今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (112)初恋サンライズ/つばきファクトリー(2017)

10日ぶりに仕事に行ったら、8月もすっかり終盤の「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:井筒日美/作曲:山田祐輔

発売:2017(平成29)年2月22日(当時平均16.3歳)

売上:4.1万枚(オリコン最高3位)

2017(平成29)年2月に発売された、つばきファクトリーのメジャーデビューシングルです。

 

●待望のメジャーデビュー曲

それまでにインディーズで3曲リリースしているので、通算では4枚目となりますが、実質的なデビュー曲です。

同期グループとされる「こぶしファクトリー」のメジャーデビューに遅れる事約1年半、アイドルとしては長い年月の差をつけられていましたが、ようやくその同期と同じ土俵に立てた訳です。

 

サンライズジャンプ!

つばきファクトリーのそれまでの楽曲といえば、可憐な乙女の切ない恋心を歌い上げたものという印象が強く、「かわいい」「かっこいい」で言えば間違いなく「かわいい」系の楽曲が印象強いものがありました。

実力派のハロプロにあって「正統派アイドル集団」的な面が、逆につばきファクトリーの特徴であり、ウリでもあった部分ですが、「暗い」と言われ、常にこぶしファクトリーと比べられ…という点で、かなり雌伏の期間があり、グループ活動として「これからどうなっていくのか?」という不安もメンバーにはあったといいます。

 

しかし、この曲が初披露された時は、それはもう盛り上がった事と思います。

それまでの「つばき」にない楽曲で、圧倒的なポップソングで、それまでのおっとりした曲、しっとりした曲から殻を破るかのごとく、「弾けた」メロディーの痛快な楽曲で、従来のつばきのイメージを覆したといっても過言ではない、そんな楽曲でデビューした訳です。

 

そして、サビではMVでもメンバーがジャンプしていますが、ライブの時はファンもジャンプするそれはサンライズジャンプ」と呼ばれ、ファンの大きな楽しみの一つとなっています。それは「統率の取れたジャンプ」ともいわれ、一時期ライブでは「ジャンプは、"統率の取れたもの"ならOK」と言われるほどでした。

 

●セリフのつばき

そのサンライズジャンプをする前の3ヶ所に「セリフ」をいう場所があります。

一番最初の「♪こんな気持ち初めて」というセリフが最も印象的とされますが、これを言っていたのが元メンバーの小片リサさんでした。この曲の最も象徴的な部分のひとつ、といっても過言ではないぐらいの重要なフレーズとなりました。

以後のつばきの楽曲は、何かにつけて随所にこのような「セリフ」のついたものがリリースされ、つばきのウリの大きな一つにもなっています。

逆にこういう部分は、ハロプロの他のグループには難しい(「らしくない」という意味で)のかもしれないな、と感じる事もあります。

 

●9人⇒12人 さらにパワーアップ

初期は6人で活動していたものの数々の辛酸を舐め、メンバー増員をされた上でメジャーデビューが決まり、6人から9人になって練習の日々を積み重ね、9人で初めて出した作品でした。

 

それから5年…、同期でありライバルでも同士でもあった、こぶしファクトリーは既に無く、つばきファクトリーは即戦力の新人が入って今ではメンバーが12人に増えていて、初期の倍になっていますが、ここ1年で2度の武道館ステージを経験したり、MVの再生回が注目されたり、よりパワーアップして現在も活動しています。

8/25には富士河口湖で野外での5周年記念ライブも行われる事となり…と、こぶしファクトリーのなしえなかった事を次々と達成しています。

こぶしのいる間はなかなか抜く事ができなかったかもしれませんが、今はそのこぶしの分まで頑張ってる、この2グループはそんなドラマ性で見ると一層面白いのですが、これからもつばきファクトリーからは目が離せない、といったところです。

 

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今日の1曲 (111)本気(マジ)ボンバー!/Berryz工房(2010)

