今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (219)くるみ割り人形/石川ひとみ(1978)

とうとう11月に突入し、今年も残りわずか感の出てきた「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:三浦徳子/作曲:馬飼野康二

発売:1978(昭和53)年9月5日 (当時18歳)

売上:6.2万枚(オリコン最高42位) 

 

1978(昭和53)年9月に発売された石川ひとみさんの2ndシングルです。

 

●2枚目シングル

石川ひとみさんは1978年5月に「右向け右」でデビューし… というのは以前、「まちぶせ」の記事の時に書いた訳ですが、その10枚目シングル「まちぶせ」でブレイクする以前では、2枚目にして最も売れていた曲でした。

売れなかったといっても一定の露出がありTV番組では人気アイドルでしたし、この曲もオリコン42位止まりでしたが、6万枚は売れているので、そんなに売れてないという感じはしないですね。

 

くるみ割り人形

タイトルにもなっているこの名前、元は19世紀末ロシアのチャイコフスキー作曲のバレエ音楽であり、その曲が使われた作品をも指しますが、クリスマスイブに、くるみ割り人形を送られた少年が、その人形と共に夢の世界を旅する物語として描かれていました。

くるみ割り人形はドイツの伝統工芸品であり、固いくるみを割る道具として作らられたものに、人形の形をつけたものです。

そういえば、個人的な話で昔ゲームセンターにあったクイズゲームで、この「くるみ割り人形」に関する問題が出て、自分の友人たちはこのバレエ作品の事を常識として知っていましたが、自分だけ知らず石川ひとみさんの曲」としてしか知らなかったため、話が嚙み合わなかった事を思い出しました(笑) 

その時は最初「なんでこいつら、石川ひとみさんのこの隠れた名曲を知ってるんだろ?」と思いましたが、相手方からしたら「こいつ何訳の分からん事言ってんだろ?」って感じだったのでしょう、恥ずかしすぎでした。

 

●作家陣

作詞は三浦徳子(よしこ)さん、作曲は馬飼野康二さんです。

三浦さんは1977(昭和52)年作詞家デビューしているとの事で、この曲はその翌年のものでまだキャリアが浅い頃でしたが、ひとみさんのデビュー曲「右向け右」も彼女の作詞であり、デビューから連続で作詞を手掛ける事となりました。

ちなみにこの曲と同じ日に発売された、八神純子さんへの提供曲「みずいろの雨」が大ヒットし、これが出世作となりました。

馬飼野さんは、ひとみさんの楽曲はこれが初作曲でしたが、この後も数曲作曲を担当し、再び三浦さんとのコンビで作詞作曲しているのが1980(昭和55)年に発売された「オリーブの栞」でした。

 

●詞と歌唱

赤い靴のフレーズが複数回出てきますが、主人公はシンデレラでしょうか?

ヒロインを夢見た赤い靴の少女ですが、「あなた」と手を取って踊れると思っていたら、そのパートナーは他の誰かであり、「あなた」は消えてしまって、私が一人取り残されただけ…というちょっともの悲しいストーリーです。最後は、くるみになぞらえて、「夢は昨夜"割れた"」というバッドエンドでした。

歌唱ですが、やはり実力派!デビュー曲「右向け右」でも見せていましたが、音の伸び方が素晴らしいです。伸びやかな歌唱ですね。

Aメロの最後で

♪あなーたが消えーたーーーー の音伸びも素晴らしいし、

Bメロ最後の

♪わたしひーとりだけーよーーーーー の音伸びはサビに向かっての盛り上がりでまた一段と素晴らしく、演歌歌手でもやっていけるな(笑)という感じでした。

当時同世代で、よく間違われたと思われる石川さゆりさんがいましたが、演歌で鳴らし下積みも長かったさゆりさんがブレイクしたのはこの前年津軽海峡冬景色」でした。

しかしひとみさんもなかなか、デビュー曲からその歌唱は高く評価されていたようで、、しかし歌唱=人気やレコードセールスに繋がらないのが、この世界の難しいところでもあります。

