今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (31)君に捧げるほろ苦いブルース/宮内淳(1981)

2月になりましたがまだまだ寒さのピークアウトが見えない「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

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※宮内淳さん版として歌詞検索になかったので、オリジナルの荒木一郎さん版で載せています

 

↓動画はコチラ↓

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作詞/作曲:荒木一郎

発売:1981

売上:不明(オリコンチャートインせず)

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1981(昭和56)年に発売された宮内淳さん4枚目のシングル曲で実質ラストシングルです。

宮内淳さんは1975(昭和50)年「太陽にほえろ!」の新人刑事役でデビューし、「ぼんぼん刑事」として登場、「ボン」のニックネームで同番組の視聴率絶頂期を支えて約4年間活躍しました。その後も俳優としてキャリアを重ねますが、1978(昭和53)年よりほぼ年に1度のペースでシングル曲をリリースし、記録の限りではこの作品が最後となります。

 

という事で4曲のシングルリリースが確認できますが、オリコンチャートインした曲はないようです。有名俳優が歌う曲でも、それがセールスに直結しないのがこの当時の特徴でもありました。

 

この曲は、シンガーソングライターの草分け的存在である荒木一郎さん」の自作曲として世にリリースされ、これを数年後に宮内さんにカバーの形でシングル曲としてリリースする話が入ったそうで、宮内さん自身がこの曲を歌える事になり大変喜んだ、というのをどこかで見かけたように思えます。

 

ジャケットが表わすように、気だるさに満ち溢れた?曲で、荒木さんの持つニヒルな雰囲気も見え隠れして、それが宮内さんに乗り移った感じでした。熱い宮内さん「らしくない」感じで、「静」の荒木さんの曲を「動」の宮内さんが歌うのが不思議な感じでした。宮内さんも当時30歳を越えて新境地、という事だったのでしょうか。

 

歌詞で印象的だったのは♪気に入りの 紫蘭の花~ というところ、「気に入りの」というフレーズってなかなか見ないと思います。動詞の時は「気に入る」名詞の時は「お気に入り」と「お」がつき、名詞に「お」がつかない「気に入り」って何気に初見だったような。

全体的にかつての恋を思い出しなぞるような雰囲気で、BYE BYEを何度も繰返す曲ですが、最後で♪BYE BYE 君 すぐにいくよ ときて、またBYE BYEを繰返し、君と同じとこへ 夏になれば、で終わります。彼女のいる天国へもうすぐ行くよ、と捉えたのですが違うでしょうか。どうも夏になったら(この世で)彼女に再会するという風には捉えらず、ましてや荒木一郎作となれば益々前者かと思ってしまうのです。

 

2020(令和2)年夏、宮内淳さん70歳にて逝去の報が入りました。この曲を出した少し後に俳優活動を辞め、地球や世界平和を進める団体の理事長として、「太陽にほえろ!」出演者としては全く異色の世界に身を置き、独自の活動をされていました。

個人的には、もう一度でいいからワンシーンでいいから、俳優として出てほしかった、ですが叶わず悲しく思っています。

 

この曲もまた故人の残した曲となってしまいましたが、聴くたびに亡くなったことなど信じられなくなる、不思議な気持ちに陥りますが、これが音楽の力なのでしょうね。