夏休みシーズンへ突入、そんな中コロナ感染者が過去最高、の「今日の1曲」。
今日はこの曲!
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作詞:松尾清憲/作曲:松藤英男
発売:1986(昭和61)年3月1日(甲斐よしひろ当時32歳)
売上:1.6万枚(オリコン最高47位)
1986(昭和61)年3月に発売された甲斐バンド32枚目のシングル曲です。
●実質的なラストシングル
甲斐バンドの最初の解散(1986年)以前のラストシングルはこの曲の次の「メガロポリス・ノクターン」ですが、この曲は12インチでアルバム扱(後に解散直後にシングルレコードとしてリリース)であり、実質的なラストシングルといってもよい曲です。
●松藤プロジェクトの兄弟曲
先の「メガロポリス…」とは、同じ手法で作られ、元々のオリジナル曲でボーカルをとっているのは、この曲の作曲者でもあるドラムの松藤英男氏です。
初回解散前のラストアルバム「リピート&フェイド」(1986年3月5日発売)のわずか4日前に先行シングルカットされた曲ですが、ここでは甲斐よしひろ氏が歌っています。
「メガロポリス…」も同様で、アルバムは松藤氏、シングルは甲斐氏が歌っています。
なぜオリジナルを松藤氏が歌っているかというと、ラストアルバムは4人のメンバーがそれぞれ個々のプロジェクトを組んで4曲ずつピックアップして、ギターの大森氏のインストゥルメンタルを除き、基本自らがボーカルを取るという計16曲の壮大なものとななり、ラストシングル2曲はいずれも松藤氏のプロジェクトで作られたものであるからです。
アルバムでは松藤氏が歌っている訳ですが、それをシングル版では甲斐氏のボーカルでリリースしたという事ですね。2曲とも同様の形でリリースされた、というのが甲斐バンドの最後のシングルでした。
またこの曲は珍しく、作詞がバンドメンバー外の人物というのも、個々のプロジェクトで作られた、という背景によるものです。
●オリコン
最高47位で売上枚数は1.6万枚という記録でした。
アルバムはまあまあ売れていたものの、シングルセールスに関しては80年代に入ってから苦戦が続き、81年頃からヒット曲らしいものが出ず、唯一1983(昭和58)年の「シーズン」は9万枚余りを売上げましたが、これ以外は3、4万枚台が2万枚台となり…という形で下降線をたどっていってました。
●曲について
当初、この曲名だけで受けた印象はスピーディーなもの、でした。
ドライブではなく「ドライヴ」と表記しているところに疾走感のようなものを感じたものでした。
しかし蓋を開けて(聴いて)みると、ふんわりしたバラードそのものでした。
♪スピードを上げ 滑ってゆく 僕らの車ハイウェイ って歌詞だけ見ると、やはり疾走感あふれるロックだと思っていました。が、いつまでたってもテンポは上がらず、結局ゆっくりしたバラードのままでした。
それも個人的にアルバムの松藤氏バージョンで初めて聴いたので、余計にボーカルが丸みを帯びたふんわり感に満ち溢れたもの、のように思えました。
その後シングル版の甲斐氏バージョンを聴き、こちらはメロディーは同じながら、甲斐氏のどこか角のあるボーカルが感じられ、その違いはありましたが…
そのバラードも、サビで思い切り力を振り絞る箇所がなく、終始淡々とした歌唱でした。その辺りはラストで徹底していたのかもしれません。「メガロポリス・ノクターン」もタイトルだけだと、ロック的なものを想像しましたが、こちらもあまり変わらない淡々としたバラードで、甲斐バンドらしくない気もしましたが、最後は敢えてそうしていたのかもしれないなと。
サビの♪最後のRainy Drive とか♪抱きしめた過去に もう戻れない とか、バンド活動の終焉を思わせる歌詞があちこちに散りばめられている感もありました。
そんな甲斐バンドの最初の活動期を終える時のシングル曲でした。