Bメロでいうと、

♪取り残された の部分、普通に歌うんじゃなくて、♪とりのこーーーされーたー と、の部分に若干の「タメ」をつくっていて、オッ!となりました。ちょっとそこに情感のようなものが感じられました。これは本人じゃなくてディレクター、あるいは作曲家の意向かもしれませんが、そこをうまくこなすか?は歌い手にかかっていますよね、そこがやはりうまいと感じます。

サビの♪くるみ割りーーー  の輪唱っぽい部分も、曲のメインフレーズとしてとても印象的です。

 

 

石川ひとみさんはその後、B型肝炎に罹患し闘病をしながら、現在も歌手活動を続け、コンサートに新曲リリースにまだまだ精力的な活動を続けているのは往年のファンからしてもとてもうれしい事ですね。

 

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今日の1曲 (218)シングル・ガール/太田裕美(1979)

10月もあと1週間で終わってしまう「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童

発売:1979(昭和54)年7月21日 (当時24歳)

売上:2.6万枚(オリコン最高53位) 

1979(昭和54)年7月に発売された太田裕美さん15枚目のシングル曲です。

 

オリコン53位

太田裕美さんのシングル曲は1975~77年あたりが、TOP10ヒットを連発してして、レコードセールス的なピークだったと思いますが、1978(昭和53)年あたりからシングルチャートは下降し始め、この時期はだいたいオリコン最高50位台を記録するような状態でした。

という事でオリコン最高53位、2.6万枚の売上に終わりましたが、この曲で1979年の紅白歌合戦に出場しています。

 

●意外な作家陣

いわゆる「売れ線」の曲でオリコン上位に入るヒット曲を出していた頃は、作詞が松本隆さん、作曲が筒美京平さんで、これが彼女の楽曲にとっての「ゴールデンコンビ」ともいえる組合わせでした。

前年1978年から作家陣が変わるようになってから、呼応するかのようにレコードセールスも下降していきましたが、クオリティは上がりバリエーションは増えたと思います。

そしてこの曲は、そのゴールデンコンビからは想像もできないような組み合わせで、阿木燿子さんと宇崎竜童さん夫妻による作詞作曲…。

このコンビで思い浮かべるのは…宇崎さんがやっていたバンド「ダウン・タウン・ブバウギ・バンド」の楽曲や、当時大ヒットしていた山口百恵さん「プレイバックPART2」のようなアイドルでもハード系の楽曲…そんなところだと思います。

このコンビと太田裕美さんの融合…、で、できた曲がこれでした。

そんなアウトローな曲でもないし、裕美さんの曲の割にはシリアス路線のシングルというところでしょうか。

 

●歌詞

阿木燿子さんの歌詞ですが、一人の女性(まさしくシングル・ガール)が二人の男性のはざまで揺れる気持ち…そんなところですね。

ある男性と吐息がかかるくらいの距離でダンスを踊ってるけど、その向こうでは「彼」が心配してる…というシチュエーションから始まります。

結局は浮気相手の?優しい人とはサヨナラして「シングルガール」になるという事で、「彼」とも別れてしまう訳ですね。

 

サウンド

宇崎竜童さんの作曲で、ムードがありますね。

出だしはちょっとアンニュイな雰囲気で、サビにかけてガラっと上げ調子になっていきます。終わってみれば「こんなにポップな曲だったの?」という感じで、サビ前にギアがグッと上がってそっから知らぬ間にもっとテンポが上がっていくような…。

それから、サビの♪ルルル ルルル ルルル~ の舌っ足らず感丸出しな裕美さんの歌唱がとてつもなくハマります。早すぎるんじゃなくて、遅すぎて逆に真似できないだろ、ぐらいの感じなのです(笑)

まったくの最初は、♪シーングルガール といきなりタイトルを歌い出すところから始まり、エコーのかかったBGMなし、の状態です。

そしてBGMの出だしは、チャイナっぽい感じの音?で、この曲独特のものですね。この部分さえ聞けば、曲が特定できるという感じの。なんならこの曲で一番好きな音はこの部分です。

Aメロで流れているカラランッって音も妙にハマります。

 

