9月も中旬に入るというのに、猛暑が続く「今日の1曲」。
今日はこの曲!
↓音源はコチラ↓
作詞:たちひろし/作曲:五大洋光
発売:1975(昭和50)年9月21日 (舘ひろし:当時25歳)
売上:0.5万枚(オリコン最高92位)
1975(昭和50)年9月に発売された、クールスのデビューシングルです。
●「舘ひろし」を世に放った作品
クールスとは、舘ひろし氏をリーダーとして結成されたバイクチームが原型で、岩城滉一氏がサブリーダー的な立場でしたが、そこからバンド形態のメンバーを選んで(岩城氏が抜けて)レコードデビューしたのがこの作品です。
上写真のジャケットで、真ん中で帽子とサングラスが舘氏その人ですが、このシングルおよび同日発売のアルバム「黒のロックンロール」でデビューを果たし、まさに舘氏が「世に出た」作品です。
ちなみにジャケットでは「紫のハイウェー」となっていますが、世間的には?「紫のハイウェイ」だそうで、記事タイトルもこれに合わせました。
●作家陣
舘氏が歌い手(バンドのリーダーにしてボーカル)としてデビューしたと同時に、作詞家としても「たちひろし」名義でデビューした作品でもあります。
彼らはあくまでもバイクチームが原型であり、その中でも楽器の経験のあるメンバーが選ばれたといいますが、音楽をやってきた人間たちではなく、その割には自作の詞曲が初期からあり、作曲は外部に委ねる事が多かったものの、この作品でもいきなり舘氏が作詞していたり、単なる歌い手だけに終わらないバンドでもありました。
この曲の詞はかなりシンプルというか、同じフレーズを何回も繰り返しているところもありますが、同じ詞でも歌い方を変えていたりバリエーションを持たせています。
そして作曲は「五大洋光」なる人物…
クールスと永ちゃんの属していたバンド「キャロル」とは、いわば「友達」関係であり、この年4月に行なわれたキャロルの解散コンサートでは、クールスが親衛隊を務めており、舘氏や岩城氏の姿がそのコンサートのビデオで観る事ができます。
そんな縁もあり、クールスがデビューする!となった時に、矢沢氏が手を貸したという事だと思います。ちなみに同じ元キャロルのジョニー大倉氏が提供した楽曲も存在します。
●サウンド
そのキャロルとクールスはバンドとしての活動時期に被りはありませんが、キャロルがブリティッシュビートなのに対してクールスはアメリカンビートと単純には区別されます。
キャロルよりはストレートでカラッとした、分かり易い「ロックンロール」サウンドだったと思います。もっともクールスは形態を変えながら現在も続く、日本屈指の老舗ロックバンドにつき、「だった」という表現は違うのかもしれませんが…。
ロックのビートにのせて、ところどころにコーラスが入るところが当時を感じさせますが、間奏の出だしは歌い出しとおんなじメロディーで、そこを
♪タータータターター
と演奏しているところと、
♪ターターターラッター
とちょっと「タメ」をつくって演奏しているところとあって、歌い方だけでなくサウンドにもバリエーションをもたせています。
キャロルとはまた違うロックですが、時代が少し進んで1970年代半ばという事で、サウンド的な進化というか、そういう要素も入っているのかな?と感じられました。ロックというものがまだまだ世間的な浸透はしていなかったものの、音楽の市場に入り込んできた、そんな感じもしました。
オリコンでは最高92位で売上は5,000枚程度ですが、クールスのシングルでオリコン100位以内にチャートインした唯一の曲であり、その後何十年も歴史を重ねていきますが、デビューにしてシングルでは最大ヒットとなりました。
●歌唱
とにかく、舘ひろし氏の「しゃくり」歌唱が炸裂しまくっている楽曲です。
出だしからして、
♪よあけーまへのーほー (夜明け前の~)
で始まり、しゃくりまくっています。
♪おーま べべっへ (Oh my baby)
♪あーらびゅふっ (I love you)
といった具合です。
間奏明けラストの
♪どこまで続くー
の部分は転調しているのも楽曲にバリエーションをもたせている事を感じますが、同じ歌詞の繰り返し多用があるので、演奏や唱法に変化をもたせないと単調な曲になってしまうので、これを回避するために色々と変化をもたせたのでしょうか。
ちなみにB面「あの娘はステディー・ガール」はエレキのサウンドをバリバリに効かせた陽気のアメリカンロックサウンドのナンバーです。
↓カラオケで歌ってみた動画をあげてみました
舘氏が「西部警察」シリーズに出演時に自作曲を全国縦断ロケのイベントで披露していましたが、クールスは彼にとっては「脱退」したグループだったので、権利等々でその時代の曲は披露できなかったのかな?と思うと少々残念に感じました。(披露していたのは、ソロ活動開始後の曲でした)
とにかく、今からもう50年近くも前にこんな先進的でノリのいいサウンドの楽曲を世に出したこと自体、もっと評価されてよい楽曲ではないかと思っています。
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