2025年もあっという間に3ヶ月が過ぎようとして、春どころか暑いくらいの「今日の1曲」。
今日はこの曲!
↓音源はコチラ↓
作詞:阿木燿子/作曲:網倉一也
発売:1981(昭和56)年2月5日 (当時25歳)
売上:15.9万枚(オリコン最高13位) ※1981年度年間94位

1981(昭和56)年に発売された、郷ひろみさん37枚目のシングル曲です。
●初めて知った新曲
個人的な思い出から入りますが、自分が「ザ・ベストテン」で郷ひろみさんの曲として初めて見た曲です。つまり、見始めた頃の最新曲だった訳です。
それまでも勿論郷さんの事は知っていましたし、新曲を歌っている姿は見た事はありましたが、「ハリウッド・スキャンダル」とか「タブー(禁じられた愛)」とか、そんな曲を歌っていたのは見たものの、タイトルと楽曲がつながるようなちゃんとした記憶には残りませんでした。
この曲は、曲名は勿論、じっくり見てメロディーも覚えて記憶に残ったので、そういう意味でしっかり「郷ひろみの新曲」として認知できたものでした。ちなみにこの次のシングルがあの「お嫁サンバ」で、この時期(20代中盤)の彼の代表的な曲となります。
↓次作シングル「お嫁サンバ」
●作家陣
作詞は阿木燿子さん、作曲は網倉一也さんです。
阿木さんは言わずと知れた、当時ダウン・タウン・ブギウギバンドのリーダーだった宇崎竜童さんの奥様で、70年代中盤から夫婦共作で作詞作曲をして世に多数のヒットを送り出しており、80年代に入っても作詞を行なっていました。
夫の竜童さんはバンドが解散した年であり、当時含め最後の2年間('80~'81)年は「ダウン・タウン・ファイティング・ブギウギバンド」と称して、過去曲は一切封印のスタイルで活動をしていました。
作曲の網倉さんは田原俊彦さんの楽曲で馴染み深い方で、1人あたりにそれほど多数の楽曲提供はしていないようですが、アイドル歌手か演歌歌手への提供という極端な感じで、郷さんの1979(昭和54)年のヒット曲「マイ・レディー」(1979.9.21発売。最高8位。)の作詞作曲「唐沢晴之介」は郷さんが当時ドラマで演じた役名でありつつ、実際に作ったのはこの網倉さんでした。
●売上
オリコン最高は13位にとどまりましたが15.9万枚で、1981年の年間売上94位にランクインしています。
当時の郷さんの楽曲はオリコンTOP10に入ったり入らなかったりという感じで、25歳になっておりアイドルという年齢でもなくなり、大人路線へのシフトチェンジで新御三家の三人ともチャート的売上的に苦しくなってきつつある頃でした。
そんな中でも、郷さんは後々にわたるまで、TOP10入りするヒット曲を生み出していた方で、野口五郎さんは既にベストテンなどの出演が叶わなくなってきていました。
本作は「ザ・ベストテン」にはランクインしていましたが、これはレコード売上だけではなく、有線放送や番組へのはがきによるものなどが総合的に加味されたものだったので、彼らのようなTV出演に積極的だった歌手はオリコンの順位よりも比較的高めとなり、オリコンTOP10に入らなくても、番組出演がてきたケースはザラにありました。
ただし郷さんの場合は、翌年以降「TVのランキング番組には出ない」宣言をして出演がなくなっていきました。
●三原綱木さんとのコラボプレイ
本作で印象的だったのは、サビの部分を2人で歌っていたところです。
「ザ・ベストテン」で11位以下へ転落後に、曲のシーンが数秒だけダイジェスト的に流れていた時にも、この2人で歌っていたシーンが使われていました。
誰と歌っていたのか??時々本作の事を思い出しては解消していなかった疑問でしたが、今回この記事を書くにあたり調べてみると「三原綱木」さんでした。
元ブルーコメッツのメンバーにして、その後はデュオで歌手をするなどを経て、1976(昭和51)年から郷さんのバックバンドのリーダーを務めており、「三原綱木とザ・ニューブリード」として歌番組でも活躍されていましたが、本作ではサウンドプロデューサーの立場でもあり、サビの部分で郷さんと一緒に歌ってもいて、彼の存在が大変印象的でした。
●サウンド・歌唱
前奏の始まりから「小気味よい」という言葉がピッタリのサウンドで、軽快なリズムの中で郷さんの淡々とした歌唱が始まります。
曲中にタイトルである「未完成」なるフレーズは出てこず、
♪unfinished true my love
と歌うところで「本当の自分の愛が未完成である」事を英語によって表現しています。
♪あ・ま・い 甘い話さー
♪よ・る・に 転がってるよー
などサビのフレーズで、3文字の言葉をそれぞれ切る形で4回続けていますが、こうする事で曲にメリハリとインパクトをもたせています。逆にここの部分以外は結構淡々と歌われています。
全体的に少し抑えめの、大人の路線という感じの楽曲ですが、次の「お嫁サンバ」がヒットしたところをみると、彼にはエンターテイメント性のある楽曲が似合う事を感じますし、そういうものが求められていたんだな、とも感じました。
●B面
として「聖少女」なる表記がありますが、この翌年に西城秀樹さんがシングルとしてリリースする「聖・少女」とは全く別の曲です。
↓過去掲載曲はコチラ
![未完成 [7" Analog EP Record] 未完成 [7" Analog EP Record]](https://m.media-amazon.com/images/I/518DaSJ9RkL._SL500_.jpg)