 

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今日の1曲 (217)抱きしめてくれ…/世良公則(1988)

近所の秋祭りも終わり街が一段落した「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

歌詞がいつものサイトに載っていなかったので、こちらの手持ちCDシングルにある歌詞カードを写真でお送りします。

 

作詞/作曲:世良公則

発売:1988(昭和63)年9月21日 (当時32歳)

売上:0.4万枚(オリコン最高76位) 

1988(昭和63)年9月に発売された世良公則さん10枚目のシングル曲です。

 

●映画主題歌

歌詞カードの冒頭に載っていますが、自身が主演した「CFガール」という松竹映画の主題歌に起用されています。

世良さんが映画(Vシネマを除いて)に主演しているのも珍しいですが、映画で主題歌を歌うのも珍しく、知る限りこの曲だけだと思います。

映画ではCFディレクターの役で、タイトルの「CFガール」は当時デビューしたばかりの高岡早紀さんが演じています。ちなみに高岡さんは、ここで当時共演した岡田真澄さんとマドラスのCMで共演しており、個人的にこのCMで高岡さんの存在を知りました。

 

●重厚なバラード

1981(昭和56)年末に自身のバンド「ツイスト」を解散し、1982(昭和57)年にソロデビューした世良さんは当初「脱ツイスト」といわんばかりのロックから離れた位置での楽曲や歌唱を続けていましたが、1985(昭和60)年から今度はロック解禁といわんばかりにツイストの路線に回帰し、ロック色をゴリゴリにしていきます。

また更に俳優としての立ち位置も変わってきて、それまでの正統派の役柄からちょっとアウトロー路線にシフトしつつある頃で、服装にもそれが表れている感がありました。

そんなロック歌唱に回帰してすっかり経った頃の作品でしたが、がなり歌唱からの重厚でゆったりしたバラードが全体的に展開されています。

サビの♪抱きしっめてーくれ~ の「だ」の部分のがなり具合が安定の世良節を感じさせてくれますし、ラストの部分の♪いいなら~~~~ のがなりながらの長伸ばしは、さすがの世良歌唱だなと感じます。

世良さんはある時「あなたの歌には感動がない」といわれ、かなり衝撃だったといいますが、それはどの時期に言われたのか?この時期より後なのか?と気になるところです。

それまででも「バラードが聴こえる」などの名作を自身の手により作っていますが、ボーカルの我が強すぎて壮大で優しい曲もそう聴こえなくなってるのか?とか個人的にも感じていました、ある時期までは。

1990年代に入ってから、彼の歌唱や曲の世界観の幅広さのようなものが如実に感じられたような気がして、この時期はまだその過渡期だったのかな、と思ったりします。

 

●プレVシネマ

このシングルの衣装は当時出演していた「ベイシティ刑事(コップ)」の時のものと思われますが、このドラマに出ていた頃や、このドラマでの世良さんのアクションが注目されて同じスタッフを集結させて制作されたといわれるVシネマ「クライムハンター」シリーズなどで、こんな感じの恰好をしていました。この作品がリリースされたのは、そのちょうど間にあたる時期でした。

オールバックの髪型で、黒のフライトジャケットにワッペンをベタベタ貼りつけて、青々としたジーンズと、この時期の世良さんの象徴的ともいえる服装でした。

なのでこの当時の世良さんというと「ガンアクションやってる俳優」の面が強かったと感じます。

 

●レコードとCD

1988年という時期的な面で、レコードと8㎝シングルCDの両方で発売されています。

上の写真のジャケットでバーコードのついてる分がレコード盤で、下の写真はシングルCDの裏面(半分に折ってあるので正方形になっています)です。

 

●C/W

「雨上がりのブルー・スウェード・シューズ」という曲です。

こちらは重厚な歌唱と軽快なサウンドが融合し、またドラムもかなり目立ったロックの佳曲です。

 

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今日の1曲 (216)とまどい/中森明菜(1998)

10月も遂に下旬に突入し、朝夕めっきりひんやりしてきた「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:森浩美/作曲:JUNI