長い連休が終焉を迎えつつある「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

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作詞/作曲:つんく♂

発売:2010(平成22)年7月14日(当時平均17.3歳)

売上:2.3万枚(オリコン最高6位)

2010(平成22)年7月に発売されたBerryz工房23枚目のシングル曲です。

●夏の曲

冒頭から♪夏じゃんで始まるくらい、全面的に夏ソングです。

そして次に「夏じゃん」と聴こえる部分の正確な表記は「夏JUMP!」です。

 

●アニメ主題歌

この当時のBerryz工房は、出す曲が立て続けにアニメ「イナズマイレブンのエンディングテーマに起用されていました。この曲もそのひとつですが、いずれも疾走感あふれた、スポーツアニメに遭ったものとなっていました。

またこの曲の通常盤ジャケットは、イナズマイレブンのメンバーが描かれたものとなっていて、このようなメンバーが映っているジャケットは、通常盤以外の版で採用されているものです。

 

●全開曲に散りばめられた歌詞

とにかくテンションの高い曲です。そんな中で色々な歌詞に心惹かれます。

♪夏じゃん 見上げる空 青い海 で始まり、この「みあげーる」の「げ」の部分の音が上がってるところがまた爽快感溢れます。歌う側だけでなく、聴く側のテンションも上がるというものです。

♪自由に描こう 僕がルール という、ゴーイングマイウェーな詞を爽快に歌い上げ、自由ではっちゃけた感じが歌にも、このジャケットにもよく表れているように思います。

♪遊びも100点(ひゃく) 学びも100点(ひゃく) と100点と書いて「ひゃく」と読ませるところが、曲にフィットしてて良い感じです。

♪そもそも人生チョイスの連続 って部分は初めて聴いた時から、ここを聴く度にずっと共感してしまいます。大なり小なり人は日々暮らす上で、色々な決断をしている訳で、そう考えると日々疲れるのも無理はない訳で。

またサビに戻って♪成長しろ 本気(マジ)ボンバー とくるのですが、ここの「成長~しーろ」のところを「ももち」こと嗣永桃子さんが音を上げて歌ってるのがまた高まります。基本この曲って、菅谷梨沙子さん・夏焼雅さんというBerryz工房の「ダブルエース」的存在が歌唱メンを引っ張っていますが、ここに熊井友理奈さんと嗣永さんが絡んていくような感じ、そう想って聴いています。

歌詞でもうひとつ印象的だったのは♪カブトムシだって 夢を見るだろう いつかは大空の彼方HOP STEP JUMP というところで、そこに目を向けるつんく♂氏すごいなと。カブトムシの幼虫やサナギなんかは、自分が成虫になる姿とか想像できているんだろうか?と思わされてしまいます。

 

●MV

CDで音を聴くだけでも爽快な感覚になりますが、やはりMVを見ると解放された感がすごい、アゲアゲな曲であり、何倍もスカッとした気分になります。

メンバーが円になってスキップして回っていく点が最も象徴的と思いますが、とにかくアゲアゲでスカッと爽快な夏曲、こんな暑い夏に敢えてどうでしょうか。

 

今日の1曲 (110)夏色のナンシー/早見優(1983)

8月も後半、お盆は過ぎてきたけどまだまだ暑い「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:三浦徳子/作曲:筒美京平

発売:1983(昭和58)年4月1日(当時16歳)

売上:26.9万枚(オリコン最高7位)

1983(昭和58)年4月に発売された早見優さん5枚目のシングルです。

 

●5枚目にして初ヒット

デビューは1982(昭和57)年4月の「急いで!初恋」(最高36位/6.3万枚)と、そこそこは売れましたが、ここから4枚目まではオリコン最高で20~30位台で推移しながら、売上枚数は少しずつ落ちていく状態でした。

