今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (174)本牧ブルース/ザ・ゴールデン・カップス(1969)

4月に入ったばかり、と思ったらもう葉桜!な「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:なかにし礼/作曲:村井邦彦

発売:1969(昭和44)年2月1日 (デイヴ平尾:当時24歳)

売上:4.9万枚(オリコン最高49位)

1969(昭和44)年2月に発売されたザ・ゴールデンカップス6枚目のシングル曲です。

 

ゴールデン・カップス

このバントの曲をupするのは初めてなので、バンド自体にまずは触れておこうと思います。

1966(昭和41)年に横浜で結成されたバンドという事で、メンバーたちは渡米などした末に出会ってバンド結成し、やがてはテビューに至りました。

それまでのグループサウンズとよばれた主流のバンドとちょっと経緯が違って大手事務所からのスカウトでという感じではなく、バンド名はそれっぽく改称されていますが、グループサウンズという枠の中に必ずしも当てはまらない、ちょっとブルース寄りな独特の存在感がありました。

ヒット曲は「長い髪の少女」(1968年4月発売。最高14位。19.2万枚)で、この曲で一躍世に出る事になりますが、かなり世のGSブームに迎合したような楽曲に思えました。

その後ブルース色を濃くして明らかに他のGSとは異なる雰囲気を発しながら、GSブームが過ぎてバタバタと他のバンドが解散していく中も生き延びて、1972(昭和47)年に解散しました。

その後も何度かの再結成を経て断続的に活動をしています。

メンバー的には冒頭の曲プロフでデイヴ平尾氏の名前を挙げさせて頂きましたが、彼が基本的にボーカルでフロントマン的存在で、他にも音楽シーンで活躍するビッグネームが多いのですが、オリジナルメンバーは表でも活躍しますが、バックでの活動でビッグネームといった感じで、途中加入のメンバーでは後にゴダイゴで活躍するミッキー吉野氏がいて、また独特のブルースロックでソロシンガーとして存在感を発揮した柳ジョージ(当時:柳譲治)氏が在籍していました。ちなみにこの楽曲のリリース時はミッキー氏はいましたが、柳氏は未加入でした。ミッキー氏はナント当時17歳!でした。

 

ちなみに表記はザ・ゴールデンカップスではなく、正式にはザ・ゴールデン・カップスだそうで、「ゴールデン」と「カップス」の間に「・」が入るそうです。カップスとよく略されますが…。

 

●ブルース?

まずタイトルがめちゃくちゃカッコいいです。

本牧ブルース」なんてタイトル、初めて見た時から「聴きたい!」とすごく思いました。

1960年代というこんな時代にこんなカッコいいタイトルの曲が日本にあったのか!というぐらい、ある種の衝撃すら感じました。

で、結構なブルースなんだろうなと思って聞いてみたら、割にポップな曲調に、明るめのボーカルが…。デイブ平尾さんのボーカルって、大江千里さんっぽいなと初めて聴いた時思いました。

渋い重々しい曲をイメージして聴いてみると、結構軽快な感じのものだったのですが、これは当時の時代的な要素が濃いのだろうなと感じました。軽快とはいえ、歌い上げられていく中で、エレキの音が重い空気のようにバックに流れ続けていて、一定の重みはもたせている事も感じられます。

 

ご当地ソング

レコードジャケットには「遂に出た!横浜サウンド!!」とありますが、歌詞には横浜も本牧も一切でてきません。タイトルが本牧なのは彼らの活動拠点が横浜である事からきているのでしょうが、およそ地名を冠したご当地ソングらしからぬもので、名前も素性も知らなくても、愛しているならいいじゃないか、ついておいで、ってそんな感じの曲です。とにかく♪それでいいじゃないか 愛しているなら のフレーズが何度か出てきますが、ここがすごく耳に残りました。

そういえば、本牧という漢字と「ほんもく」という読みが個人的に長年一致していませんでした。つまり「本牧」と書いて「ほんもく」と読むと知らず、本牧は「ほんまき」とでも読む、どこか知らない街の名前なんだろう、と長い間思っていました(笑)

 

●作家陣

作詞は、なかにし礼氏です。なかにし氏といえば、北酒場(細川たかしさん)など演歌のイメージが強いかもしれませんが、ポップス系やアイドル系、また彼らのようなグループサウンズ系の曲も含め幅広く手掛けており、当時はまだ作詞家活動を続けて数年というところだったと思います。

作曲は村井邦彦氏、この方はGS曲は多数手がけておられて、定番メンバーの一人です。

 

サウンド

先ほども書きましたが、タイトルとは随分違った軽快な感じのものでした。

間奏のエレキがうねる音が印象的で個人的に好きです。この1969年ってグループサウンズブームが引いてきて、幾多のバンドが解散しているような状況で、この時期からデビューするバンドもほとんどないようなぐらい、GSは退潮の状況にありました。

そんな中で彼らの活躍は続き、セールス的に苦しくなってきていたとはいえ、音楽を発展させていっていたのが窺えました。

世の中のサウンドの進歩というのも、すごく激しかった時期ではないかとも思いますが、GSブームの頃のバンドが出せなかったような音を彼らは出していた、そんな気がします。

最も印象的なのは、ラストのドラムのビートです。

♪愛しているなら のフレーズが繰り返される中で、タカタカタカタカタカタカ…とか、タッタンタ タッタッタタカタカ…とか激しくかつリズミカルに刻むドラムのビートが最後に耳に残ったまま曲が終わっていくのがなんとも素晴らしい、詞だけでなく音も楽曲には重要な要素、と感じさせられた曲です。

 

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