3月も半ば、なのに寒い「今日の1曲」。
今日はこの曲!
↓音源はコチラ↓
作詞/作曲:近田春夫
発売:1981(昭和56)年1月1日 (おさむ・まさと 共に当時28歳)
売上:45.3万枚(オリコン最高2位)
1981(昭和56)年1月に発売された、漫才コンビ「ザ・ぼんち」のデビューシングルです。
●漫才ブームに乗って
「ザ・ぼんち」といえば、一時解散後の長いブランクがあったものの、現在も活躍する漫才コンビで、すっかり重鎮的存在ですが、1980(昭和55)年日本中に巻き起こった「漫才ブーム」の中心にいた存在で、ツービート、B&B、紳助竜介などと共に一大ムーブメントの中にいた存在でした。
それまで、漫才師や漫才コンビの出すレコードといえば、芸風そのもののギャグ路線であったり、そうでなければド演歌であったりしたものですが、いわゆる歌謡系・ニューミュージック系の楽曲で漫才コンビがレコードをリリースするというのは、この漫才ブームの異常なまでの人気がもたらしたものと思います。
実際、ツービートやB&Bなど当時時代の先頭を走っていた漫才コンビもレコードを出しており、それらはそんなに爆発的なヒットはしませんでしたが、ぼんちのこの曲だけはオリコン最高2位を記録し、45.2万枚の大ヒットを飛ばし、「ザ・ベストテン」などの歌番組にも出演し歌を披露していました。
1981年の1月1日にリリースされ、ジャケットの右上にも年月が表されていました。
個人的に、ちょうどこういうテレビの歌番組を見始めた頃に、彼らがベストテンにランクインして歌っていたので本当によく覚えています。
●タイトルはセルフパロディ
ついこの前まで知りませんでしたが、このタイトル名は作詞作曲した近田春夫氏の作により自身が元いたグループにあたるテクノグループ「ジューシィ・フルーツ」のセカンドシングル「なみだ涙のカフェテラス」(1980.10.1発売)の両A面として発売された「恋はベンチシート」が元ネタで、近田氏自身が作詞を出掛けていますが、いわゆるセルフパロディで曲名を拝借した格好となっています。
●ワイドショー仕立て
♪そぉなんですよ山本さん!
と当時、小学校でも流行っていたこのフレーズで大人気を博して、
「俺山本さんやるから,オマエ川崎さんな!」とか言って、クラスの友達とこの曲のフレーズの掛け合いをやったものでした。
当時人気だったお昼のワイドショー「アフタヌーンショー」に出てくる、川崎敬三氏と山本耕一氏との掛け合いなんですが、これをもとに
♪A地点から B地点まで 行くあーいだに すでに恋をしてたんです
と歌われていきます
この曲に出てくるフレーズの
陰気 陽気 ビョーキ
という言葉も学校で流行りました、子供はこの手の言葉はすぐマネしたがるので、絶好のネタでしたね。
最後、おさむちゃんが訳の分からない言葉を叫びまくった後、まさとさんが言う「おまえはビョーキやろ!」なんてフレーズは常日頃口癖レベルで言ってましたね(笑)
ちなみに関東の方は「ぼんち」の「ぼ」にアクセントをつけて「ぼんち」といいますが、関西人は「ぼんち」といいます。
●無駄なまでに豪華すぎるバック
ブームというのは恐ろしいもので、それまで到底漫才コンビが出さなかったジャンルの楽曲をリリースする事となり、ジャケットはアイビールック風にキメた2人のカットでトレンディーなもので、作詞作曲には音楽シーンの先端で突っ走っていた近田春夫氏が起用され、編曲は鈴木慶一氏で彼の率いる「ムーンライダーズ」がバックバンドをやっていたといいます。
当時小学生だったので彼らの名前もどんな人たちかも知りませんでしたが、今から考えたら重鎮中の重鎮がこの楽曲に動いていた訳です。
当時、音的なものは全然意識しておらず、当然のように超人気だったぼんちの二人の掛け合い(といっても、ほとんどおさむちゃんが喋ってる訳ですが)ばかりに目が行ってたものでした。
しかし今改めて聴いてみると、間奏部分は、子供の頃は♪ぼんぼんち ぼんちぼんち のコーラスぐらいしか意識が向いていませんでしたが、すごくロックな感じでエレキバリバリに効かせた演奏が堪能でき、こういういわゆるコミックソングにここまでバリバリの演奏する?ってぐらいプロミュージシャンの技が結集された感覚を受けました。
サウンド面でも当時の時代から考えて、もっともっと評価されて良い曲だと思います。
ちなみにぼんちはその後も数枚レコードを出していますが、漫才ブームの退潮・終焉と共にセールスも伸びなくなり2年間ほどでレコードリリースは終わりますが、本当にこの曲が「時代の波にのった」曲である事を改めて感じました。
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