今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (259)狙いうち/山本リンダ(1973)

4月ももう下旬へと差し掛かり、桜も散り気がつけばあとGWまで1週間、な「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:阿久悠/作曲:都倉俊一

発売:1973(昭和48)年2月25日 (当時21歳)

売上:17.6万枚(オリコン最高14位)

1973(昭和48)年2月に発売された山本リンダさん23枚目のシングル曲です。

 

●作家陣

山本リンダさんの一連の奇抜で、時代のシーンに鮮烈な印象を投げかけた楽曲群の第4弾シングルといったところで、作詞:阿久悠さん、作曲:都倉俊一さんの黄金コンビの手によるものです。

このコンビでは'70年代後半になるとピンクレディーの楽曲で再び世の注目を浴びる事となります。

 

●ウララ ウララ

のフレーズがあまりに有名すぎて、山本リンダさんの代名詞的なフレーズといっても過言ではないくらいですが、オリコン最高14位、17.6万枚と当時のレコードセールス的にはそれほどでもありませんでした。

レコードを買わない層にも人気だったと思いますが、この曲で1973年の紅白歌合戦に2年連続3度目の出場を果たしています。

元は「ラララ ラララ」というものだったそうですが、インパクトが弱いとして作詞の阿久氏が「ウララ ウララ」にしたとか、作曲の都倉氏が「ウタダ ウダダ」としていたものが、阿久氏により「ウララ ウララ」になっていたとか、とにかく当初から「ウララ ウララ」ではなかったようです。

リンダさんの歌唱では「ウダダ ウダダ」にも聴こえますが…

 

高校野球の定番

この曲が発売されたのが、もう51年も前の事で既に半世紀を越えていますが、令和の現代においても、高校野球の応援マーチとしてブラスバンドが演奏しています。

バッターボックスに立って、まさに「狙いうち」の場面にピッタリな選曲ですが、♪タタタータタタータタタタタ って感じで演奏され、そのシンプルさが長く採用される理由でもあるのかなと感じます。

 

ちびまる子ちゃん

山本リンダさんの人気再燃としてひと役買った部分があるのが、アニメ「ちびまる子ちゃん」で、彼女の存在がストーリーに拾われた事や、CM前のアイキャッチで「ウダダ~ウダダ~…」などとマルちゃんが発した事だと思います。

当時の彼女を知らない世代までが、そのフレーズを口にするようになり、発売当時は「どうにもとまらない」から始まる一連の路線でのリンダ楽曲のひとつ、という感じだったかもしれませんが、そのフレーズが令和でもひとり歩きするぐらい、後世に継がれるようになったものといえます。

 

●チープな「ヘイ!」

出だしの音で、♪タララララ (ヘイ!)が2回繰り返されますが、この「ヘイ!」が妙に印象的で、なんでだろう?と思っていました。

大抵ヘイ!という時は、「ヘ」とか「へェ」とか、割と「へ」の部分にアクセントが入り、「イ」の部分は、その延長上で出されていると感じます。

しかしここでは「イ」の音をはっきりと発音する事で「ヘ!」という「イ」の存在感のあるものとなっていて、その部分にインパクトを感じたのかな、と思います。

当時はまだロック、ポップスが主流の時代でもなかっただろうし、こんなチープで素直な「ヘイ」となっていても何ら不思議ではないのですが、意外とあえてピシッとさせる為に、意図的にこんな発音にしたのかもしれない、とも感じます。

 

色々とシンプルであり、

♪パっと狙いうち~

と歌った後の後で♪タラッタ ラッタッタ (ヘイ!) の流れも、シンプルで耳馴染みがよく、時代を変えつつあったポップス的なサウンドが広く世に知れ渡るのに一役買ったのではと思います。

 

●印象的フレーズ

そりゃもう最初の♪ウララ ウララ な訳ですが、これは冠というか装飾的なものかなと感じる程度で、インパクトのあるフレーズで子供受け良さそうだな、という感じでした。

大人になって聴くと、これに続く♪ウラウラでとか♪ウラウラよとか、そっちの方が気になるようになりました。この訳の分からなさ具合に(笑)

言葉の意味などを超越した語呂感というか、そういうものも必要なんだなと感じた部分でもありました。

女性として美貌を磨き上げ、男という名の標的を「狙いうち」して獲物を外さない、男たちもこの私を得るために戦しても構わない、そんな「狩り」「戦」的な昔の人間が持っていたものを引き合いに出して「命がけ」感が出てるのが、昭和である事を強く感じます。

後のバブル期のようなお手軽な恋愛とは真逆をいくような世界観ですね。

 

言葉的には「かしづく」という言葉を、この時初めて聞きましたが、「ひざまづく」とかそういう意味なのですね。

♪かしづく男を見ていたい とあり、昭和40年代まだまだ男性主体の社会で、このようなフレーズが出てくるのってかなり斬新だと思います。後の女性の社会進出とか女性優位的なものを感じさせる、当時としては革新的ものだったでしょうね。

 

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