7月猛暑のさなか、あと5日を残すのみの「今日の1曲」。
今日はこの曲!
↓MVはコチラ↓
作詞/作曲:つんく♂
発売:2014(平成26)年11月12日 (当時平均21.6歳)
売上:8.1万枚(オリコン最高2位) ※2014年度年間76位

2014(平成26)年11月に発売された、Berryz工房36枚目にしてラストシングル曲です。
●ベリーズのラストシングル
2004(平成16)年に、モーニング娘。につづく、ハロー!プロジェクトの新グループとして、当時のハロー!プロジェクトキッズから選抜された全員小学生の8人グループ、これがBerryz工房でした。
その年3月に「あなたなしでは生きてゆけない」でデビューし、そこから10年経った2014(平成26)年8月に「無期限活動停止」宣言をして、実質的な解散発表ですが、その後にリリースされた「ラストシングル」で、「ロマンスを歌って」との両A面の形で発売されました。
↓デビュー曲についての過去記事はコチラ
●ハロプロ激動期
Berryz工房が活動停止を発表した2014年8月から、実際に活動停止した2015年3月までの期間は、所属するハロプロ自体にかなりの編成替えがあり、まさに「激動期」でした。
9月には、妹分グループ「スマイレージ」が改名する事を発表し、一般公募で新グループ名を決定するというニュースがあり、年末には「アンジュルム」へ改名します。またモーニング娘。'14の新メンバーとして4人が加入しました。
10月は、改名募集中のスマイレージに新メンバーが追加され3人が加入し、11月にはカントリー娘にひとり所属の格好になっていた里田まいさんから後を託すために新生「カントリー・ガールズ」が誕生し、新メンバーも入り結成されました。ここに「プレイング・マネージャー」として、当時まだBerryz工房のメンバーとしてラストスパートを駆け抜けている途中のももちこと嗣永桃子さんが就任し、ベリーズの活動停止後に実質的に活動を開始する事となります。
明けて2015年の1月にはハロプロ研修生から結成された新ユニットが誕生し、翌月に「こぶしファクトリー」と名付けられ、活動を開始していきます。
といった具合に、新グループや新加入メンバーが続々と誕生し、ハロプロメンバーも一気に大所帯になった時期でもありましたが、そんな中ベリーズは活動停止に向けてひた走る状況でした。
●最後の花火
ラストシングルとして「ロマンスを歌って」と共に発表されましたが「ロマンス-」は、しっとりした路線で淡々と歌い上げられた楽曲で、こちらはポップ調で出だしはエレキソロで、コーラスが入って、効果音が入って歌い出し、の流れですが、この時の振りつけが黒板に書いた文字を消してる時のような、そんな印象がありました。
終始明るい曲調の楽曲ですが、ラストということもあってか、どこか悲しい寂しい感情を覚えます。ライブを見てて、最後にこの曲が歌われると、楽しいはずなのに寂しさもないまぜになっていたのを思い出しました。やっぱり「これが最後…」という感情が勝ってしまうんですね。
で、終奏はダン!と実にあっけなく終わり、最後の打ち上げた花火のようです。
●売上
Berryz工房のシングル曲は、デビューから2年半ほどは2万枚前後で推移していて、中でも最初の1年半は2万枚未満で推移していました。
2007年以降はおおむね2万~3万枚台で推移し、2013年以降は4万枚台で定着するようになり、この年はデビュー10年目にして初の日本武道館公演を実現しました。
さあこれから!という時に、先の無期限活動停止宣言があり、終焉に向かって突き進んでいく事となり、このシングルも発売されました。
発売されるや、オリコンデイリーチャートには彼女たちの作品では見た事のない数字が踊っていました。オリコン初週で7.7万枚を売上げ、それまで5万枚以上売れた曲がなかったので、まず驚きでした。累計で8.2万枚、Billboardチャートでは10万枚を越えていたともいわれています。
最後のシングルにしてオリコン週間2位につけ、グループではぶっちぎりの最高売上枚数を記録し、その活動停止への惜しまれ具合が窺えるというものでした。
●MV
全般的に同じ衣装のまま、ステージ上のダンスショットや、各メンバーのリップシーンを交互に入れながら、どうしてもチープな印象を拭えないものでしたが、シンプルで良かったのではないかと思いました。
ただ、ひと手間かかってるのは、メンバーのソロカットにデビュー時の姿が重ね合わられている事で、これを見て「こんなに大きくなったんだ」「もう最後なんだな」などのいろんな感情が去来しました。
この楽曲の制作時は活動停止の話はなかったという事で、その事が織り込まれた形でつくられていない訳ですが、うまくラストシングルにハマったなというところですね。
その話を織り込まれた楽曲であれば、もっと壮大なものになっていたのかも…と思いますが、この「永遠の歌」は湿っぽいとは全く対極な路線にありながら、聴いてるとラストを感じずにいられなくて、
♪一緒にいた素敵な空間 最高に幸せな時間 積み上げた小さなプライド~
などと「集大成」を絵に描いたようなフレーズがズラッと並んだものが歌われていくのですが、 よくこんな詞を活動停止話のない状態で書かれたな、と感心するばかりです。
Berryz工房は、令和になった今も無期限活動停止中であり、「解散」ではなくこの表現を選んだ、というのも英断だったなと思います。