今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

(326) 夜霧の出来事/麻丘めぐみ(1976)

3月も下旬に入り、急速に温暖化してきて身体のついていかない「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:吉田健美/作曲:響わたる

発売:1976(昭和51)年9月5日 (当時20歳)

売上:0.2万枚(オリコン最高83位) 

1976(昭和51)年9月に発売された、麻丘めぐみさん17枚目のシングル曲です。

 

●17枚目シングル

麻丘めぐみさんといえば、アイドル黎明期の1972(昭和47)年に「芽ばえ」(1972.6.5発売。最高3位。41.9万枚)で鮮烈なデビューを果たし、その年のレコード大賞最優秀新人賞を受賞するという順風満帆すぎる滑り出しを見せました。

翌年には5枚目シングル「私の彼は左きき(1973.7.5発売。最高1位。49.5万枚)で自身唯一のオリコン1位に輝き、その愛くるしすぎるルックスでトップアイドルとして君臨していました。

個人的には、これ以上の美人はいないと思っているぐらいのアイドルです。アイドルの歴史に50年以上あるとして、彼女を越える美人はいないと今も思っています。顔が美しいだけでなく、本人の周りから出るオーラもものすごく感じます。

 

しかしそんな彼女をもってしても、時代の流れには逆らう事ができず、当時は20歳を過ぎればアイドルでなくなるかのごとく人気の凋落が進み、20歳をすぎても人気を維持できる人はごく少数に過ぎませんでした。

 

19歳になる1974(昭和49)年以降、徐々に最高順位や売上枚数が落ちるようになり、20歳を過ぎて21歳になる目前に出た本作はオリコン最高83位、0.2万枚の売上という寂しい結果となりました。

楽曲がなかなかファンキーでいい感じになっていて、彼女の歌唱力もいい感じに上がっていってるのに、時代と合わなくなるというのは残酷なもので、反比例するように売上は落ちていき、本作は結婚(一時)引退前のラス3の曲となりますが、(結婚前の)ラストシングル「ねぇ」(1977.10.5発売。最高114位)は遂に100位に入る事もできなかった唯一の曲となりました。

 

●作家陣

作詞は吉田健(=よしだ・たてみ)という方で、作品はそれほど多くなく、アイドルから演歌歌手まで1人につき1曲ずつという感じで、10作くらい、それほど有名な曲はないのですが、アニメドラゴンボール初期のEDロマンティックあげるよは有名です。

作曲は「響わたる」という方になっていますが、これは「吾亦紅(われもこう)」で一躍有名になった杉本真さんの変名で、元々作曲家としては多くの作品を世に送り出しています。

 

●曲について

「夜霧の出来事」というタイトルからして、少し前までのさわやかアイドル路線から明らかに脱却していて、20代の女性に歌わせる曲としてつくられた事を感じます。

♪街の灯が 遠慮がちに灯り出し 夕暮れが音もなく 近づけば…

と出だしから「夜」や暗さがパッと浮かぶフレーズが前面に出ています。

サビの最後には

♪今夜はこのままずっと 帰りたくない私

という結びで、かつてアイドル一直線の曲を歌っていた彼女も昭和50年を過ぎるとこういう憂い含みの詞やメロディーに包まれた楽曲が目立ってきます。

 

後期の彼女の曲には珍しく、音が結構賑やかな曲でもあります。

いきなりファンキーなコーラスで

♪パンパンパンパン パヤパハパー

と畳みかけてきて(最初のがパンパンパンパン…なのか?少々ぼやけてて不明ですが…)、なかなか派手な感じの曲!というのが個人的第一印象でした。

Bメロにあたるのか、

♪港の見える部屋で~

からの歌唱は、いい感じで抑揚がついていて、やはり年齢を重ねただけ情感がこもっている事も多分に感じられ、歌唱もサウンドもメロディーもいいのに売れなかったの勿体ないなと、ただただ感じました。

あとは、間奏のメロディーがカッコいいです。

サックスの音が全面に響きわたり、疾走感がありつつも哀愁も漂う、そんな感じのメロディーですが、舘ひろしさんの70年代末期の楽曲にこういう感じの間奏の曲がちょいちょいあるな…というのが個人的感想でした。

もはやアイドルの曲ではない、こんな曲が麻丘めぐみさんに似合うようになったんだ、と当時思った方はいなかったのだろうか??と思ってしまいます。(いたけど、絶対的に少なかったんだろうな、と感じます)

アイドルとして求められた人は、そうでなくなってしまうと時代の流れと合わなくなってしまうのか…?ましてや、今みたいに多様性の認められる時代ではなかった訳で、固定観念の強い時代だったので、時代の流れに合わないものが淘汰されていったんだろうな、と感じられずにはいられませんでした。

とにかく、もっと評価されて良い曲だと強く感じます。

 

↓過去掲載曲はコチラ

lefthand926.hatenablog.com

 

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