この曲のヒットによって、テレビの歌番組にも頻繁に出演し、それまで名前だけは有名になってきていましたが、「早見優の曲といえば?」という形で、楽曲もついて回るようになってきました。

正直、ある時までこの曲が5枚目と知らずに、なんならデビュー曲とすら思っていた事もありましたが、それよりもっと前に名前は知っていて、露出もあったので、単にそれまで曲がヒットしてなくてTVで歌っている姿を見なかっただけのようでした。

実際にはそれまでの楽曲も、You Tubeには動画があがっていてある程度歌われていたようでしたが。

ともあれ、デビューから1年経って出たこの曲で初めて、オリコンTOP10入りを果たし、「ザ・ベストテン」などのランキング番組にみ出るようになり、愛くるしいルックスに健康的な小麦色の肌が彼女のイメージとして大きなウリにもなっていきました。

そしてまた彼女がバイリンガルである事も、この曲のヒットでさらに有名になったのではないかと思います。そんな事から「英語」が仕事につながった事もありました。

 

コカ・コーラCMソング

この当時はタイアップがついた事も、ヒット曲の誕生する要因のひとつであり、この曲はコカ・コーラのCMソングとして世に放たれ、自分もこの曲のフレーズをそれで初めて知ったぐらいです。

恋かな(Yes!) 恋じゃない(Yes!) 愛かな(Yes!) 愛じゃない(Yes!) のフレーズが特に有名と思いますが、この部分がCMに流れていました。当時自分は中1でしたが、友達内でこの部分をよくツッコんでいましたね、恋かなYes、恋じゃないYes、ってどっちやねん?って感じで(笑) そういう複雑な感情だと当時は考えもしなかったのですが…。

 

●楽曲

既に一部楽曲については書いていますが、サビから始まるキャッチーな曲でもあります。Aメロにあたる部分は割におとなしめなので、このサビを冒頭に持ってきたことで、この曲のインパクトは更に上がったように思いました。

♪去年とは唇が違ってる のフレーズ、これって去年もくちづけしていて、その時と違ってる、って事かな??とかこのフレーズ聴くたびに思っていました。単なる見た目上の唇が変わったという事ではなくて。ここでの2人は付き合ってから1年以上経ってるのだろうか??とか考えたりしていました。

ちなみにこの曲の「英語版」も存在し、本人が歌っているのをYou Tubeで聴けました。英語だとだいぶせわし気に歌っている感じで、語数?が多くなるのでしょうか。

 

もう40年近く前の曲になるのか、と改めて驚いていますが、今から40年前ってそんな古くは感じない、というのが個人的感想です。この曲の出た当時から40年前、となると戦前なので、それはもう全く違う、古めかしい感じがしますが、そう考えると特にこの20年くらいでサウンドって、どう発展したのか?よく分からないですが、ある程度飽和してしまってるんだろうか?とか思ってしまう昨今です。

 

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今日の1曲 (109)暑中お見舞い申し上げます/キャンディーズ(1977)

お盆も終わりゆく中、残暑とは言い難い暑さの続く「今日の1曲」。

 

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作詞:喜多條忠/作曲:佐瀬寿一

発売:1977(昭和52)年6月21日(当時平均21.7歳)

売上:29.8万枚(オリコン最高5位)

1977(昭和52)年6月に発売されたキャンディーズ14枚目のシングル曲です。

 

●夏の代名詞的ナンバー

夏のアイドル楽曲に多い「夏の…」みたいなタイトルではなく、夏に定番のズバリ「暑中お見舞い申し上げます」のフレーズをそのままタイトル曲に持ってきたセンスが素晴らしいですね。

この当時はまだ、ハガキでこの「暑中見舞い」やり取りをするご家庭もあって、我々でも平成ひとケタ年代くらいはまだ年賀状のように、夏になると届けたり届いたり…していました。この当時ならもっと活発にやり取りしていただろうと思います。

