今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲(36) 夕焼け/太田裕美(1975)

この度、ブログタイトルを変更して、そのものズバリにしました今日の1曲。

 

今日はこの曲!

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作詞:松本隆/作曲:筒美京平

発売日:1975年8月1日

売上枚数:6.4万枚(オリコン最高37位)


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1975(昭和50)年8月発売の太田裕美さん3枚目のシングル曲です。

 

彼女を代表する曲かつ現在も日本の名曲として歌い継がれる木綿のハンカチーフのすぐ前のシングルで、アルバム「心が風邪を引いた日」に両曲とも収録されています。

 

太田裕美さんは1974(昭和49)年末に「雨だれ」でデビュー、弾き語りの素晴らしいこの曲はオリコン最高14位、18.1万枚を売り上げるヒットをデビュー曲にして早くも出しました。しかしその後、2曲目「たんぽぽ」とこの「夕焼け」はいずれも最高30位台、売上は6万枚程度まで落ちます。その後「木綿ー」で世の中を席捲するのですが…。

 

「たんぽぽ」はデビュー曲を継承する弾き語り系で、この「夕焼け」は初めて弾き語り系でないシングルとなりましたが、「たんぽぽ」と含めてインパクトは強くなかったかなと感じました。でも個人的にはこの「夕焼け」大好きです。聴けば聴くほど好きになりました。

 

まずイントロの最初が、すごく物悲しそうで消え入りそうな、儚さに溢れたものに感じました。それは木綿のハンカチーフ」でブレイクする前の曲と想って聴くと、よりその儚さが感じられると思います、わざわざそんな事を考えて聴く人なんているのか?と思いますが。

 

個人的に、歌手の時系列まで考えて聴いてしまうところがあるので、先述のような事もあるのですが、嵐の前の静けさというか、そんな雰囲気もこの曲にはすごく感じられたのです。次の「木綿ー」のポップな曲調とあまりに対照的ですし。理屈っぽいんですが、そうやって聴くと面白い部分もあるし、思い入れも更に深まるんですよね、これは全くもって個人的感覚ですけどね。

 

真夏を過ぎた頃に別れた相手を想って泣く、という要するにそういう曲なのですが、淡々としたメロディーに尻上がりで壮大なバラードになっていく感じで、構成的な秀逸さを感じます。

 

サビの♪泣いてはいけませんかひーとりでー あなたがとってもすーきーだーからーって部分、ここがいちばんの聴かせどころ、と勝手に思っていますが、別れた相手だし泣くのは勝手に泣いたら?とか思ってしまったのですが、そこで断り入れといて「あなたがとっても好きだから」って言われた日には、ドギマギしてしまいます。

 

サビのファルセットは当然うまい訳ですが、多用しすぎて逆にちょっと霞んでしまったかな?という気がしました。すみません批判ではないんですが、後半かなり裏返りまくってたかなというのが個人の感想でして。やはりこれは意図してこのようにしたんでしょうかね?逆にだからこそ、前奏やAメロの穏やかなメロティーラインがすごく心に残って、遠い日の情景がありありと浮かぶ気もしました。

 

そして前半の淡々とした歌い口にいろんな想いの籠った曲というのも感じました。態度には出さないこと色々考えてるんだよ的な。

 

余計なバックミュージックのない、歌唱で曲の世界観を表現する秀逸な曲、かすかなメロディーラインも実に淡々として秀逸、言葉で表現するのむつかしいですが、とにかく音源聴いてみて下さいというところです。もう戻らない過ぎ去りし日々が何かフラッシュバックするような感覚に陥る、、かもしれません。

これが「木綿のハンカチーフ」前夜に世に出た裕美さんの楽曲です。