12月12日、今年もあと20日を切った「今日の1曲」。
今日はこの曲!
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作詞:寺山修司/作曲:鈴木邦彦
発売:1968(昭和43)年12月10日 (当時平均16.8歳)
売上:8.0万枚(オリコン最高23位)
1968(昭和43)年12月発売のフォーリーブス2枚目のシングル曲です。
●GSサウンド
フォーリーブスはデビューが本作の出た年である1968(昭和43)年という事もあってか、また本作もGSを沢山手掛けてきた鈴木邦彦氏が作曲をしている事もあってか、初期は特にGSっぽいサウンドの曲が多く見られます。
この曲も当時出て間もないエレキと、ドラムの融合で既にGSっぽいですし、サビから始まるものの、次のAメロがGSっぽくて、似たようなメロディーをGS曲で聴いたな、、と思い出したのが、ザ・スパイダース「真珠の涙」(1968年発売)でした。
♪ぼくが~死んでも~ のあたりが「真珠の涙」の出だしのメロディーそっくりで、当時主流の手法だったのかなと思いますが、GSサウンどでアイドルグループが歌うとこうなる、という感じでしょうか。もっとも当時はまだアイドルという概念すら確立されていなかったと思われ(生まれてもいないので体感的には全く分かりませんが)、形態の違うGS、という表現のが合ってるのだろうか?とか色々考えてしまいます。
●作家陣
先述の通り、作曲はGS作品を数多く手がけた鈴木邦彦氏です。
まだGS隆盛だったこの時期にGSとその延長上のジャンルの曲を作り、特に1970(昭和45)年前後にかなり曲を作っていたようで、70年代は主に西城秀樹さんの曲を手掛けていて、当時のヒデキの曲は割に70年代風GS的なサウンド要素があったものでした。
作詞は、ナント!!演劇界の大御所、寺山修司氏です。意外!でありますが、彼が残した歌謡曲は意外に多く、「がんばれ長嶋ジャイアンツ」なんかも彼の手による詞となっています。
●幻想的世界
フォーリーブス初期のGSっぽい曲は、なんだかすごく遠くから歌っているような「距離感」のようなものを感じます。
歌詞に「星」というフレーズが何度も出てきているのも、地上というより空の上のストーリーのような感じもします。♪星へおいでよ と歌っていたりしますが、♪よごれてしまった地上をはなれて 星で二人でくらそう と歌うあたり、この世の中に希望など見出せなくなって、こんな星なんかさっさと離れて、違う星で幸せに暮らそう と言ってるようで、この当時からこの世界には希望というものが無くなっていたのだろうか?と感じさせられました。今からもう50年以上も前の、まだ成長真っ只中の日本の世の中においても、こんなだったのか?と。
そして個人的に「名言」と思うフレーズが、♪君の涙は この世でいちばん 小さな海だよ というコレですね~。広くて大きいものの象徴とすらされている「海」が「涙」とイコールで結び付けられるという、この感性が素晴らしすぎます。「小さな海」という一見矛盾した表現ですが、それを「涙 is 海」なのかと。
地上の世界に疲れたら、現実逃避に聴きたくなる曲のひとつです。