当時「郵政省」の暑中見舞いハガキのテーマソングにも起用されていた「国をあげて」バックアップされた??曲です。

 

●リリース直後に解散宣言

この曲をリリースした翌月の1977年7月17日、日比谷野音のコンサート中に「普通の女の子に戻りたい!」と突然宣言され、解散宣言として大きく取り上げられたという、そんな時期の曲です。

なので、この後リリースされる曲はすべて「解散へのカウントダウン」として捉えられる事となり、ラストシングル微笑がえしを1位にしよう!という運動の高まりへと繋がっていきます。

 

●楽曲

ポップで勢いのある前奏に、♪ウゥゥゥー ワッ!のシャウトが入って、歌詞的にはいきなりタイトル曲で始まり、というとてもインパクトの強い曲です。この部分だけで、曲のポップさや内容がパッと分かる、新聞の大見出しのような(笑)

タイトル名で歌詞が始まるのは「その気にさせないで」「ハートのエースが出てこない」などもおんなじですね。

♪まぶたにくちづけ 受けてるみたいな の部分初めて聴いた時に「まぶたにくちづけ?」という感じでしたね。

全面的に夏全開という感じで、恋愛にドキドキしながら、その不思議な力に翻弄されている感もあります。

♪なぜかパラソルにつかまり あなたの町まで飛べそうです というフレーズなんかは、なんでもできるってくらい恋愛によってこの曲の主人公の女性がパワーを得てる感がありました。

個人的に一番ツボな詞は♪早く あなたに会いたくて 時計を逆さに回してます という部分ですね。それも「回してまぁーーーすぅ」と伊藤蘭さんが伸ばしながら歌ってるところです。この歌唱によって、この詞の「早く会いたい気分」がより強く明確に伝わってきました。

早く会いたくて、時計を進めるんじゃなくて、遅らせるのか~!とも思いました。9時59分だけと、これを9時57分にして、会いたいけどまだ会いたくない、みたいな感情なのか?それとも、会う前のドキドキ感をもっと楽しみたいからなのか?この部分を聞くたびに、この曲の主人公の真意は?と色々考えてしまいます。

 

落ちサビ前の間奏がちょっとハワイアンというかトロピカルなサウンドで、ここもまた印象的な部分でした。

 

♪今年の夏は 胸まで熱い 不思議な不思議な夏です と一番や二番の結びに繰返し出てきますが、これはときめく心を表しているものと思いますが、近年の夏は胸まで「暑い」となりそうなぐらい、半端なく暑いです。

この曲が出た当時、1977年8月の今と同時期の東京の気温を調べてみました。

下表がそうですが、30℃になったのが1週間に1日だけ!

昔も夏は暑かったですが、朝早くからは暑くないし、夕方も涼しくなり、最高気温も今みたいにはいかず、7月は暑くてもお盆を過ぎるとピークは過ぎた感はあったものでした。今の暑さはやはりちょっと、この時期と比べると異常に感じます。

▼1977年8月の気温抜粋



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今日の1曲 (108)夢見る15歳/スマイレージ(2010)

遂に8月も中旬、お盆に突入した「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞/作曲:つんく♂

発売:2010(平成22)年5月26日(当時平均14.5歳)

売上:2.5万枚(オリコン最高5位)

2010(平成22)年5月に発売されたスマイレージ(現・アンジュルム)のメジャーデビューシングルです。

 

●現アンジュルムの原点

スマイレージは現在のアンジュルムであり、アンジュルムは元々「スマイレージ」としてこの曲でメジャーデビューしました。

しかし、この当時のメンバーは今のアンジュルムには一人も残っておらず、全員が既に卒業しています。もっといえば、その後翌年内にこのうちの2人も脱退してグループは解散の危機を迎えたほどでした。

「メジャーデビュー」と記しましたが、それまでに結成から4枚のインディーズ盤を経てのこの曲でのメジャーデビューという道をたどっており、インディーズ活動期間が1年強ありました。

