今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

(341) バス通り/甲斐バンド(1974)

もう2024年も半分が過ぎようとしている「今日の1曲」

 

今日はこの曲!

 

いつものサイトに歌詞表示がなかったので、今回は下のリンクにて歌詞をご参照下さい。

www.kkbox.com

 

作詞/作曲:甲斐よしひろ

発売:1974(昭和49)年11月4日 (甲斐よしひろ:当時21歳)

売上:2.6万枚(オリコン最高65位) 

1974(昭和49)年11月に発売された、甲斐バンドのデビューシングルです。

 

甲斐バンドデビュー作

1974(昭和49)年11月、甲斐バンドが世に送り出した最初の楽曲がこのシングル曲です。

オリコン最高は65位で、2.6万枚の売上でした。

次の2作目「裏切りの街角」がヒットし、甲斐バンドの名前が一躍世間に知れ渡る事となります。

lefthand926.hatenablog.com

 

●個人的な出会い

自分が甲斐バンドの楽曲に興味を持ち、当時CDレンタルで片っ端から借りまくっていた1992(平成4)年に初めて聴きました。

甘酸っぱい爽やかな初恋の曲、という表現がピッタリで

♪学生だった僕に うまく愛は 語れなかった

という切ないフレーズがなんとも印象的でした。

 

●歌詞

一番の歌詞は爽やかそのものです。

♪カバンを下げて 目の前に現れ おじぎを微笑んだ時に 白い歯が眩しかったのを覚えてる

から始まる、まさに爽やかそのものです。

音楽もマンドリン?のような音をベースにしたシンプルなもので、爽やかさを一層引き立てているように思います。

しかし二番は雲行きが怪しくなり、そしてその淡い思いが過去のものとなります。

♪花のような君の 優しさに包まれ

とここまでは、爽やかさを感じていました。

しかし、

♪歩いている僕が 怖くなって

ここから暗転が示唆されます

♪背中を向けた時に 君は髪を切ってしまった

これですね、彼女が心変わりをしてしまった、という訳ですね。

認識があっていればですが、自分にも覚えがあって、相手の優しさに安心すると共に、相手のその優しさや思いが少し怖くにも思えてきて、一周目を背けたり、向き合わなかったりしてるうちに、いつの間にか彼女がこっちを向いていなくなっていた、という感覚…この部分はそれじゃないか?と聴いてて思いました。

 

それからはもう暗転です。

♪風が君の日記帳の ページをめくる 誓った言葉は どこにもない

それまでの恋心は、すっかり過ぎ去ってしまった事がハッキリ分かり、

そしてラストサビは

♪学生だった僕に うまく愛は 語れなかった

が繰り返されて、シメは

♪長い坂道 ひとりじゃ遠すぎる バス通り

と結ばれます。

 

上手く愛を語れなかった学生時代、ちょっと背中を見せていた間に状況が一変して、甘酸っぱい恋は過去のものとなってしまった、初恋は実らず…の楽曲ですね。

 

●収録アルバム

翌月にリリースされた1stアルバム「らいむらいと」に収録されていて、その先行シングルという形で発売されていました。

「らいむらいと」の作品群は、フォーク、ロック調の楽曲が占め、淡い恋心や恋愛への希望的な想いが前面に出たものが多く、本作同様甘く爽やかな印象が強くありました。

次のシングル「裏切りの街角」やアルバム「英雄と悪漢」では作風がガラリと変わり、詞にドロドロとしたものが前面に出て、前作の甘く爽やかな作風から一変しました。

以後、このような路線が甲斐バンドのコンセプト的なものになっていくのですが、初作「らいむらいと」の作品群は、スタイルを確立するまでの異端的なもの、と結果的になっていきました。

本作は当時のフォーク調の延長上といえるサウンドで、シングル的にはフォーク的なバンドとして売り込まれた感があったかもしれませんが、アルバムには昭和40年代とは思えないようなエレキ全開サウンドの楽曲があったり、ロックバンドの萌芽は当時からありました。

 

 

 

↓過去掲載曲はコチラ

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※最新作。2025年6月に甲斐バンドとしてのオリジナルニューアルバムがリリースされました。甲斐さん72歳の今も現役で最前線を突っ走っています。