今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (194)素晴しい旅行/ザ・タイガース(1970)

7月半ば、いよいよ暑すぎる時期に突入した「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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↓音源はコチラ↓

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作詞:山上路夫/作曲:沢田研二

発売:1970(昭和45)年7月1日 (沢田研二:当時22歳)

売上:13.4万枚(オリコン最高15位) 

1970(昭和45)年7月に発売された、ザ・タイガース14枚目、最初の解散前ではラス2のシングル曲となります。

 

●表記

「すばらしい」は普通に漢字表記すると「素晴らしい」という送り仮名になりますが、ここでは「素晴しい」旅行というタイトル表記になっています。実はそんなにこだわりはなかったのかもしれませんが…

 

●ラス2シングル

前回記事で同じタイガースの「誓いの明日」をお届けしましたが、その前のシングル曲です。

「誓いの明日」についてはコチラ↓

lefthand926.hatenablog.com

 

●70年代GSヒット

前回「誓いの明日」でも触れましたが、1967(昭和42)~1968(昭和43)年にかけて爆発的に起こったGSブームも、1969(昭和44)年も後半になるとすっかり退潮し、1970年代に入ると、残っているバンドはほんの一掴みの人気バンドだけでした。

 

その一掴みのバンドたちも、ブーム時のような勢いのある曲は影を潜め、ブームが退潮するのに合わせるかのように、穏やかな曲調の楽曲に変貌していくことが多く、往時の勢いはどこへやら…というのがほとんどでしたが、それでも新時代に合った曲というのか、それなりに進化した楽曲になっていた、のかもしれません。

 

で、この曲は?というと、いきなりエレキが畳みかけて、70年代を感じさせる、それまでのようなせっかち感のない?どこかしら余裕を感じるロックな曲調の楽曲でした。'70年前後のいわゆる「ニュー・ロック」を感じさせる、ちょっとソフトなロックという感じでしょうか。

 

この時代になると、かつてGS勢も人気が下降しており、人気バンドもバンドとしての活動より、個々の活動の方にウエイトが置かれるようになり、バンドの曲で10万枚売ることも難しくなりました。

スパイダースやテンプターズなども往時ほどのヒットが出せないどころか、売上は数万枚あるかどうかでした。そんな中でタイガースは70年代に入っても、たとえばこの曲はオリコン最高15位ながら13.4万枚売上げるという、10万越えの楽曲を世に放っていました。70年代に入ってもGS勢で10万売っていた優秀なバンドであった訳です。

こういう例は他には、鈴木ヒロミツ氏が率いたモップスが1972(昭和47)年「たどりついたらいつも雨降り」を10万枚以上ヒットさせたぐらいと思います。

タイガースはこの前作「都会」でも10万ヒット(1970年3月発売。最高10位。14.4万枚)を記録しており、70年代において、GSとして複数の10万ヒットとオリコンTOP10入りを果たした、おそらく日本唯一のバンドであり、金字塔であり快挙といえます。

そりゃ10年後に復活しても人気だったわけですね。

 

●最後のPOP HIT

タイガースの楽曲で最後の10万ヒットとなった本作(ラストの「誓いの明日」は5.7万枚)ですが、とびきりPOPな曲で、曇りひとつ感じさせないジュリーのボーカルが実に爽快で、ソロになってから影や華美さを感じさせるようになるそんなジュリーにはない、ただひたすら爽やかで疾走感に溢れた彼のボーカルが堪能できる佳曲だと思います。

 

●作家陣

作詞は70年代ヒットメーカーで、次の「誓いの明日」の作詞も手掛ける山上路夫氏で、作曲はナント沢田研二、ジュリーその人です。タイガースではそれまでもメンバーが詞や曲を作ったりしていましたが、ジュリーが作曲したのはこれが初めてだったといいます。

 

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