 

●最強の4人

今のアンジュルムは10人ですが、原点はこの4人でした。

彼女らが所属する「ハロー!プロジェクト」は当時モーニング娘。をはじめ、Berryz工房℃-uteというグループが活躍する中で、新ユニットとして入るという状況でした。

それぞれのグループがいずれも既に活動歴5年以上になってきて、久々のフレッシュなグループというとこになりましたが、当時のハロプロエッグ(現ハロプロ研修生)の1期生として彼女たちも5年間も研修活動した上での結成だったので、歴は結構なものでした。

それでもその選りすぐりの精鋭といった形で抜擢された4人は、街頭で見知らぬ人に写真を撮ってもらって、1万人の笑顔を集めてモザイクアートをつくるという、富士の「地獄の研修」の一部のような事をやったりして、メジャーデビューへ漕ぎつけました。

そして当時、まだ普及し始めたばかりのTwitterもメンバー全員にアカウントが与えられて、全員に1アカウントずつの個人ブログがあって、という他のグループでは全く考えられない形で、先輩グループを差し置いて積極的にSNSのツールを与えられ「破格の待遇」でした。当時先輩グループでもブログもTwitterもないのが当たり前だったので。

それだけ「最強の4人」で「日本一スカートの短いアイドルグループ」として「天下とったるぞ」的な活動展開でした。

 

●怒涛の活動

この頃はとにかくキャンペーンやTV出演で忙しかったようです。個人的にリアルで彼女たちの存在を知ったのは、この半年後ぐらいでしたが、SNSに力を入れる一方でブログも書き、キャンペーンに出てTV出演もといった具合に、出ずっぱりという言葉がピッタリだった、後から見返してもそんな感じでした。

動画に出ていましたが、彼女たちへのダメ出しシーンがかなりあり、それが見ていて結構厳しいものがありました。愛情とも取れますが、どっちかというと委縮するようなもので、これが後の翌年2人脱退の遠因にもなった気がします。

快進撃という感じで、シングルリリースもその後2ヶ月おきという超目まぐるしい展開で進められ、とにかく仕事面には事欠かなかったものの、次から次へ詰め込まれたという感じだったようでした。

 

●年齢ソング

今更ですが曲名は「夢見る15歳」と書いて「夢見るフィフティー」と読みます。

メンバー4名中3名が当時15歳、ひとりは13歳という構成で、これに因んでのデビュー曲となった訳ですね。

その後、ハロプロのコンサートで所属している各グループの15歳メンバーがグループの垣根を越えたコラボで歌われたりしていて、15歳の代名詞的曲としても機能しています。

 

●楽曲について

いっつも肝心のこれについて語るのがかなり後になるのが、このブログの悪いところですが、オリコン最高5位、売上は2.5万枚でした。順位はとりあえずTOP10に入り上々の滑り出し、というところでしたが、その後も同じような順位に枚数が続き、大々的に売り出したにも関わらず、伸び悩み気味というところに制作側のもどかしさが見え隠れした気がしました。

先述の通り、割に低年齢のアイドルユニットのデビュー曲という事で、白を基調としたフレッシュな感じの衣装、中学生くらいの女の子と思われる主人公の年齢設定で、すごい恋を夢見て、色々と妄想している様子が窺えます。恋に恋する女の子、といったところでしょうか。糸巻きをするような両手をぐるぐる回すようなフリが大変印象的でもあります。

そして季節設定は夏です。夏祭りや金魚すくいや花火、そしてSummer Loveのフレーズ、随所に夏が散りばめられています。

あとは、いかにもという感じのアイドルソングではありますが、そこはハロプロ、一筋縄ではいかず、♪待ちきれないわ~ の「れ」が巻き舌だったり、どこかに「らしさ」が出てたりしています。

 

