今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (288)あんたのバラード/世良公則&ツイスト(1977)

9月下旬、ようやく朝晩は涼しくなったと思える「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞/作曲:世良公則

発売:1977(昭和52)年11月25日 (世良公則:当時21歳)

売上:43.5万枚(オリコン最高6位) ※1978年度 年間25位 

1977(昭和52)年11月に発売された世良公則&ツイストのデビューシングルです。

 

ヤマハポプコンでデビュー

大阪芸術大学の学生で結成された「世良公則&ツイスト」。

当初は大学でやっていたバンド解散のケジメ、または思い出作りとメンバーバラバラの意思で参加したものが、ポプコンことヤマハポピュラーソングコンテストでグランプリを獲得し、更には世界歌謡祭でもグランプリを獲得してしまい、このジャケットにも「第8回世界歌謡祭グランプリ」の文字が堂々と銘打ってあります。

この当時のメンバーは世良氏が組んでいた旧のバンドメンバーで、彼らのほとんどはプロ志向がなく就職するなどあり、プロ志向のメンバーを集めてデビュー時の形にしたとの事で、そこにはリーダーのふとがね金太氏や後にハウンドドッグに加入する鮫島秀樹氏の姿もあります。

 

そしてポプコン史上初のロックバンドがグランプリを獲得した、という事でこれは「事件」とよばれました。

それまで谷山浩子さん、八神純子さん、中島みゆきさんなどフォーク系の歌手が受賞していたものが、全くジャンルの異なるグループが受賞し、まだまだ市場に受け入れられていなかったロックというものの市場が急速に開拓された感がありました。

原田真二さんやCharさんなどと共に「ロック御三家」と称され、この中でもとりわけテレビ出演を積極的に行い、バンドのボーカル以外のメンバーに焦点を当てようとしてテレビ局とモメたツイストの功績は大きく、その後のロックの市民権獲得に絶大な影響を与えました。

 

●デビュー1ヶ月後の紅白出場

デビューしたのは世良さんが大学4年生の1977年11月25日で、翌月大みそかには早くもNHK紅白歌合戦に出ていたので、あっという間にスターダムにのし上がった、という感じですね。

このデビュー作はオリコン最高6位を獲得し、ロックバンドがデビュー曲でオリコンTOP10に入るというのは当時なかった事だと思います。(サザンオールスターズはこの翌年にデビューします) そして43.5万枚を売上げ、翌1978年度の年間売上25位を記録する大ヒット曲となりました。

 

●センセーショナルなオーバーアクション

ピアノソロで淡々と始まるイントロで、穏やかな曲かな?と思いきや、いきなり大声で

 

んたにぃぃぃ~

 

と、どこか時代劇の立ち回りのような?オーバーアクションで歌う世良公則さんの姿は、世間に大きなインパクトを与えました。

世良公則という人物を世に放った作品ですが、1970年代後半の歌謡史を濃く彩った人物の一人に違いなく、矢沢永吉氏(キャロル)や宇崎竜童氏(ダウン・タウン・ブギウギバンド)などが、日本のロックを芽生えさせたとすれば、世良さんたちはその花を咲かせた存在と言えると思います。

 

●バラード

「あんたのバラード」っておよそロックとは縁遠いタイトルで、なんなら演歌かな?ってくらいですが、ツイスト自体が特に初期はカタカナ演歌と称された事もありました。

で、この曲自体はバラードな訳で、早口でまくし立てる曲では決してなく、ゆっくりとした曲調で歌い上げるナンバーです。

そして

♪今更返せとは 言わないわ~

とか

♪あんたを好きに させちまうのよ~

等と歌われるように、女性目線の曲でもあります。

ツイストの曲では後にシングルとしてリリースする「Soppo」(1979.10.21発売。最高6位。24.0万枚)なども同様の曲となっています。

いずれも、世良さんの作詞作曲で、当時の時代背景で男が女目線の曲をつくるのも、ひとつの流れとして存在していたので、それのロック版というところで、ダウン・タウン・ブギウギバンドや甲斐バンドなどはその先駆的存在といえます。

 

それにしても、改めて歌詞を眺めて感じたのは、ロックバンドの曲なのに英語どころかカタカナひとつありませんでした。純日本語な曲だったのですね。

 

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