今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (215)なみだの季節/キャンディーズ(1974)

10月もはや半ばまできて、地元は今祭りで盛り上がる「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:千家和也/作曲:穂口雄右

発売:1974(昭和49)年9月1日 (当時:ラン19歳、スー18歳、ミキ18歳)

売上:5.9万枚(オリコン最高40位) 

1974(昭和49)年9月に発売されたキャンディーズ4枚目のシングル曲です。

 

●ブレイク前夜

キャンディーズは1973(昭和48)年に「あなたに夢中」(1973.9.1発売。最高36位。8.1万枚)という曲でデビューしました。

初期の曲はあまり知られていないかもしれませんが、この曲までの最初の4曲はオリコン最高40位前後で推移しており、売上はデビュー曲の8.1万枚を最高として10万枚を越えることがありませんでした。

この曲もオリコン最高40位で、売上は5.9万枚でした。それでも、オリコン圏内に入って、何万枚もレコードが売れているのであれば、まだ成功している方かなというところですが。

この曲まではセールス的にそんなところで、煮え切らない感があったと思いますが、次の曲でようやくヒットが誕生します。

 

●メインボーカル

デビュー曲から田中好子さん(以下「スー」と表記)がセンターに立ってメインボーカルを務めており、この曲までの4作はこの体制が続いていました。

個人的にリアルで末期のキャンディーズしか知らなかったので、伊藤蘭さん(以下「ラン」と表記)がセンターのイメージしかなく、スーのボーカル曲は初めて聴いた時は逆に新鮮でした。

 

次の「年下の男の子」(1975.2.21発売。最高9位。26.0万枚)でランをセンターにしてからブレイクしたので、初期のスーがセンターの曲はレア感があります。

初期の曲は高音で、その後の曲は割と低音が目立つのは、このメインボーカルの交代によるもので、聴けばハッキリ感じ取れます。

後期曲しか知らない状態で、スーがメインの曲を初めて聴いた時は「え?これキャンディーズの曲なの?」と思ったものでした。

 

●イントロ

いきなりキラキラ星が散りばめられたような音がイントロに流れ大変印象的な曲ですが、シングルと同名のアルバムに収録されたバージョンではミックスが違っているといいます。

シングルは左右に分かれて聴こえ、アルバムは左、右、中央から流れるようになっているとの事で、このキラキラした音は、1番から2番に入る短い間奏とアウトロのはじまりにも若干聴こえます。

 

●秋の曲

季節でいえば完全に秋ですが、昔のアイドル歌謡ってその時期に合わせたものが多かったですね。山口百恵さんなどはシングルだけで春夏秋冬すべてタイトルにあり「春風のいたずら」「冬の色」「夏ひらく青春」「秋桜といった具合でした。

この曲はその中でも晩秋という感じで

♪寒い季節がすぐ手の届く

とか

♪まるで落ち葉が散るような別れです

等のフレーズに秋から冬へ変わりゆく時期を感じさせます。

 

●歌詞

タイトルにあるように基本的に悲しい曲です。

彼と私は別れる事を考えていて、季節が変わると二人の気持ちも落ち葉が散るように離れていき…といった具合で、友達に戻りたくてももう戻れない…そんなどうにもならない状況が描かれていました。

そしてサビの、おそらくこの曲で最も印象的といえるフレーズである

♪私はあなたが好きでした~

となりますが、この語尾の「た~」の部分の微妙に抑えた感じが個人的にツボです。抑えた感じから徐々に絞りを解いて声が大きくなっていって、その後のサビの盛り上がりにつなげていくような感じがまた良くて、キャンディーズのハーモニーの絶妙さはこのスーがメインの楽曲から既にあった事を感じます。

 

●何気に16ビート

しっとりとして淡々とした曲調の中で、刻まれていたのは16ビートでした。(と思います)

♪季節が変わると(サヨナラ)

などのサビの部分で、チキチキチキチキ…と何気に刻まれている音はやけに早くて8ビートじゃなくて16ビートじゃない?と感じました。昭和40年代の曲に16ビートか?とか思いました。

 

●作家陣

作詞が千家和也さん、作曲が穂口雄右さんです。

この組み合わせは次作ブレイクした「年下の男の子」と同じで、この組み合わせはシングルではこの2曲のみです。

千家さんの作詞がこの2曲だけで、穂口さんはその後のキャンディーズ楽曲に欠かせない存在となりますが、それまでの3作は森田公一さんが作曲を担当していて、本作で初めて穂口さんが担当しました。

それまでの3作がストレートにアイドルの作風でしたが、本作はしっとりした要素が強調されたものとなり、ブレイクしたのは次作でしたが、その萌芽は既にこの曲にあったのかもしれません。

 

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