10月の給料が入って嬉しい「今日の1曲」。
今日はこの曲!
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作詞:麻生ひろし/作曲:かまやつひろし
発売:1970(昭和45)年9月25日 (堺正章:当時24歳)
売上:不明(オリコン最高67位)
1970(昭和45)年9月に発売されたザ・スパイダースの21枚目にしてラストシングルです。この年の末にスパイダースは解散しました。
●ザ・スパイダースの面々
このグループの曲を取り上げるのが初めてなので軽く触れます。
とにかく役者揃いのグループで、グループサウンズ初期にブルーコメッツやザ・ワイルドワンズといったバンドがいち早く出てきますが、同じくいち早く出てきて(正確には「以前からの歴史があって」ですが…)、商業的なヒットに結びつけ、個性派のメンバーを数多く揃えていたバンドでした。
このジャケットにひとりひとり写っていますが、左上はムッシュことかまやつひろし氏、その右はこの曲でソロを取って歌っている堺正章氏、ド真ン中はドラマに司会にユーモアあふれる井上順氏、その右は「太陽にほえろ!」のテーマでお馴染みの大野克夫氏、そして(顔写真分かりませんでしたが)そのテーマ曲を演奏するバンドを率いていた井上堯之氏…という、それはもうすごい面々でした。
同時期に売れたおなじグループサウンズのザ・タイガースやザ・テンプターズもシーンを牽引していましたが、これらは沢田研二、萩原健一という突出したカリスマのいるバンドでしたが、スパイダースはどっからでもタレント性のある人材が出てくる、そんな感じに見えました。決してリアルでは知りませんでしたが…。
●ラストシングル
この年の末に解散が決まっていたスパイダースのラストシングルですが、最後っぽい湿っぽさは一切なく、青森県のおばあちゃんが暴れ回る痛快な歌詞を、堺正章氏がコメディー感全開で歌い上げています。痛快なマチャアキワールドをそのまま歌にしたような、そんな感じです(笑)
●1970年9月25日発売
この曲の発売日は、ナント自分の生まれた前の日なのです!
個人的にアレですが、自分の生まれた日のいちばん近くにリリースされたシングル曲だと思います。当時は1日や5日、21日や25日など大体発売日付が決まっていたので。
●作詞作曲
作詞の麻生ひろしという方は、あまり素性が分かりませんが、いくつかの曲を手掛けている作詞家のようで、作曲は自前でかまやつひろし氏が担当しています。偶々「ひろし」コンビとなりました。
弘前のおばあちゃん…という事でつぶやくように始まりますが、歌い出しは堺氏の♪ドシテラベナ~ドーシテラベナ~というファンキーな歌唱で始まります。津軽弁のようですが、「どしてらばぁ?」というのが「どうしてた?」という意味だそうです。
●原曲
今回調べるまで知りませんでしたが、この曲には元となる曲があります。
カバーではありませんが、アメリカの「ジャン&ディーン」というポップデュオが1964(昭和39)年にリリースした「バサディナのおばあちゃん」という楽曲を下敷きにコンセプトを借りて、似た感じのメロディーに仕立てて、この曲ができたといいます。
たしかに聴き比べるとかなり似てます。
●セリフ
堺氏のくり広げるコメディーチックなセリフがそこかしこに散りばめられています。
間奏にも終奏にも。
間奏はアラホレサッサではないですが、そんなような言葉が連ねられてて、終奏は「ほらスーパースーパー」とか「チョンキリキンカン」みたいなセリフが発せられています。とにかくコメディー色満載です。
●70年代のGS
1967~68年に一大ムーブメントを巻き起こしたグループサウンズ(GS)ですが、星の数ほど現れては、そのほとんどが瞬く間に消えていき、1969年にはほとんど残っていなかったのでは、と思います。
一部の人気グループだけが1970年代まで生き永らえたものの、タイガースもテンプターズもこのスパイダースも、実質的にほぼ70年までの活動で、70年代初期にはそれぞれのソロ活動が先行される形で、解散していきました。
なので70年代にリリースされたグループサウンズの楽曲、というのは大変貴重なものであり、また彼らがシーンに出てきた時から、だいぶ音楽的な進歩が見られて、聞きごたえのあるものなのです本来的には。
ただ時代の波に流され、解散していく彼らの楽曲、という観点で聴くと、また聴こえ方伝わり方が違ってくるように思います。
彼らがグループサウンズとしてのキャリアがスタートした頃の楽曲のようなボコボコした音はそこにはなく、洗練されたミュージックがそこにはありました。この時代においての5年間の時の流れはダテじゃない、というものです。エレキが導入されるかどうかぐらいの時代なので。
そんな訳で、グループサウンズ終末期の音をとくとお聴きあれ、そんな感じです。