とうとう11月に突入し、今年も残りわずか感の出てきた「今日の1曲」。
今日はこの曲!
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発売:1978(昭和53)年9月5日 (当時18歳)
売上:6.2万枚(オリコン最高42位)
1978(昭和53)年9月に発売された石川ひとみさんの2ndシングルです。
●2枚目シングル
石川ひとみさんは1978年5月に「右向け右」でデビューし… というのは以前、「まちぶせ」の記事の時に書いた訳ですが、その10枚目シングル「まちぶせ」でブレイクする以前では、2枚目にして最も売れていた曲でした。
売れなかったといっても一定の露出がありTV番組では人気アイドルでしたし、この曲もオリコン42位止まりでしたが、6万枚は売れているので、そんなに売れてないという感じはしないですね。
タイトルにもなっているこの名前、元は19世紀末ロシアのチャイコフスキー作曲のバレエ音楽であり、その曲が使われた作品をも指しますが、クリスマスイブに、くるみ割り人形を送られた少年が、その人形と共に夢の世界を旅する物語として描かれていました。
くるみ割り人形はドイツの伝統工芸品であり、固いくるみを割る道具として作らられたものに、人形の形をつけたものです。
そういえば、個人的な話で昔ゲームセンターにあったクイズゲームで、この「くるみ割り人形」に関する問題が出て、自分の友人たちはこのバレエ作品の事を常識として知っていましたが、自分だけ知らず「石川ひとみさんの曲」としてしか知らなかったため、話が嚙み合わなかった事を思い出しました(笑)
その時は最初「なんでこいつら、石川ひとみさんのこの隠れた名曲を知ってるんだろ?」と思いましたが、相手方からしたら「こいつ何訳の分からん事言ってんだろ?」って感じだったのでしょう、恥ずかしすぎでした。
●作家陣
三浦さんは1977(昭和52)年作詞家デビューしているとの事で、この曲はその翌年のものでまだキャリアが浅い頃でしたが、ひとみさんのデビュー曲「右向け右」も彼女の作詞であり、デビューから連続で作詞を手掛ける事となりました。
ちなみにこの曲と同じ日に発売された、八神純子さんへの提供曲「みずいろの雨」が大ヒットし、これが出世作となりました。
馬飼野さんは、ひとみさんの楽曲はこれが初作曲でしたが、この後も数曲作曲を担当し、再び三浦さんとのコンビで作詞作曲しているのが1980(昭和55)年に発売された「オリーブの栞」でした。
●詞と歌唱
赤い靴のフレーズが複数回出てきますが、主人公はシンデレラでしょうか?
ヒロインを夢見た赤い靴の少女ですが、「あなた」と手を取って踊れると思っていたら、そのパートナーは他の誰かであり、「あなた」は消えてしまって、私が一人取り残されただけ…というちょっともの悲しいストーリーです。最後は、くるみになぞらえて、「夢は昨夜"割れた"」というバッドエンドでした。
歌唱ですが、やはり実力派!デビュー曲「右向け右」でも見せていましたが、音の伸び方が素晴らしいです。伸びやかな歌唱ですね。
Aメロの最後で
♪あなーたが消えーたーーーー の音伸びも素晴らしいし、
Bメロ最後の
♪わたしひーとりだけーよーーーーー の音伸びはサビに向かっての盛り上がりでまた一段と素晴らしく、演歌歌手でもやっていけるな(笑)という感じでした。
当時同世代で、よく間違われたと思われる石川さゆりさんがいましたが、演歌で鳴らし下積みも長かったさゆりさんがブレイクしたのはこの前年「津軽海峡冬景色」でした。
しかしひとみさんもなかなか、デビュー曲からその歌唱は高く評価されていたようで、、しかし歌唱=人気やレコードセールスに繋がらないのが、この世界の難しいところでもあります。
Bメロでいうと、
♪取り残された の部分、普通に歌うんじゃなくて、♪とりのこーーー●されーたー と、●の部分に若干の「タメ」をつくっていて、オッ!となりました。ちょっとそこに情感のようなものが感じられました。これは本人じゃなくてディレクター、あるいは作曲家の意向かもしれませんが、そこをうまくこなすか?は歌い手にかかっていますよね、そこがやはりうまいと感じます。
サビの♪くるみ割りーーー の輪唱っぽい部分も、曲のメインフレーズとしてとても印象的です。
石川ひとみさんはその後、B型肝炎に罹患し闘病をしながら、現在も歌手活動を続け、コンサートに新曲リリースにまだまだ精力的な活動を続けているのは往年のファンからしてもとてもうれしい事ですね。
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