今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (59)真夜中のロックン・ロール/矢沢永吉(1976)

すっかり春の暖かさですが急さを感じる「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

 

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音源は確認できないため、今回は割愛です。

作詞/作曲:矢沢永吉

発売:1976年3月21日(当時26歳)

売上:1.6万枚(オリコン最高65位) 

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1976(昭和51)年3月に発売された矢沢永吉さん2枚目のシングル曲です。

前年1975(昭和50)年4月に自身のバンド「キャロル」を伝説的な形で解散させ、9月にはソロデビューを果たし「アイ・ラヴ・ユー,OK」というシングルがデビュー曲(最高43位。3.4万枚)となりました。その曲に続く、本作が2枚目となります。

キャロルの頃のような革ジャン、リーゼントの雰囲気はまるでなく、むしろ「脱・キャロル」という感じの普通のいでたちのジャケットです。ちょっと酔ってるみたいに写ってるのは気のせいですが、真夜中らしくバックは真っ黒です。

この頃はまだ、矢沢永吉という名前はそれほどの全国区ではなく、レコードが数万枚売れる程度で勿論TOP10入りもなく、ロック界ではカリスマ性十分の存在でしたが、この曲でもオリコン65位、1.6万枚程度でした。

コンサートをやるとガラガラだった地方もあったほどだったといいます。彼が大成していくのは翌1977(昭和52)年にアルバムが1位になり、武道館コンサートを成功させてからで、更に翌1978(昭和53)年には「時間よ止まれ」でシングルでも1位を獲得し、その頃には押しも押されもしないいわゆるスーパースターになっていました。

 

永ちゃんは自身の楽曲で、基本的に全曲「作曲」はしていますが、「作詞」については殆ど他人に任せています。そんな中でこの曲は珍しく「作詞」も担当していて、この年のアルバム「A DAY」は本人作詞曲がいくつか収録されていますが、シングル曲で自身が作詞しているのはこの「真夜中のロックン・ロール」のみです。

 

かつてキャロルで♪ファンキーモンキーベイベェ~と歌っていた永ちゃんが、ここでは一貫して「ベイビー」と歌っていて、この部分がかなり印象的でした。

出だしがスタジオ収録の「リハーサル」のような感じで、音合わせのようにさりげなく演奏が始まり、永ちゃんが掛け声をかける、という普通の楽曲とはちょっと違う形になっています。その掛け声が「ワン、トゥー、ワントゥースリーフォー!」というもので、1234の前に「あ」をつけるのが独特で、これまた印象的な部分です。

 

その永ちゃんの掛け声が終わるや、ガーンと本格的な演奏が始まり、♪お願いだベイビ~と歌いだしますが、いきなりハイテンションです。最初の2行がテンション高くて、その後がゆったりした歌唱になり、また繰り返す♪お願いだベイビ~の直前でテンションがあがってきます。あと曲中フーとかハーとかそんなコーラスもたいへん印象的でしたね。サビに向かって♪ハーーーと盛り上がってきたりして。

 

間奏は永ちゃんのシャウトが炸裂しまくってます。♪カモン!から始まり、初期矢沢曲で最もテンションの高いシャウトの曲のひとつといっても過言ではないほどです。

ドラムのボコボコっとした音も印象的で、歌唱中もいい効果出していましたし、間奏の永ちゃんのシャウト後や終奏の部分でもいい味出しています。特に終奏のコーラスと共に炸裂するドラムは、曲の終わりを感じさせず、また永ちゃんが歌いだすんじゃないかと思わせるほど、終奏らしからぬテンションの高さでした。

 

ソロ初期は脱キャロル、脱ロック的な雰囲気さえ感じましたが、この曲はタイトルにもロックン・ロールを入れるほど、昔の路線を感じさせるものがありました。そういうものも含めて、いろんなジャンルを表現していきます、という事の現れだったのでしょうか?永ちゃんがロック的な側面を表現するのを心待ちにしていたファンにとっては、期待通りの曲だったのかもしれません。