3月も10日になりながら、まだまだ寒い「今日の1曲」。
今日はこの曲!
↓音源はコチラ↓
作詞/作曲:つのだ ひろ
発売:1977(昭和52)年7月21日 (当時23歳)
売上:4.0万枚(オリコン最高36位)
1977(昭和52)年7月に発売された南沙織さん23枚目のシングル曲です。
南沙織さんの楽曲では、過去に以下の記事をupしています。
●後期のポップナンバー
シンシアこと南沙織さんの23枚目シングルで、この翌年には芸能界を引退しますが、23歳の誕生日を迎えた月に発売されています。
南沙織さんの20歳以降のシングル曲、特に昭和50年以降のシングルは、大人っぽい作風でしっとりとした楽曲が目立ちますが、この曲はそういう意味ではかなり異色の明るいポップナンバーで、歌い方を聴いていても他の作品とは全く違ったものとなっています。
後に南野陽子さんが「へんなの!」というシングル曲で、それまでと全く違った歌い方のコミカルソングを歌っていましたが、そのくらい南沙織さんもこの曲だけ歌い方が違っていました。決してコミカルソングではないのですが、歌い方はちょっとコミカルでした。
●オリコンチャート
オリコン最高は36位で、売上は4.0万枚でした。
チャート的には「人恋しくて」(1975.8.1発売。最高8位。23.1万枚)がオリコンTOP10入りおよび売上10万枚以上が最後で、後年になるにつれ落ちていきますが、以後の楽曲はオリコン20位には入らず、10万枚も達しない中で、上がったり下がったりを繰り返していました。
この曲が発売された1977年が最もシングルセールス的に低調で、この年4枚リリースしていますが、最も売れたのがこの曲の4.0万枚、他はすべてこれ以下という状況でした。既に23歳で、当時のアイドルとしては年齢的も難しくなってきて、これ以前から大人の楽曲を数々リリースしてきましたが、高まる実力には裏腹に人気は下降線といわざるを得ない状況でした。
そんな中で、この年末のNHK紅白歌合戦にはこの曲で出場し、これが結婚前最後の紅白出場となりました。(のち引退から復帰後に出場しています)
●ジャケット
このジャケットを見て「誰?」と思うほど、彼女にもっていたイメージとギャップの大きいビジュアル感じました。
南沙織さんといえば、やはり「黒髪ロングのセンター分け」のイメージが染みついていましたが、この曲ではそのイメージを一新して前髪ありの耳を見せたスタイルになっていました。
これには母親からのアドバイスで、それまでのヘアスタイルでは重く見える、と言われたことがあったといいます。
●作家陣
南沙織さんの楽曲といえば、初期は作詞に有馬三恵子さん、作曲には筒美京平さんのアイドル路線の王道コンビで固定でした。
その後は田山雅光さんなどのシンガーソングライター系の作家陣が携わったりしながら、大人の楽曲へシフトしていきますが、この曲は異色中の異色、つのだひろさんの作詞作曲です。「メリー・ジェーン」のヒットで有名な、あの「つのだ☆ひろ」さん(=姓名間の星マークは黒塗りしない「☆」が正規だそうです)の作品で、B面も含めてでしたが、シングルではこの1作限りの担当でした。
つのださんの他者提供は他に、代表的なものとしては清水健太郎さんの大ヒット曲となった「失恋レストラン」とその次作でオリコン連続1位となった「帰らない」があり、後に田原俊彦さんの「騎士道」で阿久悠さん作詞に曲をつけています。
●スルリとかわすいなし系の詞
誰に電話を聞いても知らないし、番地を聞いてもそこにはいない、とかわしてばかりの歌詞で、会いたくなってもダメよと突っぱねています。二番でも、いろんな噂を知って傷つくと思うけど、こちらは平気よとばかりに♪とても浮気よ と言い放っています。
♪あなたはきっと捕まえられない というフレーズに象徴されるように、男なんかに縛られない、女性の意志の強さを感じる作風で、切々と女心を歌い上げる作風のそれまでの彼女の楽曲からはガラっと変わり、カラッとした女性が描かれています。
●サウンド
ブラス系の畳みかけるスタートから、ロックっぽくうねるギターや、適度に出てくるコーラス、サビでは妙に爽やかな調子に一転するなど、めまぐるしくテンポや調子が転々とするサウンドは編曲の萩田光雄氏によるものか、つのだ☆ひろ氏のエッセンスも多分に含まれているのか分かりませんが、音を聴いてると結構てんこ盛りな感じで、そういう部分に着目して聴くのも面白い楽曲だと思います。
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