今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (52)帰らざる日々/アリス(1976)

3月3日のひなまつりの日の「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞/作曲:谷村新司

発売:1976年4月5日

売上:31.9万枚(オリコン最高15位)

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1976(昭和51)年4月に発売されたアリスの8枚目のシングル曲です。

 

アリスは、谷村新司さん(チンペイ)、堀内孝雄さん(べーやん)という超大御所の2枚看板と、ドラムのキンちゃんこと矢沢透さんの3人という異色のバンドで、1970年代後半を中心に一時代を築いたいわゆるニューミュージックの旗手的な存在でした。ちなみに谷村さんがアリス結成前に組んでいたバンドは「ロック・キャンディーズ」といい、本家のキャンディーズより以前で「先を行っていた」訳ですね。

 

デビューは1972(昭和47)年に「走っておいで恋人よ」といういかにもフォークなタイトルの曲でデビューし、オリコン最高85位、0.3万枚というデビューでした。

その後の2曲は100位にも入れず、4枚目「青春時代」(あの有名な曲と全然違う曲です)が最高46位、7.1万枚とそれなりに売れ、そこから暫くは5万枚前後売れる感じでした。1975(昭和50)年7枚目「今はもうだれも」が初のヒットで、最高11位、28.8万枚を売上げ、これはカバー曲でしたがようやく一流の世界へ昇りつめた感じでした。

 

今回の「帰らざる日々」は、その「今はもうだれも」の次のシングル曲で、最高位こそわずかに下回ったものの、初の30万枚越えを記録した初期ヒット作のひとつです。その後また低迷しますが、翌1977(昭和52)年「冬の稲妻」からは本格ブレイクして「アリスの時代」がやってきます。低音すぎる♪ヨーロンリーサンダー(アーー!)が印象的でしたね(笑)

 

個人的にブレイク前夜的な作品を取り上げるのが好きで、これもそんな曲のひとつですが、レコードジャケットの谷村さんが長髪にヒゲがなくて不思議な感じですね。堀内さんは髪が長い分ヒゲ面がイカツイ感ありでした。

 

さてこの曲は、転調というかしょっちゆうテンポが変わるジェットコースター曲で、最初は静かに入って、魂のささやきを絞り出すような感じで、それまでの曲のようなフォーク調でそのまま続くのかな、と思ったらピアノのタンタンタン、という音と共にテンポがアップし、♪Bye,Bye,Bye…と始まります。Bye,Bye,Bye 私の○○…を何度も繰り返す曲でした。ピアノの、タンターンタラッ、タッタッタッって何度かつなぎで出来るのですが、ここ個人的に好きです。

 

アリスの楽曲は後半になるにつれ、アクの強い、特に谷村さんの「濃さ」が強調されたようなハード路線になっていくように思いますが、この曲はまだメロディーこそフォークっぽさの残るソフトな感じですが、詩をじっと見てると「死んでいく」ような曲で怖いですね。♪Bye,Bye,Bye 私の命 ですからねぇ。他にも「私はひとりで死んでゆく」とか「夕暮れが近づいてくる 私の人生の」とか、絶望しかない曲か?って感じですが、こういうものがウケた時代でもあったのでしょう。

そして最後になるにつれ、テンポが段々とアップして、え?こんな早口な曲になるの??という感じでした。最後なんて♪オーーー などと盛り上がっていますし。そういった曲構成の工夫もよかったのかも、ただ単に切々と歌い上げるだけの曲にならずに。

 

またジャケットの話に戻りますが、今では全員が70歳を越えましたが、この当時は全員が20代、やっぱり若いですね…。髪は長いし、身体は細いしで。

アリスは1981(昭和56)年に解散しましたが、何度か再結成しながら、現在はこの3月に50年目のアリスとしてシングルを出すなど、今でもまだその衰えぬ情熱で活動を継続しています。谷村さんもそうですが、堀内さんは特にソロでニューアドタルト路線と呼ばれるジャンルを確立して主にドラマの主題歌で多数のヒットを飛ばし、「サンキュー」もすっかり定着したもので、これらビッグネームが集結したバンドってやはりすごいなと思います。