春が来たと思うと花粉がきついのか帰宅後苦しむ「今日の1曲」。
今日はこの曲!
作詞/作曲:世良公則
発売日:1983年6月5日(当時27歳)
売上枚数:0.5万枚(オリコン最高85位)
1983(昭和58)年6月発売の世良公則さん2枚目のシングル曲です。
日本ロックをTVに本格的に登場させた元祖的なバンドとして一世を風靡した「ツイスト」を1981(昭和56)年に解散し、翌1982(昭和57)年に「東京指紅(ルージュ)」でデビューし、これがこの翌年にしてソロ転向後2位目のシングルになったという具合です。
オリコン最高85位で、記録上0.5万枚と1万枚も売れていなかった形で、ソロ転向後はこれというヒット曲が出なくなってしまいましたが、俳優の地位を築きながら、ライブもやりつつキャリアを積み重ね、独自の世界観を築き上げていった方、という感じがします。
この当時は、歌手より俳優業が中心の頃で、1年半出演していた「太陽にほえろ!」にこの1983年のみ「通し」で出ていたので、やはり俳優メインだったといえ、前年こそ出していましたが、この年と翌1984(昭和59)年はアルバムを出していませんでした。
また、このソロ転向後の1982~1984年頃は、彼のイメージ通りの「ロックな」歌唱ではなく、シティポップス的な柔らかい歌唱で歌っているので、彼の歌手としてのキャリアの中でもかなり「レア」な時期であったといえます。
この曲といえば個人的にですが、当時世良さんのラジオ番組「世良公則のちょっといかした10 o'clock」という番組で毎週流れていました。1983年の春ごろから聴き始めましたが、日曜日の朝10時、それからというもの毎週聴いていました。その頃に出たシングル曲でした。
なので、この曲を聴くと、いつもその時のことを思い出します。中学校に入ったばかりの頃で、当時「ラジカセ」を親からもらったばっかりで、本当に生活が変わるような日々の中で、ひとつ増えた楽しみ、その頃によく流れていた曲でした。
♪せんなかぁーにゆーめをひとつぅー、で始まる歌い出しは、およそロック歌手らしからぬ歌い口で、当時のこの歌い方が好きでした。世良らしくない、という感じのちょっと物足りない感じでしたが、これはこれで良かったんですよね。サビの♪Do you want~~、の部分はちょっとがなってる感あってやはりツイストのボーカルを感じさせる部分もありました。
その代りといっては何ですが、B面の「Girl」という曲はこの当時では逆にレアなロックっぽいナンバーで、出だしの♪All rightというシャウトからロックを感じさせ、ドラムのリズムも軽快で、バンドセッション感というかグルーブ感というか、そういうものが感じられました。
当時は、それまでのツイストのような「ロックっぽい歌い方をしないようにしていた」と、どこかで聞いたように思いますが、そんな中で、かなりそのツイスト寄りのボーカルになったのがこの「Girl」という曲だったと思います。
A面「YOUR SONG」に戻りますが、なんとも言えないメランコリック感と、ノスタルジックを感じ、多くの人に聴かれていない?と思いますが、およそ彼らしくない違った魅力のある歌唱のこの曲を聴いてほしいと思いますし、当時の彼のこの歌唱ももっと再評価されて良いだろうと思います。