発売:1998(平成10)年9月23日 (当時33歳)

売上:1.0万枚(オリコン最高40位) 

1998(平成10)年に発売された、中森明菜さん37枚目のシングル曲です。

●33歳

1980年代前半のアイドル歌謡シーンをトップで引っ張り続けてきた中森明菜さん。

最近はその復活が待ち望まれ、もう少し待ってください、との本人のコメントを得て、心待ちにしている方々もいるだろうなというところです。

そんな中でアクシデント含め波乱の若き頃を経て、90年代も後半に入り彼女は30歳を過ぎていました。

その頃は表舞台でバリバリ出て活躍、というよりも、少し引いたところで、2時間ドラマの主題歌や自身の出演しない作品の主題歌などの形で、その名前を見るようになっていた、そんな頃でした。

そしてこの曲は彼女が33歳になった時にリリースされました。

 

オリコン最高40位

中森明菜さんの楽曲としては30歳を迎えた1995(平成7)年にはオリコン最高10位に入る事が難しくなり、シーンはすっかり変わってしまっていましたが、それでも10位代には入っていました。

といっても、10位代に入る曲もあれば、20位以下になると40位代や60位代にまでなる曲すらあり、往年の売行きはすっかり影を潜め、この曲も最高40位で、売上は1.0万枚、当時では最低記録を更新する格好となりました。世の中的にCDが売れない時代にもなってきてもいましたが…

 

●ドラマ主題歌

当時の花王・愛の劇場」というTBS系昼帯ドラマ枠で放送されていた「39歳の秋」というドラマの主題歌に起用されました。

自分もこのドラマで、この楽曲の存在を知りました。当時無職で求職中の状況で(笑)昼間は家にいたので、ほぼ毎日のようにこのドラマを見てこの楽曲を聴いていました。

ドラマは片平なぎささん演じる39歳の未婚女性が自身の恋愛や他人との触れ合いを経て独自の人生を生きていく姿を描いたものでした。

そしてそんなドラマと、この曲との雰囲気が合っていたことを感じました。

39歳未婚女性が人生に戸惑う姿、既婚者でもその中で生きる辛さに戸惑う姿、いろんな立場の女性たちが、それぞれの状況で「とまどい」を見せるシーンが随所に見られました。

 

●歌詞

全体的に、先に書いたようなドラマの世界観と合っていることを感じます。

ドラマでは39歳の女性が、年下のイケメンから告白されて、そのまま首を縦に振ればつかめる幸せがあるのに、臆病になって踏み出せずにいる、これで良かったのだろうか?と感じる、常にそこに「とまどい」の感情が生まれる、それが歌詞に詰まっている、そんな感じです。

 

●メロディー・ボーカル

壮大で重厚な前奏メロディーで始まり、歌い出すと共にそれらは鳴りを潜め、あくまでも淡々と歌い綴る明菜さんの声が浮き彫りのようにハッキリと聴こえる。歌に力感がないのに、声がはっきり聴こえるのです。若い頃と違って、バラードでも圧倒する歌唱ではなく、内面から湧き出るような歌唱とでもいうのでしょうか。聞けば聞くほど、その美声ぶりを感じる事ができる、中森明菜・第二章という感じがありました。

 

●作家陣

作詞は森浩美さんです。80年代からアイドル曲を中心に作詞家としてSMAPの楽曲など、多数のヒット曲を世に送り出していますが、中森明菜さんへの詞の提供はこの曲のみのようです。ちなみに森浩美さんは男性です。自分もある時期まで女性だと思っていました。

作曲はJUNIさんという方ですが、この方の素性は全く不明です。作曲リストを検索してもこの楽曲しかヒットしない、謎だらけの人物でした。

 

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今日の1曲 (215)なみだの季節/キャンディーズ(1974)

10月もはや半ばまできて、地元は今祭りで盛り上がる「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:千家和也/作曲:穂口雄右

発売:1974(昭和49)年9月1日 (当時:ラン19歳、スー18歳、ミキ18歳)

売上:5.9万枚(オリコン最高40位) 

