寒さのピークアウトが見えない中で書く「今日の1曲」。
今日はこの曲!
発売:1981年10月
売上:不明(オリコンチャートインなし)
さて、前回記事がクールスで、今回は「クールス R.C.」とありますが、同じバンドです。
前回記事で、舘ひろし氏率いるバイクチームがメンバーを食べさせていく為に、バンドデビューした事を書きましたが、舘氏は1年半後の1977(昭和52)年に脱退、舘氏のみがそのままレコード会社(キングレコード)に残って、他のメンバーはトリオレコードへ移籍する事となり、その際に「クールス・ロカビリー・クラブ」へ改名、クールス R.C.などと表記され活動を続けていく事となりました。
ボスであり、看板的存在でもあった舘氏を失ったクールスは、2年後の1979(昭和54)年に今度はボーカルの要であるピッピこと水口晴幸氏も脱退により失う事となり、より細々とした活動へと移行する事となります。
そこから1981(昭和56)年、大幅な舵取り変更をする事となり、遂に新メンバーを2名加入させる事となりました。デビュー後6年を経て遂に新メンバー加入です。その一人にこの曲を作詞作曲した「横山剣」氏がいました。後にクレイジーケンバンドで成功を収めるあの横山剣氏です。
初期は舘ひろし色が顕著な、革ジャンにリーゼントのバイクチームの容貌で、いかにも「不良ロック」的ないでたちでしたが、この曲の頃はちょっと大人の集団という感じで、他のオリジナルメンバーは殆どが30歳を越え、横山氏は20代前半でしたが、ここでは彼の作詞作曲、そしてメインボーカルも担当し、「横山剣のバンド」という感じでした。
オリコン100位にも入らなかったにもかかわらずメディアにも登場していたようで、Youtubeで当時の貴重な映像を見る事ができますが、横山氏がボーカルをとりながら間奏で髪にクシを入れてオールバックを整えるパフォーマンスを見せています。
そして彼の歌っている中、彼より10歳くらい年上のベテランのオリジナルメンバーたちが、脇で「ウッ!」「ハッ!」などと合いの手を入れていて、舘氏のクールスを知る人間から見たら異様でしかない光景だったのでは?と推測されます。
しかしながら実にメロディアスで楽曲としての完成度も高く、横山氏がクールスに吹き込んだ「新しい息吹」は実に貢献度が高かったと思います。セールスにつながらなかったとはいえ、今後のクールスの音楽性に期待感が上がっただろうと思われた矢先に「舘ひろし時代のクールスに戻せ」との注文が入ったそうで、そこで横山氏は「オリジナルメンバーではないし、バイクチーム時代も知らないし、そんな自分があの頃に戻せと言われても、居る意味がない」ような事で、在籍わずか2年ほどで脱退してしまいます。
このクールスというグループは楽曲セールス的に全くと言っていいほど成功しなかったと思いますが、偉大なメンバーが在籍してはすぐに離れていった、というのが大きな特色といえるのかもしれません。
♪さあ踊ろう12時まで 今夜お前はシンデレラ…という歌詞がありますが、この時代はなんかっていうと「踊ろう」が出てくるんですよね。実際にディスコなんて箱もあった訳で…。