今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (24)私のいちばん美しい時を/片平なぎさ(1977)

まだまだ冬の盛りで寒い日にお届けする「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:藤 公之介/作曲:佐瀬寿一 

発売:1977年7月20日

売上:1.0万枚(オリコン最高82位)

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1977(昭和52)年7月に発売された片平なぎささん11枚目のシングル曲です。

前回記事の「季節風」の1日前に発売されていますが、この当時18歳で、貫禄ありすぎでしょ、ってくらい仕上がってます。

 

片平なぎささんといえば「2時間ドラマの女王」と称号がつくほどの、押しも押されぬ大女優さんな訳ですが、元々はアイドル歌手でそこから女優へ転向して現在に至っていますが、彼女がアイドル歌手であったことを知る人はあまり多くないように思います。女優のイメージが強い事と、歌手としてこれというヒット曲がなかった事とで。

 

この年代の女優さんは、元々女優だった人と、アイドル歌手と並行しながら(あるいは転向して)女優になった人に大別され、前者は古手川祐子さん、原田美枝子さん、かたせ梨乃さん等、後者は片平さんや岡田奈々さん、岸本加世子さん、石野真子さんなどもこの類にあたります。

 

片平さんのレコードデビューは1975(昭和50)年1月の「純愛」で、今回の「私のいちばん美しい時を」は2年半後、11枚目のシングルな訳ですが、ラストシングルが1979(昭和54)年のリリースで4年も歌手活動をしていたのか?と逆に驚きでした。

 

これといったヒット曲がなかった、と書きましたがデビュー曲「純愛」はオリコン最高33位で7.7万枚と最も売れた曲で、そこそこ売れた曲ではありました。しかしレコードセールス的にはここがピークで、その後は下り坂を緩やかに落ちていくようで、今記事のシングル曲は82位で1.0万枚を売るのがやっとの状況で、その2曲後以降はオリコンチャートインする事なく、歌手活動を終えています。

 

本人は歌手活動にかなり苦手意識があったようで、下手だと思われていると思い込んでいた、とWikiの記事にありました。そんなような話は聞いた事はありますが、でもこの「私のいちばん美しい時を」を初めて聴いた時は、すごく情緒が感じられて、惹きこまれるような感覚を覚えました。誰が歌っていたんだろう?と思ってたら「片平なぎさ」とあり、個人的に彼女の歌声を初めて聴き、楽曲を初めて知ったのですが、全然下手じゃないし、普通に歌手の曲だと思って聞いていました。「琴線に触れる」という表現が自分の中ではシックリきます。

 

この曲をどこで聴いたかというとドラマの再放送でした。TBS系の連続ドラマ「白い波紋」という作品で、そのエンディングの主題歌として流れていました。

ドラマのクレジット上は司葉子さんが主演で、「特捜最前線」に出始めた頃の二谷英明さんなどの重鎮が占める中、片平さんは物語のカギを握る実質的なヒロインの高校生役を演じていました。相手役に田中健さん、もう一組のカップルに「Gメン'75」を降板する頃の岡本富士太さんと、「江戸を斬る」のおゆきのイメージがつき始めた頃の松坂慶子さんが出ていました。

 

曲自体は、郷愁をそそるイントロに淡々とした歌い口、そこから笑い転げたり涙ぐんだり、と忙しい感情の歌詞が紡ぎ出されるのが妙な感じでした。

サビに♪私のいちばん美しい時~を こののままあなたにゆだね~~ます とあり、何かが彼女(片平なぎささんのイメージ)に美しい姿、魂を捧げていると解釈しましたが、それは何かの精なのか生命体なのか?目に見える単体では活動できない何かが乗り移って、片平なぎささんの姿と心になり、その生を通して何かを伝えている、表現している…この曲を聴きながら思う事はいつもそういう事です。文章で表現しにくいんですが、とにかく冒頭リンクの2つ目「音源」のところで聴いて味わってみて下さい、という事です。彼女はこの曲に歌手としてというより、女優として魂を吹き込んで歌っていたのかもしれません。

 

ちょっとレアな曲ですが、個人的にはかかると聴き入る、大好きな曲のひとつです。