1974(昭和49)年9月に発売されたキャンディーズ4枚目のシングル曲です。

 

●ブレイク前夜

キャンディーズは1973(昭和48)年に「あなたに夢中」(1973.9.1発売。最高36位。8.1万枚)という曲でデビューしました。

初期の曲はあまり知られていないかもしれませんが、この曲までの最初の4曲はオリコン最高40位前後で推移しており、売上はデビュー曲の8.1万枚を最高として10万枚を越えることがありませんでした。

この曲もオリコン最高40位で、売上は5.9万枚でした。それでも、オリコン圏内に入って、何万枚もレコードが売れているのであれば、まだ成功している方かなというところですが。

この曲まではセールス的にそんなところで、煮え切らない感があったと思いますが、次の曲でようやくヒットが誕生します。

 

●メインボーカル

デビュー曲から田中好子さん(以下「スー」と表記)がセンターに立ってメインボーカルを務めており、この曲までの4作はこの体制が続いていました。

個人的にリアルで末期のキャンディーズしか知らなかったので、伊藤蘭さん(以下「ラン」と表記)がセンターのイメージしかなく、スーのボーカル曲は初めて聴いた時は逆に新鮮でした。

 

次の「年下の男の子」(1975.2.21発売。最高9位。26.0万枚)でランをセンターにしてからブレイクしたので、初期のスーがセンターの曲はレア感があります。

初期の曲は高音で、その後の曲は割と低音が目立つのは、このメインボーカルの交代によるもので、聴けばハッキリ感じ取れます。

後期曲しか知らない状態で、スーがメインの曲を初めて聴いた時は「え?これキャンディーズの曲なの?」と思ったものでした。

 

●イントロ

いきなりキラキラ星が散りばめられたような音がイントロに流れ大変印象的な曲ですが、シングルと同名のアルバムに収録されたバージョンではミックスが違っているといいます。

シングルは左右に分かれて聴こえ、アルバムは左、右、中央から流れるようになっているとの事で、このキラキラした音は、1番から2番に入る短い間奏とアウトロのはじまりにも若干聴こえます。

 

●秋の曲

季節でいえば完全に秋ですが、昔のアイドル歌謡ってその時期に合わせたものが多かったですね。山口百恵さんなどはシングルだけで春夏秋冬すべてタイトルにあり「春風のいたずら」「冬の色」「夏ひらく青春」「秋桜といった具合でした。

この曲はその中でも晩秋という感じで

♪寒い季節がすぐ手の届く

とか

♪まるで落ち葉が散るような別れです

等のフレーズに秋から冬へ変わりゆく時期を感じさせます。

 

●歌詞

タイトルにあるように基本的に悲しい曲です。

彼と私は別れる事を考えていて、季節が変わると二人の気持ちも落ち葉が散るように離れていき…といった具合で、友達に戻りたくてももう戻れない…そんなどうにもならない状況が描かれていました。

そしてサビの、おそらくこの曲で最も印象的といえるフレーズである

♪私はあなたが好きでした~

となりますが、この語尾の「た~」の部分の微妙に抑えた感じが個人的にツボです。抑えた感じから徐々に絞りを解いて声が大きくなっていって、その後のサビの盛り上がりにつなげていくような感じがまた良くて、キャンディーズのハーモニーの絶妙さはこのスーがメインの楽曲から既にあった事を感じます。

 

●何気に16ビート

しっとりとして淡々とした曲調の中で、刻まれていたのは16ビートでした。(と思います)

♪季節が変わると(サヨナラ)

などのサビの部分で、チキチキチキチキ…と何気に刻まれている音はやけに早くて8ビートじゃなくて16ビートじゃない?と感じました。昭和40年代の曲に16ビートか?とか思いました。

 

●作家陣

作詞が千家和也さん、作曲が穂口雄右さんです。

この組み合わせは次作ブレイクした「年下の男の子」と同じで、この組み合わせはシングルではこの2曲のみです。

千家さんの作詞がこの2曲だけで、穂口さんはその後のキャンディーズ楽曲に欠かせない存在となりますが、それまでの3作は森田公一さんが作曲を担当していて、本作で初めて穂口さんが担当しました。