アンサーソング

この曲の出た当時、そして結成時からリーダーを長年務めてきた和田彩花さんが2019(令和元)年6月にグループを卒業する訳ですが、そのラストシングルとして「夢見た15年」(「15年」はおなじく「フィフティーン」と読みます)がリリースされました。

デビュー時の「夢見る15歳」の当時、彼女は実際にも15歳でしたが、「夢見た15年」の15年とは、彼女が研修生としてアイドル界に身を置いてから卒業するまでの15年を指しています。更にはこの時カップリングで、彼女自身のソロで「わたしの夢見た15年」という曲もアルバムの1曲としてリリースされ、「夢見た15年」と同じ詞でありながら、全く違う曲とアレンジで、全くの異曲のような仕上がりになっていました。

 

という訳で、今もアンジュルムとして活動しているグループの「原点」的な曲と位置づけられています。

 

 

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今日の1曲 (107)モンスター/ピンク・レディー(1978)

8月もあっという間に中旬へ、まだまだ暑い「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:阿久悠/作曲:都倉俊一

発売:1978(昭和53)年6月25日(ミー、ケイとも当時20歳)

売上:110.2万枚(オリコン最高1位)

1978(昭和53)年6月に発売されたピンク・レディー8枚目のシングル曲です。

 

ちなみにピンク・レディーが正式表記なんですね。ピンクレディー(間に「・」が入らない)かと思っていました。ピンクレディでもピンク・レディでもピンク・レイディーでもなく。

 

●最後のミリオンセラー

1977(昭和52)年からの約2年間はピンク・レディー旋風」ともいうべきピンク・レディーの時代でした。そしてその真っ只中を自分は小学校低学年という年代で過ごしていました。

本当に自分の周りは至る所ピンク・レディーでした。

まずTVをつければ、そこかしこにピンク・レディーは出ていました。歌番組、バラエティー、CMにも。

街へ出れば(田舎でしたが…)、雑誌や商品、食品など色んなものにピンク・レディーの存在がありました。

 

ピンク・レディーがすごいのは、その人気がレコードセールスにも直結していて1977年の4枚目渚のシンドバッド(最高1位。100.0万枚)からこの曲まで5曲連続でミリオンセラー(売上100万枚以上)を記録していました。

 

しかし「最後」という事は、この曲を最後に以後の曲は100万枚以上売れる事がなくなります。その後の1978年内に発売された曲は、それでも最高1位は獲得していましたが、その後は1位からも離れていく事となり、TOP10からも離れていく事となり…となっていきます。

 

それこそ人気はもう飽和状態で、後は下っていくしかなかった、という状況でもありました。

 

●悪魔の声と悲鳴でスタート

 

悪魔の笑いで始まり、イントロがスタートし、そして女性の大きな悲鳴(ライブではピンク・レディーの2人が全力で叫んでいます)と展開していく、歌わない先から曲の世界観がすごくよく分かる楽曲です。

 

●モンスターという呼び名

このモンスターたちは、歌詞からしフランケンシュタインドラキュラの事かな?とか思われ、「モンスター」って当時チビすぎてよく分かってなかったのですが、この頃からそのように呼ばれるようになったのでしょうか?「怪物」というのはその前からありましたし、「怪物くん」なんて、そのずっと前からあったアニメですが、モンスターという呼び名を定着させたのはこの曲じゃないかな?と思ったりました。

 

●実はかわいいモンスター

女性の目線からして、モンスターと呼ばれる男だけど「この私のかわいい人」とされ、見た目は怖いけど、実はかわいいところがあり、弱いところがある、そういう人物なのでしょうか。

♪そこどけ そこどけ ほうら…ときて、ほうら、ほうら、ほらほら!とくる、この辺りがフレーズとして耳に残りやすい部分でした。

 

 

…今、改めてこの2人が歌っている映像を見ましたが、笑顔キラキラで歌っていた裏に彼女たちの睡眠時間は3時間程度であった、と聞くとどうしても、我慢に我慢を重ねて笑顔を精一杯捻出したのかな?とか思わざるを得ませんでした。

