記念すべき節目の200回目を迎えた「今日の1曲」。
今日はこの曲!
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作詞:西野蒟蒻/作曲:Anders Dannvik
発売:2023(令和5)年2月22日 (当時平均23歳)
売上:初動6.5万枚(オリコン最高3位)
2023(令和5)年2月に発売された、つばきファクトリー10枚目のトリプルA面シングルの1曲です。200回の節目として、今年初めて「今年の曲」の御紹介です。
●メジャー10作目
2017(平成29)年にメジャーデビューしたつばきファクトリーの10作目の節目となるシングル曲で、増員後の12人体制ではラストシングルとなり、グループ結成以来歌唱の主力として、また華のあるセンターとして活躍を続けてきた浅倉樹々さん(ジャケ写下側右から2番目)のラストシングルとなります。
そして、これを投稿している現時点ではリリースされている最新シングルとなりますが、9/27に新曲がリリースされることが、先日発表されました。
更には、この発表でつばきファクトリー初の海外公演が発表されました。
10/14(土)香港、10/15(日)台湾という事で、まさにおめでとうございます、というところです。
●前作から一転
前作シングル「アドレナリン、ダメ」がグルーヴ感に溢れた、「これぞ新生つばきファクトリー」と思わせる圧倒的なナンバーで、最速の再生回数を記録していましたが、このような上からねじ伏せるナンバーとは打って変わって、この曲はしっとりとしたピアのソロから始まり、囁きかけるようなか細い声で始まる「静」のナンバーです。
英語が堪能なメンバー・福田真琳さんの英語ラップなどまじえつつ、しっとりした雰囲気で始まりながらも、不思議と前作より進化した感があって、各々メンバーがそれぞれ違った役割を果たしながら、ひとつの楽曲が紡ぎあげられていく、そんな感じでした。
「アドレナリンー」は、ひとつの枠組みの中でみんなが同じ方向を向いて歌い進めていく感じに対して、この曲では枠は緩くて、必ずしもみんなが同じベクトルで歌っているわけではなく、強く歌う人、弱く歌う人、本当にそれぞれだなと感じます。
●強くなる女性像
この曲の女性は、強い女性ではなく、失恋を経て強くなりゆく女性、そんな印象を受けました。
大人びてきたと言われるのは、そんな恋をしてきたせいだという感じで、失恋の痛手はまだ残ってはいるけど、相手に対して好きになった気持ちは「間違いじゃない」というわけですね。それは間違いじゃないし、失恋に対しても「泣いたりしない」と。
♪間違いじゃない
とサビで歌われますが、この歌い出しの揃い方が絶妙だなと思って聴いています。
特に落ちサビの部分は一瞬無音になり、何もないところから♪まーちがいじゃなーい、とユニゾンで歌うので、合っていないとすごくカッコ悪く聴こえてしまうと思います。そこがピタッと合ってる感じが聴いてて心地よさを感じます。
♪この傷も次の季節に花咲かすため~
という部分、歌パート的に見せ場で結構重要だなと思わされるのですが、この部分を一番は河西結心(かさい・ゆうみ)さんが歌い、二番は豫風瑠乃(よふう・るの)さんが歌い、いわゆる「リトキャメ」(リトル・キャメリアン=ミニつばき的な)と呼ばれる新戦力が任されていて、曲に勢いを吹き込んでいることを感じます。
そしてこの曲がラストとなる浅倉樹々さんの「華」はこの曲でも感じられます。「ここ」という時に現れてかっさらっていく感があって、これはなかなか身につけようとしてつけられるものではない独特のものであり、彼女の唯一無二の存在感がこのラストシングルでもいかんなく発揮されています。
強くなりゆく女性、としてまた印象的な歌詞として
♪あんな嫌いだった 自分も好きになれたの
があります。
相手に恋して少しずつ綺麗になったことで、自己肯定感が上がった、という事ですね。
これはこの曲の主人公、という事だけでなく、これを歌っているつばきファクトリーのメンバーにもこのフレーズが刺さっているようで、厳しいレッスン等で自信を無くしかけても成長を感じ取る事で自己肯定感が上がり、それが自分自身への「好き」にも繋がっている、そんなような事を聞いた気がします。
そして、このフレーズを彼女たちが発信することにより、これを見た聞き手(楽曲を聴く側)も共感して、自分の事が好きになるかもしれない…そんな相乗効果を生み出す期待もあるかもしれず、これぞ「音楽の持つパワー」だと思います。
しっとりの中に、確かに力強さを手にしつつある女性の姿が感じられる、つばきファクトリーの現時点での最新曲を聴きながら、9月にリリースされる新曲を心待ちにする事としましょう。