それまでの3作がストレートにアイドルの作風でしたが、本作はしっとりした要素が強調されたものとなり、ブレイクしたのは次作でしたが、その萌芽は既にこの曲にあったのかもしれません。

 

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今日の1曲 (214)SUPER STAR/長渕剛(1986)

夏の次に冬が来る?「今日の1曲」。

 

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作詞/作曲:長渕剛

発売:1986(昭和61)年7月2日 (当時29歳)

売上:9.9万枚(オリコン最高13位) 

1986(昭和61)年7月に発売された長渕剛さん15枚目のシングル曲です。

 

●ドラマ主題歌

それまで家族ゲームとその続編「家族ゲームⅡ」の家庭教師・吉本役のみのドラマ出演だった長渕さんが、違う役でドラマ出演したのが、この年放送された「親子ゲーム」で、その主題歌がこの「SUPER STAR」でした。

家族ゲーム」と「親子ジグ・ザグ」に挟まれて、少し影が薄いように言われることもありますが、疑似家族の喋らない「マリオくん」が印象的で、またこのドラマで志穂美悦子さんと共演した事で結婚したという、縁深い作品でもあります。

 

●上昇気運

当時の長渕さんというと、まだそれほど世間的な大物感がなくて、「順子」(1980.6.5発売。最高1位。94.2万枚)と「GOOD-BYE青春」(1983.9.1発売。最高5位。31.6万枚)のヒットした中堅どころ?的な位置づけだったように思います。

「GOODーBYE青春」以降は、再び売上枚数が落ち、「孤独なハート」(1984.3.21発売。最高21位。10.7万枚)はなんとか10万を越えましたが、翌1985(昭和60)年にリリースしたシングルは2作とも4万枚台となり、ドラマタイアップがなくなったとはいえ、かなり落ち込んできていた状況で、本作が再びドラマタイアップもあってか9.9万枚を売り上げ、10万返り咲きまであと一歩、まで来ました。

翌1987(昭和62)年の「ろくなもんじゃねぇ」(1987.5.25発売。最高3位。27.3万枚)あたりから、大物歌手的な雰囲気になっていたような気がします。

本作はその一歩手前の時期、そんな感じで、この曲をリリースして2ヶ月後に30歳を迎えます。

 

●アルバムバージョン

この曲はシングルバージョンとアルバム「STAY DREAM」に収録されているバージョンと、かなりの違いがあります。

シングル版は、ひとくちにいうと軽快という感じで、アルバム版はかなりしつこい感じがします。

サウンドはシングルはブルースハープの目だつフォークロック的なもので、アルバム版はアコギが前面に出つつ、セリフとか前振りとかがかなり「しつこい」感があります。笑い声とかシャウトとか、いろんな声を前奏とラストに盛り込んでいます。
アルバム版は最初からして、Hey!HeyHey!の圧のあるコーラスに長渕氏の何かしらの声が被さるのを6回ぐらい繰り返してて、ラストも同様な感じで長渕氏の放つ声がまた違ったものになっている、かなり遊び心のある作風になっています。

歌い方もアルバム版の方がかなりしつこく、がなりを入れてたり、とにかくシングルしか聞いた事の無い方にはある意味でアルバム版も必聴といえます。

 

●ツンツンヘアー

前年1985(昭和60)年に髪を短く切り、それまでの長い髪からかなりイメージチェンジした長渕剛さん。

この時もそのツンツンに立った髪型で、当時の流行りでもありましたが、しばらくこんな感じかと思いきや、翌年「親子ジグ・ザグ」の時は少し短くなっていて、まさかと思っていたら次の「とんぼ」ではもっと短くなって…という、あまりに急すぎる展開に戸惑いました。この当時の髪型は新しいイメージの長渕剛、という感じで、歌唱が後のだみ声が顕著になっていったのもこの時期だと思います。

それまでも本人はきれいな声ではなく、後のような声になりたい強い思いがあったようで、そんな事を感じさせる楽曲もいくつかはありましたが、髪を短くしたあたりから、後の長渕歌唱が確立されていったように思います。

