今日の1曲

古い曲に偏りますが1曲チョイスして綴ります。

今日の1曲 (240)求愛専科/岡田奈々(1977)

2月3連休、前に1日プラスして4連休も既に3日終わってしまった「今日の1曲」。

 

今日はこの曲!

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作詞:有馬三恵子/作曲:森田公一

発売:1977(昭和52)年9月25日 (当時18歳)

売上:4.1万枚(オリコン最高49位) 

1977(昭和52)年9月に発売された岡田奈々さん10枚目のシングル曲です。同姓同名の方が後から現れて「昭和の岡田奈々」とかいわなければならないのは面倒ですが、ここでは一貫して岡田奈々さんで通します。

 

これまで岡田奈々さんの楽曲では、以下のものを記事にしています。

 

◆手編みのプレゼント(1976.9.10発売)

lefthand926.hatenablog.com

 

◆バイバイ・ララバイ(1978.2.10発売)

lefthand926.hatenablog.com

 

●10枚目シングル

1975(昭和50)年に「ひとりごと」(1975.5.10発売)でデビューした岡田奈々さんは、日テレ系青春ドラマ俺たちの旅では田中健さん演じる「オメダ」の妹役、続く「俺たちの朝」では勝野洋さん演じる主人公「オッス」の妹役など、マスコット的な役柄を演じながら歌手活動を続けていました。

俺たちの旅」の時には自身のシングル「青春の坂道(1976.3.10発売)が挿入歌にも起用されヒットし、「俺たちの朝」の放送期間中に、(挿入歌等には起用されませんでしたが)この曲がリリースされ、この頃には他のドラマにも出るようにな活動の幅を広げていた頃で、10枚目シングルとして発売されました。

 

●事件後初シングル

彼女にとってはこの時期はとても辛い時期であっただろうと思います。

この年の7月に自宅に暴漢が押し入り、ナイフで手を怪我する重傷を負い、やがては消えていったといいますが、その後会見を開いた事で様々な憶測を呼びアイドル人気が下降線をたどっていったといいます。

この事件から2ヶ月後に本作は発売されており、レコーディングは事件後に行なった可能性も高く、心身ともに最悪の状況で挑んだのかな…等々想像してしまいます。

 

●青春アイドル路線からの脱却

先の事件もあってではないでしょうが、彼女のそれまでのイメージそのものであった清純路線の爽やかな楽曲から、この曲は一歩踏み出した先の雰囲気に溢れ、少しハードでシリアスな雰囲気が前面に出た楽曲です。

イントロからエレキギターのうねりで始まり「これ岡田奈々さんの曲??」と初めて聴いた時に感じました。それまで「青春」「ほのかな想い」「清純」そんなワードがピッタリの曲ばっかりといっても過言ではなく、この曲は明らかにそこから外れていたものでした。

一言でいうと「なりふり構っていられない」想いを爆発させた曲、というところでしょうか。あくまでも不純とかそういう正反対なキャラになったとかではなく、清純な子が想いを解き放とうとしている姿、が描かれている感じです。

 

●作家陣

作詞は有馬三恵子さん、作曲は森田公一さんと前作「らぶ・すてっぷ・じゃんぷ」(1977.7.10発売)と同じ組合わせで、この2作のみがこの組合わせです。有馬さんの作詞はこの2作のみで、森田さんの作曲はもうひとつ前のそよ風と私(1977.4.10発売)からの3作連続(本作が最後)で、1977年の彼女のシングル3作はすべて森田さんの手による曲となっています。

 

●歌詞

彼と思われる相手が明らかに年上と分かる女性とお茶飲んでて、肩と肩が今にも触れそうな状況、をこの曲の主人公の女の子が目撃した事から始まります。それがとても、

♪あゝん ショック ショック~

と歌われています。ここがこの曲の最も印象深いフレーズといえます。

しかし、肩と肩が触れそうという事は、この2人は向き合って座っていたのではなく、隣り合わせで座ってお茶していたのでしょうか(笑)

 

そして、それまでの彼女の楽曲なら、ここでモヤモヤした思いを抱いたままだったかもしれません。そもそもそれまでの曲では相手は彼氏というより、片想い相手なので単純比較はできませんが、ここからが明らかにそれまでの楽曲とは違っています。

♪私決めました今日から センチメンタルじゃいられない

と決意表明をします。それまでの楽曲ならセンチメンタルでいたであろうところを、一歩踏み出すわけです。

ここの歌い方がハードで「らしくない」印象で、良い意味で彼女の新しい一面が見えた歌唱と思いますが、それまでの楽曲にない切迫感をここで見事に感じさせています。

 

そして

♪あなたを確かな 恋人にするために

♪何でもします なんでも

と続きます。

この切迫感溢れる思いを遂に解き放って「なんでもします」とまで言いました。

こんな可愛い彼女に「なんでもします」とまで言わせるってどゆこと?ぐらいな感情を、聴いてたら抱いてしまいます(笑)

ラストの

♪ダ~メダメ~ のフレーズも「ショックショック」同様印象的なフレーズです。

あなた慌ててもダメダメ、あなた逃げ腰はダメダメと言い放ち、「私決めました」と思いを改めて宣言します。

二番では18歳にも関わらず

♪お酒もその気なら 私飲めるわ

といった具合で、この曲の主人公の年齢は分かりませんが、少なくとも当時の彼女からは少し背伸びした設定になっていると感じます。

 

この曲を境に、ネガティブな感情に重きを置いた楽曲が続いていったように思います。「バイバイ・ララバイ」とか「だめですか」とかタイトルからしてそうとしか思えないような楽曲で、それまでの「ときめき」や「切なさ」の楽曲から「あきらめ」や「執念」のような楽曲へ変わっていく、そんな境目の頃だったように思いました。

 

サウンド

先述の通り、エレキのうねりで始まるハードなサウンドは、それまでの彼女に対するイメージを覆したもので、このハードなイントロからどう歌いだすんだろう?と初めて聴いた時、感じました。イントロがとにかく「ビシッ」としたカッコいい感じのものでした。

また、

♪私決めました今日から~

と歌っている時のこっそり忙しく鳴っている音は何だろう??とふと感じました。そんな目立つ音ではないですが、アレンジャーのこだわりが入っているんだろうなというところで。

 

 

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