今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (95)抱かれたい、もう一度(LOVE THAT WAS LOST)/矢沢永吉(1981)

気がつけば7月、2022年後半になってしまった「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

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作詞:Bobby Lakind&Paul Barrere/作曲:矢沢永吉

発売:1981(昭和56)年4月25日(当時31歳)

売上:33.7万枚(オリコン最高5位)

1981(昭和56)年4月に発売された矢沢永吉さん9枚目のシングル曲です。

 

このブログで何度か永ちゃんの楽曲を御紹介していますが、この曲こそが自分にとって初めて「矢沢永吉の楽曲」として認知したものです。とはいっても、昭和の代表的な歌番組「ザ・ベストテン」で10位以内にランクインせず、11~20位の曲紹介コーナーでほんの一部だけ流れるメロディーとこのジャケ写で知りました。

 

永ちゃんといえば世間的には1978(昭和53)年の「時間よ止まれ」があまりに有名な訳ですが、当時自分は小2で、まだ矢沢永吉という人の存在をろくに知らず、「時間よ止まれ」ってそんな言葉だけは聞いた事がある、程度(楽曲とすら認知してなかった)でした。なので、小5の時に矢沢永吉という人と、その人の曲が初めて一致した訳です。

 

このタイミングが非常に「レア」な訳ですが、この曲は作詞者名や歌詞を見て頂ければ分かるように「全編英語詞」の曲です。つまり矢沢永吉がメロディーをつけた洋楽な訳です。

そしてこの曲で彼を初めてまともに認知した、と書きましたが、その時の風貌がこのヒゲだらけの顔なので、これが自分にとってのデフォルトの永ちゃんな訳で、これもまた大勢の方々から見ると大変レアだと思います。

 

彼にとって全編英語詞曲であるにもかかわらず、オリコン最高5位で33万枚余りの売上を記録しヒット曲になりました。ここまで9枚のシングルで、最大ヒット曲としてオリコン1位も獲った「時間よ止まれ」に次ぐ2番目に多い(当時)売上を記録しました。翌年発売されるヒット曲「YES MY LOVE」(最高8位。34.3万枚)も34万枚と同程度で、世間的知名度はあまり高くないながら、数字的にはよく売れた曲でした。

 

全編英語詞なのは、ちょうどこの時期の永ちゃんは全曲英語詞のアルバムYAZAWAを全世界発売したという記念すべき時期であった訳です。日本にとどまらず、世界進出という訳ですね。売上は芳しいものではなかったといいますが、1からのアメリカ生活で英語も学び、1人のアメリカ人になり切っての2年間だったと聞きました。翌82年にも全曲英語詞のフルアルバムYAZAWA -It's Just Rock'n Roll」を発売します。そうしながらこの'81,'82年は全曲日本語詞のアルバムも1枚ずつリリースしているという充実ぶりでした。

 

日本で何十万枚売れるより、アメリカで売れた2万枚、「価値はその2万枚の方が上だったね」と後年ドキュメンタリー番組で本人がそう語っていたのが印象的でしたが、そう思いながらこれら英語詞の楽曲を聴いていると、また違ったテイストを感じられます。

音楽って、予備知識なしにフィーリングでその良さを感じるのも良いのですが、色んなものを詰め込んだ上で、味わって聴いてみるのが個人的には好きなので、その方が味が出てくるし?スルメ曲ってそういう事かな、とも思いますし。人それぞれですが。

 

LOVE THAT WAS LOSTという事は「失われた愛」つまり失恋な訳ですが、これを日本語で「抱かれたい、もう一度」としたセンスもすごいなと思います。初めて知った小学生の時は日本語曲名の方しか知らなかったんですが、永ちゃんの曲で初めて知ったのが「抱かれたい、もう一度」というおよそ彼らしからぬ曲名であるなんて、何度も言いますがつくづくレアだと思います。しかも曲調的にバリバリのバラードですし(笑)まだ「鎖を引きちぎれ」(シングルではありませんが…)の方が彼らしい楽曲という感じがしますよね。

 

最後に、サウンド的には出だしのなんともまったりとした前奏がいい感じの曲です。ロックのYAZAWAとはおよそ対照的な彼の広い引出しをこの当時から感じる事ができる佳曲、そんな感じです。