今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (136)エレクトリックおばあちゃん/ザ・スパイダース(1970)

10月の給料が入って嬉しい「今日の1曲」。

今日はこの曲!

 

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作詞:麻生ひろし/作曲:かまやつひろし

発売:1970(昭和45)年9月25日 (堺正章:当時24歳)

売上:不明(オリコン最高67位)

1970(昭和45)年9月に発売されたザ・スパイダースの21枚目にしてラストシングルです。この年の末にスパイダースは解散しました。

 

ザ・スパイダースの面々

このグループの曲を取り上げるのが初めてなので軽く触れます。

とにかく役者揃いのグループで、グループサウンズ初期にブルーコメッツザ・ワイルドワンズといったバンドがいち早く出てきますが、同じくいち早く出てきて(正確には「以前からの歴史があって」ですが…)、商業的なヒットに結びつけ、個性派のメンバーを数多く揃えていたバンドでした。

このジャケットにひとりひとり写っていますが、左上はムッシュことかまやつひろし氏、その右はこの曲でソロを取って歌っている堺正章氏、ド真ン中はドラマに司会にユーモアあふれる井上順氏、その右は「太陽にほえろ!」のテーマでお馴染みの大野克夫氏、そして(顔写真分かりませんでしたが)そのテーマ曲を演奏するバンドを率いていた井上堯之氏…という、それはもうすごい面々でした。

同時期に売れたおなじグループサウンズザ・タイガースやザ・テンプターズもシーンを牽引していましたが、これらは沢田研二萩原健一という突出したカリスマのいるバンドでしたが、スパイダースはどっからでもタレント性のある人材が出てくる、そんな感じに見えました。決してリアルでは知りませんでしたが…。

 

●ラストシングル

この年の末に解散が決まっていたスパイダースのラストシングルですが、最後っぽい湿っぽさは一切なく、青森県のおばあちゃんが暴れ回る痛快な歌詞を、堺正章氏がコメディー感全開で歌い上げています。痛快なマチャアキワールドをそのまま歌にしたような、そんな感じです(笑)

 

●1970年9月25日発売

この曲の発売日は、ナント自分の生まれた前の日なのです!

個人的にアレですが、自分の生まれた日のいちばん近くにリリースされたシングル曲だと思います。当時は1日や5日、21日や25日など大体発売日付が決まっていたので。

 

●作詞作曲

作詞の麻生ひろしという方は、あまり素性が分かりませんが、いくつかの曲を手掛けている作詞家のようで、作曲は自前でかまやつひろし氏が担当しています。偶々「ひろし」コンビとなりました。

弘前のおばあちゃん…という事でつぶやくように始まりますが、歌い出しは堺氏の♪ドシテラベナ~ドーシテラベナ~というファンキーな歌唱で始まります。津軽弁のようですが、「どしてらばぁ?」というのが「どうしてた?」という意味だそうです。

 

●原曲

今回調べるまで知りませんでしたが、この曲には元となる曲があります。

カバーではありませんが、アメリカの「ジャン&ディーン」というポップデュオが1964(昭和39)年にリリースした「バサディナのおばあちゃん」という楽曲を下敷きにコンセプトを借りて、似た感じのメロディーに仕立てて、この曲ができたといいます。

たしかに聴き比べるとかなり似てます。

 

●セリフ

堺氏のくり広げるコメディーチックなセリフがそこかしこに散りばめられています。

間奏にも終奏にも。

間奏はアラホレサッサではないですが、そんなような言葉が連ねられてて、終奏は「ほらスーパースーパー」とか「チョンキリキンカン」みたいなセリフが発せられています。とにかくコメディー色満載です。

 

●70年代のGS

1967~68年に一大ムーブメントを巻き起こしたグループサウンズ(GS)ですが、星の数ほど現れては、そのほとんどが瞬く間に消えていき、1969年にはほとんど残っていなかったのでは、と思います。

一部の人気グループだけが1970年代まで生き永らえたものの、タイガースもテンプターズもこのスパイダースも、実質的にほぼ70年までの活動で、70年代初期にはそれぞれのソロ活動が先行される形で、解散していきました。

なので70年代にリリースされたグループサウンズの楽曲、というのは大変貴重なものであり、また彼らがシーンに出てきた時から、だいぶ音楽的な進歩が見られて、聞きごたえのあるものなのです本来的には。

ただ時代の波に流され、解散していく彼らの楽曲、という観点で聴くと、また聴こえ方伝わり方が違ってくるように思います。

 

彼らがグループサウンズとしてのキャリアがスタートした頃の楽曲のようなボコボコした音はそこにはなく、洗練されたミュージックがそこにはありました。この時代においての5年間の時の流れはダテじゃない、というものです。エレキが導入されるかどうかぐらいの時代なので。

そんな訳で、グループサウンズ終末期の音をとくとお聴きあれ、そんな感じです。

 

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