お盆休みも終わってしまい、また現実に引き戻された「今日の1曲」。
今日はこの曲!
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作詞:大倉洋一/作曲:矢沢永吉
発売:1974(昭和49)年12月20日 (矢沢永吉当時25歳、ジョニー大倉当時22歳)
売上:4.4万枚(オリコン最高54位)
1974(昭和49)年12月に発売されたキャロルの10枚目にしてラストシングルです。
●ラストシングル
矢沢永吉、ジョニー大倉という2大巨頭を生み出した伝説のロックバンド・キャロル。
その活動期間は短く、デビューから解散まで2年4ヶ月、デビューからこのラストシングルまで2年ちょうど、その中で10枚ものシングルをリリースしてきた訳ですが、最初の半年で7枚、毎月1枚の超ハードペースでシングルリリースをしており、逆に後の1年半では3枚しかリリースせずに終わりました。
その後半はゴタゴタの連続で、間にジョニー氏の失踪もあり、バンドは人をやりくりするのに一苦労で、矢沢氏のワンマン状態の中、軋轢が深くなり、解散に向かって動き出していたといいます。
このシングルの発売日は昭和49年12月20日、あと10日あまりで昭和50年代が到来しますが、遂に昭和50年代のシングル曲は発売されることなく、昭和50年4月13日に伝説のラスト・ライヴが行われ、解散となります。
●ジャケット
このジャケットを見て「キャロル?」となった方もいたかもしれません。
キャロルといえば、日本でリーゼントに革ジャンのスタイルを普及させたバンドな訳で、そのスタイルが当時の若者にいかに影響を与えたかは、その後の世代に生きる我々でも容易に想像がつきますし、その後に出てきたロックバンドを見ててもよく分かります。
しかしこの曲のジャケットを見ると、そんなのカケラも感じられない格好となっています。いつも革ジャンとリーゼントばかりじゃマンネリだろうというのもありますが…
ちなみに左から2番目がジョニー氏で、その右の帽子にサングラスが矢沢氏です。
●作家陣
作詞は大倉洋一(ジョニー氏)で、作曲が矢沢永吉氏という、キャロル定番のコンビです。
初期は基本このコンビでしたが、時期が経つと単独で作詞・作曲した曲を持ち寄ってアルバムができたりして、矢沢氏の作詞・作曲という珍しい曲も出てきました。
最後は原点回帰という事でしょうか、この定番コンビの曲となりました。
●歌詞
まさにラスト曲でタイトルも「ラスト・チャンス」。
どっからどう取っても最後だろう、という曲です。
♪恋が燃え尽きそうな
と歌っており、これがまさに最後の時であり、
♪信じられない 人の心は
という周りが信じられない状態になり、
♪だからほんとの 答えをおくれ せめて最後の時に
と一番は締めくくられています。
最後くらい、ほんとの気持ちを知りたい、答えを知りたい…おしえてほしい…そんな感情でしょうか。
二番の締めくくりは
♪中途半端は つらいものだよ せめて別れの時に
となっていて、解散前の中途半端な状態とダブらせたのかどうかですが…
キャロルはそれぞれの音楽に対する方向性の明確な違いにより解散したと言われますが、元々は最後のケジメもないまま自然消滅になるかもしれなかったといい、「最後にコンサートだけはやろうよ」という事で、電飾が暴発して燃え落ちる、伝説の解散ライブにつながりました。
●サウンド
軽快なエレキサウンドが主という感じです。
初期の「ルイジアンナ」のような重さがなく、「ファンキー・モンキー・ベイビー」に近い軽快さ、というところでしょうか。
間奏は「ルイジアンナ」に若干似てますが、これを軽快にした感じで、音の節目にチャチャと手拍子が入っているのが特徴的です。
1曲でいいから、昭和50年代にリリースされたキャロルの楽曲がほしかった、と個人的には思うところで、もっと贅沢言えば1980年代まで続いていれば、どんなすごいロックバンドになって、どんな楽曲を作っていたのだろうか??と勝手に妄想してしまいますが、そもそもたぶんバンドとして長生きできる運命にはなかったのかな、とも思います。
それぐらい猛烈なエネルギーで時代を突っ走っていった感があり、これが止まるにはもう解散しかなかったのかな、というところでキャロルのラスト曲について、終了します。