。

 

●水谷豊さんとのウラオモテ

「夜明けのランナー」の同時上映作が水谷豊さん主演の「逃がれの街」という作品で、また日本テレビの土曜21時のドラマ枠でもこの後「事件記者チャボ!」という水谷さん主演のドラマが放送されましたが、後番組は徹さんの初主演ドラマ「風の中のあいつ」(榊原郁恵さんと共演)で、その後番組は「気分は名探偵」という水谷さん主演作、その次はまた徹さんの「気になるあいつ」と、水谷さんと徹さんで交互に主演作が放送されていました。

 

●楽曲について

個人的に徹さんの曲で最も好きな曲ですが、どこか悲し気な女性が心の傷を隠しながらまた恋をして、でも「僕」と出会ったこの時から、道しるべははっきりしないけど、ここから歩き始めるんだ、的な曲です。すみませんざっくりで。

抑揚のつけ方やメロディーラインがすごくいい感じなんですよね、初めて聴いた時からどこか懐かし気な雰囲気も漂わせながら、当時中坊で意味もよく分からないながらも、でも雰囲気やニュアンスはなんか伝わったよ、という感じでした。

サビの♪AGAIN 君がいるから AGAINぼくがいるのさ というところ、どうしてもチャーリー浜氏の「君達! 君たちがいて、あ僕がいる」というギャグを思い出さずにはいられませんでしたが…。

ちなみに本記事冒頭にリンクを貼ったサイトの歌詞は所々誤りがあり他のサイトで歌詞を探しても同じ部分に誤りがあるので、下記にて訂正します。

↓1番サビ

AGAIN 君がいるから AGAIN 僕がいるから ⇒僕がいるのさ

↓ラスト

迷わなない ⇒迷わない 君がここに AGAIN

この曲の出た1983年…人生でとても幸せだった時期で、それが年々遠ざかるのが寂しいと思っていたところ、これを歌っていた本人が亡くなってしまい、寂しさが益々増すばかりです。

 

改めて、渡辺徹さんの御冥福をお祈りします。

 

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