今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (176)漂泊者(アウトロー)/甲斐バンド(1980)

桜ももうじき終わろうとしている「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

www.uta-net.com

↓音源はコチラ↓

www.uta-net.com

 

作詞/作曲:甲斐よしひろ

発売:1980(昭和55)年7月20日 (甲斐よしひろ:当時27歳)

売上:14.1万枚(オリコン最高14位)

1980(昭和55)年7月に発売された甲斐バンド15枚目のシングル曲です。

 

●ヒット曲の時代

1975(昭和50)年発売「裏切りの街角」のヒットで世に出た甲斐バンド、その後不発が続く中、1978(昭和53)年暮れに出た「HERO-ヒーローなる時、それは今」が大ヒットで押しも押されぬ人気バンドに躍り出て、その後「感触(タッチ)」「安奈」「ビューティフル・エネルギー」などのヒットを連発し、この曲はその余波なのか?オリコン最高14位で14.1万枚を売上げたヒット曲となりました。まだこの当時の甲斐バンドはメディアにも表立って取り上げられ、世間的な人気も高かった頃でした。本人たちはTVのランキング番組に出演する事もなかったようですが。

しかし甲斐バンドがシングルで10万枚以上のセールスを記録したのはこの曲が最後で、以後は1983(昭和58)年発売の「シーズン」の9.3万枚が最高で、殆どの曲が世間的なヒットとは無縁の状況となってしまいます。アルバムなど作品としては充実していくのですが、これとシングル売上と反比例するような感がありました。

 

●主題歌

当時放送されていた「土曜ナナハン学園危機一髪」というドラマ枠の主題歌に起用されていました。

タイトル通り土曜日の午後7時半からの90分枠で、連続ではない回ごとに話が異なる単発ドラマを1980年4月から2クールやっていました。正直記憶にありませんが、このドラマ枠の初回タイトルがガラスの動物園というもので、これは1976(昭和51)年に放送された甲斐バンドの3rdアルバムのタイトルそのものでした。

この主題歌起用といい、メインのスタッフが甲斐バンドのファンだったのだろうか?と思ってしまいます。

 

●終始パワフルな歌唱

甲斐バンドのシングル曲では、パワフルな中に「陰」の部分もあって、そこのコントラストの素晴らしさがある、と個人的に感じていますが、大ヒットした「HERO-」なんかはそうですね。サビで始まりますが、その後のAメロは世間的に知られないレベルで?淡々とした歌いっぷりで、でもそこからサビへ盛り上がっていって、また♪ヒーローで最高潮になる訳ですね。後の「感触(タッチ)」も同様の作風と感じました。

これに対して、この曲は出だしの♪世界中からのところから歌唱に力が入っていて、これがサビ始まりではなくAメロ的なところで、すごくそこにメッセージ性がありますが、最初からギアがトップに上がってる感じですね。

歌詞に何回も出てくる、この曲の核ともいえるメッセージとして♪ひとりぼっちじゃ ひとりぼっちじゃ やりきれないさ~がありますが、どうしてもこの部分で聴き手を惹きつけにいってる、という感じがしましたね。

歌詞に「ディスコ」ってあるのに時代を感じさせられるのと、♪SOSを~のところが、初めて聴いた時は「SOSO」と聴こえて、綱引きみたいな感じ?と勘違いしていました(笑) 甲斐氏の「をー」という歌唱は独特なんですよね。

 

サウンド

出だしがエレキソロで始まる、それまでの甲斐バンドのシングル曲ではなかった、出だしからロックと分かるものでした。

そして音が全般的に大きく、ビビッドで、陰の部分を感じさせないような、作風です。とにかく最初っから歌もサウンドも「攻め」という、そんな感じがしました。

Aメロで力強く歌い上げる小節の区切りごとに♪タッとか♪タタラッとかいかにも区切る感じのサウンドがすごく印象的でもあり高まりましたが、良い効果を出してると思います。

また主題といえる先述の♪ひとりぼっちじゃ~の部分が歌い終わると、♪ダァァァーッって感じのサウンドインパクト絶大で、これがあるのとないのとでは楽曲インパクトがまるで違っただろうな、と感じさせられました。とにかく随所にビビッドサウンドが散りばめられてるんですよね。

個人的に最も好きなのが、落ちサビ前の間奏で、♪タララララーンって感じのエレキの激しいうねりが「ツボ」です。これに先ほどの♪タッとか♪タタラッとかが絡みつくわけで、超絶ボルテージが上がります。この音を聴きたいために、この曲を再生する事があるくらいです(笑) 1980年感がすごく感じられて、この時代にしか出せない音、って気がするんですよね。

 

●収録曲

この曲は当初、シングル発売予定がなかったそうです。

1980年4月から主題歌としてTVでは流れていましたが、その時に番組プレゼント用シングルという形態では製作されたそうですが、反響が大きかった為、急遽シングルとして製作されたとあり、7月になってシングル発売されています。

アルバムでは地下室のメロディーという10月に発売されたアルバムの先行シングルとなる形で発売され、アルバムの1曲目に収録されています。

アルバムジャケットもこのシングルジャケットのようなモノクロで、カットは全然違いますが甲斐氏のアップが写ったものでした。

 

というわけで、甲斐バンドの出だしからロックなメッセージ色の強い曲でした。

 

にほんブログ村 音楽ブログ 思い出の曲へ
にほんブログ村