何せ昭和の時代、イケイケドンドンというやつで、売れれば売れるほど、無茶遣いで働かせたんだろうな、と当時子供時代に考えもしなかったことが、社会人の目線から見ると感じずにはいられませんでした。

その後彼女たちの人気に陰りが見え始めますが、それはそれでバランスを取るための必然だったのかな、と思ったりもしました。

 

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今日の1曲 (106)さらば相棒/ARB(1982)

気がつけば盆休みが間近な「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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作詞:石橋凌・田中一郎/作曲:田中一郎

発売:1982(昭和56)年11月21日(石橋凌:当時26歳)

売上:不明(オリコンチャートインせず)

1982(昭和57)年11月に発売されたARBの8枚目シングル曲です。

●映画主題歌

バンドの中心人物にしてボーカルの石橋凌氏の映画主演作「さらば相棒」に主題歌として起用されました。この映画は宇崎竜童氏の監督作品で、またロック界から内田裕也氏などが助演しながら、「ROCK is S●X」と冠したそちら系の要素も少なからずで、パッケージを子供には見せられないレベルのものでした。

 

ARBについて

ARBをここで取り上げるのが初めてなので、曲の前に少しバンドについて触れます。

ARBは1978(昭和53)年に「野良犬」でデビューし、石橋凌氏をボーカルに据え、数年ごとにギターやベースが変わっては、その時々のサウンドを出していて、また労働者目線の楽曲が多かった事もあり「社会派のロックバンド」とかそれらの曲が「ワークソング」とか言われていました。

ボーカルの石橋凌氏が象徴的な存在ですが、彼は既成のバンドに最後にオーディションでボーカルとして迎え入れられたといいます。ゴダイゴタケカワユキヒデ氏が、寺尾聡氏がミッキー吉野氏に紹介して迎え入れられたのと同じように、ARBはギターの田中一郎氏が、甲斐よしひろ氏に石橋氏を推奨されてバンドが結成されたといいます。

主に80年代のロックシーンを彩り駆け抜けて、石橋氏が松田優作氏に傾倒して1986(昭和61)年から俳優の道へ進み出し、その後優作氏の死去を受けて石橋氏が俳優に専心したい意向から1990(平成2)年に最初の解散をしました。

その後1998(平成10)年にメンバーを変えて再結成し、TVでも取り上げられましたが、2006(平成18)年に活動停止しています。

 

●シングルカット

この曲が世にリリースされたのは1981(昭和56)年の事で4thアルバム「指を鳴らせ!」の最後の曲でした。

その約1年後にシングルカットされましたが、上記の同名映画主題歌の製作も絡んていたのでしょうか。

 

●楽曲について

怒涛のロックで攻めに攻めまくったこの「指を鳴らせ!」というアルバムで唯一純然たるバラード曲でした。

ガキの頃からずっと一緒だった、東京を離れて帰郷する友に優しく別れを告げる曲で、この友は都会で夢破れたか疲弊しきったようで、全てから解放されて帰郷する、そんな惜別のバラードでした。

 

●映画とのリンク

映画のラストで石橋氏の演じるロックスターを夢見る主人公が、内田裕也氏演じる中年男に突然刺されて、倒れるところからこの曲が流れてきて、瀕死の身体で這いつくばりながら友らの待つ東京駅の前まで来て、曲の歌詞通りに「TOKYO STATION」(雨は降ってませんでしたが…)と表記された東京駅が映っていて、ちゃんとリンクしてるなと思って見ていました。

しかしARBが映画の主題歌を歌う映画では大抵、石橋氏が死ぬんだなというのはありました。松田優作氏監督作品の「ア・ホーマンス」もそうでした。

 

社会派ロックの旗頭的存在、ARBが初期に放った秀逸なバラード曲でした。

 

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