2023年も本格的に働き始めた「今日の1曲」。
今日はこの曲!
発売:1983(昭和58)年9月1日 (当時16歳)
売上:0.7万枚(オリコン最高89位)
1983(昭和58)年9月に発売された、原真祐美さん3枚目のシングル曲です。
●不遇の83年組
この年にデビューした原真祐美さんは北海道から上京してきてアイドル歌手となりましたが、前年の「花の82年組」とは打って変わって、アイドル不作と言われた「83年組」は不遇を囲いました。
82年組は中森明菜、松本伊代、石川秀美、堀ちえみ、小泉今日子、早見優…といった錚々たるメンバーがアイドル歌手として成功をおさめたのに対して、83年組は人材としては遜色ないのですが、アイドル歌手で成功した人は皆無で、その後バラエティーや女優で成功した人が多いのが特徴です。
たとえば森尾由美さんは女優、声優、タレントでも成功し、女優となった大沢逸美さんも同期です。女優では主演も張ったいとうまい子(当時:伊藤麻衣子)さんもこの年デビューで、歌より女優人気の方が断然ありました。
歌では実力派で売った桑田靖子さんは歌唱力はダントツでしたが歌手として売れたとは言い難く、またバラエティーで大成功した代表格として松本明子さんがいます。関西でタレントとして活路を見出した小林千絵さんもアイドルを辞めてから売れるようになった感じでした。
という事で、原真祐美さんもこれらの面々と同期として活動をしていました。
当時自分は中学生でしたが、その学習雑誌にも度々彼女は登場し、TVでも度々キャンペーン的に出演して歌っていました。なので商業的に云々を度外視して、自分にとっての思い出のアイドルの一人ではあります。
●勝負曲
デビューして初めての誕生日(17歳)を9月に迎えるという、そんな中の9月1日にこの曲はリリースされました。9月に出さないとタイトル的におかしくなりますが(笑)、ちなみにBye,Bye,と「Bye」の後ろにそれぞれ「,」(コンマ)がつきます。
1983年3月に「決心」という曲でデビューし、以来2曲はオリコンで最高100位に惜しくも届かないレベルで、本作は3作目にしてようやく100位以内(最高89位)にチャートインできました。賞レースもこの曲で出たり、今動画で見ても宣伝などこの曲には力が入っていたように見えます。
次作「夕暮れはLove Song」(最高93位)までは100位以内に入りましたが、この2作だけで、その後はまた100位圏外となり、本作が順位的にも最も売れた曲となりました。ちなみに101~200位には約半年もとどまっていたという記録が残っています。アイドル曲でそんな順位で長らくとどまるのもまた不思議な話ですね。
●大人びた曲
本人の大人びた雰囲気もあるのでしょうが17歳を迎える16歳の子が歌うには、大人びた雰囲気の曲、という感がありました。
9月に大切な人をなくした失恋曲で、♪9月の風に吹かれては一人恋をなくしたの と歌っています。太田裕美さんの「九月の雨」でも♪九月の雨は冷たくて…と歌われていますが、昭和の9月は今みたいに暑くなくて、もっと夏から秋への季節の分かれ目が感じられたこともあり、「9月」というものに「秋」とか「冷たい」ものを連想させられていたと思われます。
●人気
自分の中ではかなりの人気アイドルのはずでしたが、世間的にはそれほどでもなかったようでした。しかし今見ても、顔も良いし歌もうまいし、華があるし、なんら不足な部分が感じられず、事務所も第一プロという新沼謙治さんなどの居たところで、大きな問題は感じられませんでした。
ただ一つ大きな要因は、デビューしたのが83年というのが最大に痛かったのかもしれません。もう1年デビューが早ければ、先述の人気アイドル達と波に乗っていたかもしれず、歌で成功しなかったのはこの年によるところが実は大きいと思います。
あとは、ものすごいインパクトがあった訳でなく、おっとりとした雰囲気で、前のめり感がなかったことかもしれません。これは本人がグイグイ行くかでかなり違ってくるので、向き不向きもあり難しいところです。
現在は消息不明のようで、松本明子さんが2018(平成30)年に同期デビュー組を招集してイベントを開催しましたが、その時にはかなり懐かしい面々もいたものの、彼女の存在はなかったといいます。不作で注目度の低かった83年デビュー組でしたが、これを逆手に取って、懐かしい面々で集合するなんて、素晴らしい企画を考えたものだと感心しましたが、そこに彼女もぜひいてほしかったものでした。
現在56歳になっているかと思いますが、くれぐれもお元気でどこかで過ごしていてほしいなと改めて思いました。
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