 

ティーンエイジ 今日でオサラバさ

歌詞は、イキがっていた十代の事をあれこれ綴りつつ、そんなティーンエイジも「今日でオサラバさ」と歌い飛ばしています。

個人的に、20差になった時にこの曲をカラオケで歌って、このフレーズをめっちゃ強調してました(笑) そういう思い出のある曲です。

歌詞には、この曲の収録されているアルバム「STAY DREAM」のフレーズがありますが、これとは別に「STAY DREAM」という楽曲があって、♪くよくよ~するーなよ~、のフレーズで本人出演のCMでも使われていました。

 

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今日の1曲 (213)だって 生きてかなくちゃ/安倍なつみ(2004)

10月3連休に1日足して4連休中の「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞/作曲:つんく♂

発売:2004(平成16)年6月2日 (当時22歳)

売上:5.5万枚(オリコン最高7位) 

 

2004(平成16)年6月に発売された安倍なつみさん2枚目のシングル曲です。

 

●なっちのソロ第2弾

安倍なつみさん(以下「なっち」と表記します)のソロシングル第2弾ということで、初のソロシングルは22歳の私(2003.8.13発売。最高2位。8.1万枚)という曲で、この当時はまだモーニング娘。在籍中で、その卒業発表直後でした。

なっちといえば、今年デビュー25周年を迎え今もなお続くモーニング娘。の結成当初からのメンバーで、またその象徴的存在でもありました。いわばモーニング娘。の看板を背負って、日本を席巻した黄金期を過ごした中心メンバーでだった訳です。

そんな彼女が2003年夏に「卒業」を発表し、その卒業コンサートは翌2004(平成16)年の1月に横浜アリーナで開催されました。

なので、モーニング娘。卒業後に初めてリースしたシングルであり、実質的なソロシングル第1弾になります。

 

●ドラマ主題歌

この曲はなっち自身が主演したドラマ仔犬のワルツの主題歌に起用され、このドラマは日本テレビ開局50周年記念特別企画」とされ、そこで盲目の女性という難役で主演し、そして豪華すぎる役者陣が脇を固めている、かなり気合の入った作品の感がありました。

このドラマで主演を掴み、なっちの将来が大いに期待されましたが…、、その先の事は触れないこととします。

 

●ドラマとリンクした曲

「だって 生きてかなくちゃ」というタイトル通り、

♪みんな必死なんだから

というフレーズもあり、この曲の雰囲気がドラマにも表れていました。

ドラマでは盲目でいじめを受ける主人公が、相続争いに揺れる一家に飛び込んでいく形でピアノ絡みで巻き込まれるという、かつての「少女に何が起こったか」を彷彿とさせるものがありました。

 

そんなドラマの気を抜けない展開もあって、この曲もゆったり聴けないと思うようになり、曲がドラマにリンクする事を感じました。

 

●チャンスをつかめ

♪TAKE MY CHANCE

というのはまさにそういう意味ですが、

♪諦めるくらい簡単だから

という事で、諦めなかったらチャンスは掴める、という事かと解釈しました。

誰かの為にじゃなく、自分の為に「もっと愛されなくちゃ」とも言っています。

モーニング娘。を卒業したなっちでしたが、その後もHello!Projectに残り、この曲もつんく♂氏の手によるものでした。

 

●MV

この曲の記事を書くにあたって、MVを初めて見ました。

バックダンサーは、カントリー娘。のメンバーと、ココナッツ娘のアヤカさんということで、いわゆる身内で固められたものでした。

歌っているシーンも含めて暗部が多く、ドラマの劇中も暗部が多かった印象が強くて、リンクするような感覚がありました。

 

なっちのこの次の曲は「恋のテレフォンGOAL」という180度方向の違うカラッとした明るい曲になっていて、妙な違和感がありましたが、この曲のリリース後にある事件が起きてしまいました…。

その後2009(平成21)年にHello!Projectを卒業して、また結婚してからは仕事をセーブしているようで、近年はあまり表舞台に出る事はないようです。

 

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