10月もちょうど真ん中、今年もあと2ヶ月半の「今日の1曲」。
今日はこの曲!
↓音源はコチラ↓ (後年の本人によるセルフカバーです)
発売:1984(昭和59)年6月5日 (当時28歳)
売上:5.5万枚(オリコン最高52位)
1984(昭和59)年6月に発売された世良公則さん3枚目のシングル曲です。
●ドラマ主題歌
この曲は世良さん自身が出演した日本テレビ系連続ドラマ「25歳たち・危うい予感」(桜田淳子さん主演)の主題歌に起用されたものです。世良さんのソロシングルで、ドラマ主題歌に使われたのはこの曲が初めてでした。
それまで「太陽にほえろ!」に出演していて、殉職の形で降板した直後に、同じ曲の次の時間帯のドラマとして放送されたもので、日テレ金曜8時から9時に鞍替え、と言われたりもしていました。
●ソロ最大ヒット曲
かつて「ツイスト」としてロックを市民レベルにまで親しみのあるものにした彼の功績はたいへん大きく、70年代末期に爆発的なヒットを巻き起こしましたが、1981(昭和56)年末にツイストはわずか4年で解散しました。
1982(昭和57)年から、ソロ活動を始めた世良さんですが、これという大ヒット曲は出せず、どちらかというと俳優としてどんどん人気が出てきていた状況でした。
そんな中で、この曲はオリコン最高52位、売上5.5万枚と彼のソロシングルの中では順位・売上枚数ともに最高を記録しました。逆にこれ以上のヒットは今のところない状況です。
●ロック化前最後の曲
世良さんの歌い方で、この曲より前と後とでは、かなり違っています。
ソロになってからこの曲までは、どちらかというとシティポップス的な優しい歌い口で、ツイストの頃のようないかにもロックな歌い方を避けてきた、と本人が語った事があるそうで、ツイストの頃と全然違う、殆ど「がならない」、流れるような歌唱でした。
翌年からは2ndアルバムを3年ぶりにリリースし、シングルも以前より活発に出すようになり完全に「ロック解禁」といった感じで、ツイストの頃のがなり歌唱をより発展させたような形で、世良節を全開にしていきます。
そういう意味では「貴重な」時期の曲で、ロックシンガーでない若き世良さんのボーカルを聴けるというのが逆に良いし、個人的にはこの時期の歌い方の方が好きなぐらいです。
今また、このような角の落ちた歌い方を耳にするようになり、66歳にしてパワフルな歌唱も、優しい歌唱も聴く事ができるというのは、彼の人生経験と共に引き出しが広がり、深みが増した事をまざまざと感じさせられる、というものです。